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戦国鉄仮面―実説・まむしの道三 (八切意外史)
戦国鉄仮面―実説・まむしの道三 (八切意外史)
八切 止夫
作品社 2003-01

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”まむしの道三は三人いた”という帯の文句に引かれて購入した。斎藤道三が親子二人で一人であるかのような説があるので、まだ他にもいるのかと思ったのである。

実際に読んでみると本書で三人と言っているのは、”まむしの道三”と呼ばれた人物が斎藤道三の他に二人いて、結果まむしの道三が三人ということであった。
話は小説の形で三人の道三の物語として進んでいく。

まず、全体の半分以上が斎藤道三の話である。
彼は守護の土岐氏に取り入って出世した後これを美濃から追い出して国主になったことから、かなりの悪人と見られるが、著者は道三が若い頃法蓮坊として日蓮宗の妙覚寺にいたことに注目し、道三は日蓮宗徒と修験者、そして美濃の関にあった被差別民の三勢力に担がれたおみこしではないかとの論を立てている。
また道三が美濃を手に入れてから他国へは一度も侵略していないことや(自衛戦争は多い)、若い頃の信長に援助していたことなどから悪人ではなかったのではないかと主張している。
日蓮宗はともかく、戦国時代の修験者や被差別民といった視点はいままで持っていなかったので、このあたりが本書で最も面白かった。

二人目が、南朝の忠臣楠木正成の子孫であり、斎藤道三より少し前に美濃・飛騨で活躍した楠木道三正憲である。業績はそれほど有名でも資料が多く残っているわけでもないようで、隠された南朝の後胤を探して奮闘する作品となっている。
タイトルの戦国鉄仮面というのも、当時飛騨小島城にいたという鉄仮面の貴人の話が元となっている。
城にいる鉄仮面の貴人というのはフランス中世を舞台とする『三銃士』や映画『仮面の男』と共通するシチュエーションで面白い。

もう一人が飛騨の大名金森長近の息子の金森道三である。彼は秀吉に切腹させられた千利休の長男である千道安を保護した人物で、道安をめぐってのドタバタ劇として描かれている。

買った時の予想は裏切られた形だが、それなりに面白かった。



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