読んだ本の感想をつづったブログです。


横井小楠―維新の青写真を描いた男 (新潮新書)
横井小楠―維新の青写真を描いた男 (新潮新書)徳永 洋

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幕末から明治初期に活躍した横井小楠について書かれた本。

”幕末に福井の松平慶永のブレーンをしていた”というのと”明治政府の参与になったけど暗殺された”というのが知識のほとんどだったので、けっこう勉強になった。

小楠は明治維新の国家設計を行った思想家というのが基本的な評価であるといえそうである。


福井時代に雄藩で一致して上洛し実力行使して朝廷と幕府に言うことを聞かせようという「挙藩上洛計画」をやろうとしたらしいが、うまくいかなかったようだ。
あくまで思想家として卓越しており、革命家ではないということか。

坂本竜馬の「西郷や大久保たちがする芝居を見物されるとよいでしょう。大久保たちが行き詰まったりしたら、その時、ちょいと指図してやって下さい」という言葉が実にいい感じを出している。

暗殺された理由が「キリスト教を広めようとしてけしからん」などという誤解にもとづくつまらないものだったことから、何かの本で読んだ”つまらない人物が英雄を殺すのが暗殺である”という言葉が頭をよぎった。


[横井小楠について書かれている本]

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進化する日本サッカー (集英社新書)
進化する日本サッカー (集英社新書)忠鉢 信一

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2002年日韓ワールドカップの前頃に出版された、日本サッカー強化の歴史について書かれた本。

以前はどうしようもなく日本サッカーは弱かったが、この事情に対し底辺を広げて育成を行っていくという強化策で日本サッカーのレベルアップを図ってきた経緯が書かれており、短期間では決してサッカーは強くならないことを感じた。

中国や北朝鮮では選んだ選手に長期合宿や強化を行うやり方で日本に勝とうとしているようだが、一時的な効果はあってもその選手たちだけで効果が終わってしまうので長い目で見るとあまり有効に機能しない。

日本が強くなったのにも、かなりの努力がなされたということに素直に感動した。

[著者の他の作品]
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「ケニア! 彼らはなぜ速いのか」
 著者:忠鉢 信一
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戦国鉄仮面―実説・まむしの道三 (八切意外史)
戦国鉄仮面―実説・まむしの道三 (八切意外史)八切 止夫

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”まむしの道三は三人いた”という帯の文句に引かれて購入した。斎藤道三が親子二人で一人であるかのような説があるので、まだ他にもいるのかと思ったのである。

実際に読んでみると本書で三人と言っているのは、”まむしの道三”と呼ばれた人物が斎藤道三の他に二人いて、結果まむしの道三が三人ということであった。
話は小説の形で三人の道三の物語として進んでいく。

まず、全体の半分以上が斎藤道三の話である。
彼は守護の土岐氏に取り入って出世した後これを美濃から追い出して国主になったことから、かなりの悪人と見られるが、著者は道三が若い頃法蓮坊として日蓮宗の妙覚寺にいたことに注目し、道三は日蓮宗徒と修験者、そして美濃の関にあった被差別民の三勢力に担がれたおみこしではないかとの論を立てている。
また道三が美濃を手に入れてから他国へは一度も侵略していないことや(自衛戦争は多い)、若い頃の信長に援助していたことなどから悪人ではなかったのではないかと主張している。
日蓮宗はともかく、戦国時代の修験者や被差別民といった視点はいままで持っていなかったので、このあたりが本書で最も面白かった。

二人目が、南朝の忠臣楠木正成の子孫であり、斎藤道三より少し前に美濃・飛騨で活躍した楠木道三正憲である。業績はそれほど有名でも資料が多く残っているわけでもないようで、隠された南朝の後胤を探して奮闘する作品となっている。
タイトルの戦国鉄仮面というのも、当時飛騨小島城にいたという鉄仮面の貴人の話が元となっている。
城にいる鉄仮面の貴人というのはフランス中世を舞台とする『三銃士』や映画『仮面の男』と共通するシチュエーションで面白い。

もう一人が飛騨の大名金森長近の息子の金森道三である。彼は秀吉に切腹させられた千利休の長男である千道安を保護した人物で、道安をめぐってのドタバタ劇として描かれている。

買った時の予想は裏切られた形だが、それなりに面白かった。


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信長殺し、光秀ではない (八切意外史)
信長殺し、光秀ではない (八切意外史)八切 止夫

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通説では、明智光秀が本能寺に逗留中の織田信長を急襲し滅ぼしたということになっている。なぜ光秀は信長を倒したのか、とか、光秀をそそのかした黒幕は誰かといった議論は多くなされているものの、光秀が信長を倒したということ自体はほとんど疑われていない。

本書ではタイトルにあるように、信長を殺したのは光秀ではないという立場からその論証が進められていく。

信長が襲われた時間帯や前後の光秀の行動から、光秀にはアリバイがあると指摘し、光秀が本能寺にやって来たのは事件後だと主張している。

また、いくら本能寺が全焼したからといって信長の死体がかけらすらも見つかっていない点を問題視し、キリシタン宣教師の勢力によって本能寺に新型の爆弾が投げ込まれたのではないかとしている。

他にも事件の前後に不審な行動をした人物や、事件の後に異例の出世をとげた者がいること、あるいは関係したと思われる人物が次々と死んでいる点などを一つ一つ列挙している。

最後に黒幕ではないかと思われる人物を宣教師、秀吉、家康、朝廷、濃姫、斉藤内蔵助などいくつかあげているが、その中の誰がこの暗殺を仕掛けたのかまでは明示されていない。
信長に恨みのある人物はあまりに多いので特定できなかったのだろう。

著者がマカオで資料調べをしているときのエピソードがやたらと出てきて邪魔に感じる部分はあったものの、本能寺の変の後の光秀の不自然な行動はこれで説明できそうでもあり、それなりに面白く読むことができた。


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大人のための文章教室 (講談社現代新書)
大人のための文章教室 (講談社現代新書)清水 義範

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清水義範の書く、実用的な文章の書き方の本。

文体や接続詞といった基本的な技術から、近寄ってはいけない文章、そして文章ごとの書き方のコツと進んでいく。

手書きとワープロ打ちの違いにも触れており、著者は断然手書きの方に軍配をあげている。これは彼の他のエッセイにあった、パソコンが苦手という点に由来しているとにらんでいる。
この点以外はある程度うなずける意見が多い。

具体的かつ身につまされるような例が頻出する、著者特有の文体も健在で、快調に読み進むことができた。
また、軽めの作品が多い印象を受けるが、そうした作品には論理的な裏づけがあるということが何となく分かったような気がした。


[他の著者による文章教室]

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