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天武天皇 隠された正体 (ワニ文庫)
天武天皇 隠された正体 (ワニ文庫)
関 裕二 (著)
ベストセラーズ 2000-06

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前著『聖徳太子は蘇我入鹿である』に続く日本古代史の謎に迫る作品。
古代史最大の内戦とされる壬申の乱で大友皇子(弘文天皇)を討ち即位した天武天皇(大海人皇子)。彼は日本書紀の記載では天智天皇(中大兄皇子)の実弟とされているが、前半生についての記載がほとんどないことや実年齢がはっきりしないなどの謎がある。

他にも天皇家の菩提寺において天武天皇の血筋が天皇として認められていない点や、天智天皇の娘が何人も嫁いだ点、後世の史書で天武天皇が天智天皇の兄であると書かれている点など、不自然な点はいくつもある。

これらについて、天武天皇が渡来人であったとか、日本書紀に登場する漢皇子という人物が天武天皇だったのかではないかなどの説が出されているが、ここでは前著との関連から一歩進んで天武天皇が蘇我氏の出身だったという説を立てている。

細かい考証は一読してということで、著者が出した結論としては、天武天皇は蘇我入鹿(=善徳、聖徳太子)の子で天智天皇とは異父兄の関係にあるというものである。

日本書紀に出てくる謎の人物である建皇子、漢皇子は天武天皇のことであり、また天智天皇の異母兄で謀反の疑いで殺害された古人大兄皇子も天武天皇のこととしている。

天武天皇がこうして正体を意図的にぼかされてしまっているのは、日本書紀が完成した時期の権力者が持統天皇(天智天皇の娘)と藤原不比等という天智天皇側の人物であったためで、天武天皇の正体が知られると彼らの祖先である天智天皇の行った悪行(テロによる政敵の暗殺)が知られてしまうからに他ならない。

少し勘ぐりすぎな気もしないでもないが、不自然に考える要素が少ない新説であり、一気に読み進むことができた。



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