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読んだ本の感想をつづったブログです。


聖徳太子はいなかった (新潮新書)
聖徳太子はいなかった (新潮新書)
谷沢 永一
新潮社 2004-04

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タイトルにつられて買った(買ってしまった)本。

聖徳太子がいないという仮定を、どのように論証し、またその背景などを述べていくのかといったあたりを期待して読み始めたのだが、期待は見事に裏切られた。

聖徳太子の存在を述べた史料とされる日本書紀や十七条の憲法の内容を引用して、そこから聖徳太子の存在を疑っていくように思えるのだが、構成がひどい。

内容としてもタイトルにあるような部分になかなかたどり着かずしかも面白くないので、途中からまともに読むことを諦めて斜め読みしていったのだが、最後の方でほんの申し訳程度の記述があるのみである。
巻頭見開きの記載では”スリリングに検証”、”衝撃の一冊”などとあるが全然スリリングでもなければ衝撃もないという羊頭狗肉も甚だしい一冊であった。

何より文章が分かりにくい。不必要な比喩が頻出し横道にそれ、果たしてエッセイなのかと疑うような書き方である。くだけた文章を意識しているのかもしれないが、ガラではないようで俗っぽい印象しか残らない。
それに新書のように大衆向けに分かりやすく書こうとする場合は小さな見出しをつけてメリハリを出すなど工夫するものだが、本書はそのようなものはほとんどなく、漫然と書き連ねているような印象を受ける。

著者はあとがきで”老人の寝言に過ぎない”と書いているが全くその通りだと思う。
以前は多くの賞を受賞した評論家なのだろうが、ちやほやされているうちに傲慢になった上に耄碌したようである。

それ以上に、権威のある人だからといってこのような出来の良くない本を出版してしまう側にも問題はあるだろう。
大はずれ、失敗でした。



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