日付 | 記事タイトル |
2004/12/27 | 『松下政経塾とは何か』 |
2004/12/25 | 『日本の総理学』 |
2004/12/18 | 『消された王権・物部氏の謎―オニの系譜から解く古代史』 |
2004/12/17 | 『野球型 vs サッカー型 豊かさへの球技文化論』 |
2004/12/11 | 『スカートの風―日本永住をめざす韓国の女たち』 |
2004/12/10 | 『2005年超株高大景気』 |
2004/12/06 | 『中国は日本を追い抜けない!』 |
2004/12/04 | 『玄界灘』 |
2004/12/03 | 『継体天皇の謎―古代史最大の秘密を握る大王の正体』 |
2004/11/27 | 『長谷川慶太郎の大局を読む―2005年 経済・政治・軍事』 |
2004/11/26 | 『伊予小松藩会所日記』 |
2004/11/24 | 『戦国の名脇役たち―乱世に輝いた九つの才能』 |
2004/11/23 | 『黒いスイス』 |
2004/11/16 | 『戦国鉄砲・傭兵隊―天下人に逆らった紀州雑賀衆』 |
2004/11/05 | 『数学嫌いな人のための数学―数学原論』 |
2004/11/03 | 『できる社員は「やり過ごす」』 |
2004/11/01 | 『海のサムライたち』 |
2004/10/31 | 『仏教と資本主義』 |
2004/10/28 | 『邪馬台国と大和朝廷』 |
2004/10/24 | 『壬申の乱の謎―古代史最大の争乱の真相』 |
2004/10/21 | 『会社蘇生』 |
2004/10/20 | 『天武天皇 隠された正体』 |
2004/10/19 | 『聖徳太子はいなかった』 |
2004/10/17 | 『井伊直政―家康第一の功臣』 |
2004/10/12 | 『男と女の進化論―すべては勘違いから始まった』 |
2004/10/11 | 『名探偵なんか怖くない』 |
2004/10/07 | 『聖徳太子は蘇我入鹿である』 |
2004/10/02 | 『徳川家康は二人だった』 |
2004/10/01 | 『逆説の日本史〈9〉戦国野望編―鉄砲伝来と倭寇の謎』 |

松下政経塾とは何か (新潮新書) | |
![]() | 出井 康博 新潮社 2004-11 Amazonで詳しく見るby G-Tools 関連商品 志を教える―松下幸之助の人づくり 志のみ持参―松下政経塾十三年の実践録 (活学叢書) 地域主権型道州制―日本の新しい「国のかたち」 (PHP新書 494) (PHP新書 494) 第五の権力 アメリカのシンクタンク (文春新書) 最新選挙立候補マニュアル―選挙参謀はいりません |
松下幸之助が作った政治家養成学校ともいうべき、松下政経塾。
これについてはエリートの養成機関のようなイメージを持っていた。
本書では、この松下政経塾の成立から卒業生たち、それから数々の確執が述べられている。
杉並区長となった山田宏はアクが強くて国会議員にはなれなかったこともあって全国区的にはあまり印象が強くないが、まとめ役的存在だったらしい。
対照的に、現横浜市長の中田宏は若くクリーンな政治家のイメージがあるが、本書では裏切り者かつ恩知らずぶりが出てきて、結構驚いた。
また、松下幸之助の野望が周囲とかみ合っていないように感じられ、耄碌したのかとも少し思った。
政経塾では選挙のテクニックは学んでいるように書いてはあるものの、果たして政策や理念についてはどれほど教えているのか疑問だった。
そもそも、政治家を育てることができるのは、それだけの有能な政治家であるのではないか。松下の出向社員では無理だろう。

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日本の総理学 PHP新書 | |
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中曽根元総理の、総理大臣としての心構えや日本の在り方について説いた本。
大体以下の内容で構成されている。
・これまでの経歴と自慢話
・日本国憲法への不満と改憲案
・教育基本法の問題点と愛国教育の重要性
・日本国の長期的な目で見た国益
・小泉政権へのダメ出しと、議員を辞職させられたことへの愚痴
政界風見鶏とか平成の妖怪などと呼ばれ、かなりの批判を浴びてきたが、この人以降長続きした首相は小泉さんまでいなかったことを考えると、存在感が分かる。
中曽根さんの原点は米国に占領された屈辱と、それに負けまいとする愛国心にあるということが強く感じられた。
3公社民営化(国鉄、専売公社、電電公社)および当時のレーガン政権に対する応援でソ連をギブアップさせるのに貢献したなどの功績は、当時考えられたよりも大きいと思う。
情報戦略を司る機関の必要性など、長期的な視野から見た日本国の運営のビジョンがある点には感心した。
あまり近づきたいタイプではないが、政策的にはいい線をいっていると思う。

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古代日本で、仏教伝来に際してこれに激しく反発して仏教導入派の蘇我氏に滅ぼされた氏族、というのが物部氏に関する一般的なイメージか。
本書では物部氏を導入として、古代から日本における天皇家と鬼の関係を大胆な仮説で分析している。
物部氏の”モノ”とは神や鬼のような人間の力では逆らえないような大きな存在といった意味であるそうで、酒呑童子や金太郎のように子供の姿をして現れるというのが日本における伝説の1つのパターンである。
この鬼というのが誰から見た鬼かというと、独裁を志向した天皇および百済と縁の深い藤原氏から見た鬼という意味で、この勢力に敵対したものは鬼とされてきた。
具体的には、物部氏、蘇我氏、出雲、吉備、朝鮮半島の新羅、伽耶などで、日本書紀ではあまりいい扱いをされていないか、意図的にその事跡を消されている。
この勢力は排斥されたわけだが、これで衰亡してはおらず、闇の勢力として皮肉にも天皇家を永続させる働きをしてきたと結論付けている。
書かれていない、というのは単に事実がなかったからではなく、記録した者にとって都合が悪かったから記録しなかったという考え方があることを痛感した。

企業の広告媒体としてのプロ野球と、地域クラブとしてのJリーグ、この2つを対比して日本のスポーツ文化のあり方を論じている。
著者はサッカーファンで、どうしてもサッカーの方に軍配を上げてしまう傾向はあるが、企業の広告媒体としてのプロ野球の問題は更に深刻なものとなっている。
この本が出たのは今年の2月だが、それからプロ野球では確定しているものだけでも
- オリックスと大阪近鉄の合併
- 選手会によるストライキ
- ライブドアの近鉄買収と新球団設立の不許可
- 新球団東北楽天の立ち上げ
- 一場投手(明大→東北楽天)をめぐる裏金問題
- ソフトバンクによる福岡ダイエーホークスの買収
- ダイエー・井口選手の密約による自由契約
- 西武ライオンズの親会社である西武鉄道とコクドの不祥事
- 読売ジャイアンツの親会社である読売新聞社の不祥事
- 岩隈投手の移籍問題
これらはプロ野球が企業の論理で動きすぎたことや、収入に不相応なほど選手の年俸が高くなりすぎたことが原因だと思う。
これに対しサッカーは横浜フリューゲルスの消滅や、ヴェルディ川崎から読売新聞社が手を引いて東京ヴェルディ1969になったなどの事件があるが、当時J2だったアルビレックス新潟の観客動員数が過去最高を記録するなど確実に一過性ではない人気を獲得しつつあるといえる。
本書の後半ではスタジアムのようなスポーツ施設の問題点を取り上げ、赤字がどうのとか無駄な公共事業だとかいうのは発想の貧困な議論であり、要は地域住民のために役に立ち、文化を豊かにするものであれば多少赤字でも納得できるものだという意見は、確かにそうだと思った。
最後の章では、2002年ワールドカップでカメルーン代表のキャンプ地となった大分県中津江村の事例を出し、必ずしも大金を投入しなくても知恵や工夫次第で文化交流はできると主張している。
それにしても、中津江村がカメルーンの選手たちに「文明から隔絶したような場所だ」と評されたと書いてあったのには笑ってしまった。

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