日付 | 記事タイトル |
2005/03/29 | 『天下統一の闇史―秀吉・信長・家康 戦国「炎の巻」』 |
2005/03/26 | 『ゑゐり庵綺譚』 |
2005/03/25 | 『蜂須賀小六伝―中年から人生を開いた男の物語』 |
2005/03/16 | 『細川幽斎の経営学』 |
2005/03/14 | 『成毛真のマーケティング辻説法』 |
2005/03/01 | 『マヴァール年代記』 |
2005/02/21 | 『無病息災エージェント』 |
2005/02/20 | 『フランケンシュタインの方程式』 |
2005/01/28 | 『横井小楠―維新の青写真を描いた男』 |
2005/01/27 | 『進化する日本サッカー』 |
2005/01/26 | 『戦国鉄仮面―実説・まむしの道三』 |
2005/01/25 | 『信長殺し、光秀ではない』 |
2005/01/20 | 『大人のための文章教室』 |
2005/01/18 | 『日本の文化力が世界を幸せにする』 |
2005/01/17 | 『ソースネクストの重大疑惑』 |
2005/01/15 | 『歴史「再発見」物語―意外な実相を読み解く』 |
2005/01/11 | 『プロ野球「人生の選択」』 |
2005/01/10 | 『カンフーハッスル』 |
2005/01/09 | 『楽しい古事記』 |
2005/01/07 | BLOG作成 |
2005/01/06 | 『偽史日本伝』 |
2005/01/05 | 『帰ってきたソクラテス』 |
2005/01/04 | 『怪盗ニック対女怪盗サンドラ』 |
2005/01/03 | 『探偵になりたい』 |
2005/01/02 | 『聖徳太子の謎』 |
2005/01/01 | 『開国ニッポン』 |

信長、秀吉、家康と戦国時代を統一に導いた三傑、中でも秀吉と家康に関して通説で語られない裏の部分を考察した作品。
秀吉や家康のバックにある渡来人集団の存在の他、比叡山及び日吉大社の焼き討ちや天文伊賀の乱で伊賀忍者を虐殺といった信長の行動が本能寺の変を招いたことが語られている。
そして秀吉家臣の蜂須賀小六と家康家臣の服部半蔵がそれぞれの主君のバックにある影の集団の首領としての働きがクローズアップされる。
明智光秀が本能寺の変で信長を討ち、その後秀吉に敗れ土民の竹槍で殺されたというのが通説ではあるが、実は秀吉及び家康との共謀によりなされたものだとしている。
光秀は非常に有能な人物ではあるが、信長を葬った”闇のヒーロー”であるため武将として再登場させるわけにはいかず、本能寺の変の8年後に家康の前に僧侶の天海として登場したとする。
この手の説は大好きで、”闇のヒーロー”というフレーズが特に気に入った。

梶尾 真治 (著)
徳間書店 (1992/2/1)
宇宙港の一角にてアピ・北川の営むソバ屋<ゑゐり庵>に訪問する数々の異星人たちによって繰り広げられるユーモアSFの連作。
本書の解説を書いている同世代のSF作家である横田順彌著作の『さらば地球よ~宇宙船スロッピイ号の冒険』と構成が似ているが、風合いはそれなりに違っている。
横田氏がハチャハチャといわれる落語調のナンセンスな笑いを重視しているのに対し、梶尾氏の作品にはそういったばかばかしい笑いもあるものの、それ以外でも叙情的なもの、残酷なものなどもでてくる多彩さがある。
軽い感じの作品でも本格的なSFの舞台構成がきちんとされていて、欧米のSFとは色合いが違った日本のSFらしい作品であったように感じた。
最近欧米の翻訳SFを読まなくなっているが、日本のSFについてはまだ面白く読めている自分を確認した。
あと、カバーのイラストがとぼけた感じで良かった。
[扶桑社文庫より復刊されていた。お気に入りの作品なので嬉しい。]
ゑゐり庵綺譚 (扶桑社文庫) | |
![]() | 梶尾 真治 (著) 扶桑社 2009-06-27 Amazonで詳しく見るby G-Tools 関連商品 悲しき人形つかい (光文社文庫) 時の“風”に吹かれて (光文社文庫) 軌道エレベーター―宇宙へ架ける橋 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 超弦領域 年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫) 遠いうねり―グイン・サーガ〈127〉 (ハヤカワ文庫JA) |

放浪時代の豊臣秀吉と出会い、後にその家臣となり墨俣一夜城などで活躍したとされる蜂須賀小六の評伝。
秀吉との出会いが面白おかしく書かれているため山賊の親玉くらいにしか思われておらず、比較的世に出るのが遅かったためその実像はあまり知られていない。
ゲームの『信長の野望』などでも、パラメータで戦闘力はそこそこあるものの、政治力や知力は大したことがないことからも、あまり知られていないことが分かる。
本書で描かれる小六は、秀吉の部将としてあるいは参謀として目立たないながらも敵の調略や秀吉の留守を守るなど、重要な場面で活躍している。
秀吉の下の参謀といえば竹中半兵衛、黒田官兵衛が目立つが、決して働きが劣るものではなかったようである。
不遇の時期を過ごした苦労人であるために手柄を他の者に譲ることもあったようで、人望が厚かったことがうかがわれる。
活躍があまり目立たないのは秀吉の弟の羽柴秀長もそうであるが、二人とも周囲への気遣いを行う恬淡としたタイプで、また比較的早く死んだため功績が他の者に取られたような感じを受ける。
これまであまり気にとめていなかった人物ではあるが、戦国期に信長とは別の意味で秀吉を育てた人物であるといえる。
前漢初期に高祖劉邦を支えた軍師であった張良になぞらえられたのもまんざら的外れでもなかったようである。

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戦国時代に足利義輝、足利義昭、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と権力者たちに仕えた細川幽斎の生涯を描いた本。
著名な歌人としてだけでなく、武将としてもトップとしても父親としても優れた能力を発揮したユーティリティプレイヤーだったようである。
それでいて、黒田如水のように才能をひけらかすこともあまりなかったようで、それが権力者の信頼を得ることにつながったのではないか。
苦労をしてともに放浪の旅をした足利義昭があまり能力がない上に家臣の苦労をねぎらわないようなところに嫌気をさしつつも、筋を通してなんとか奉公するところが上役に恵まれないサラリーマンのようで涙ぐましい。
スタッフサービスがあれば、電話したくなったに違いない。

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