fc2ブログ
読んだ本の感想をつづったブログです。


千年紀末古事記伝ONOGORO (ハルキ文庫)
千年紀末古事記伝ONOGORO (ハルキ文庫)
鯨 統一郎
角川春樹事務所 2000-10

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
新千年紀(ミレニアム)古事記伝YAMATO (ハルキ文庫)
浦島太郎の真相―恐ろしい八つの昔話 (光文社文庫)
いろは歌に暗号 (祥伝社文庫)
新・世界の七不思議 (創元推理文庫)
九つの殺人メルヘン (光文社文庫)


鯨流に解釈した古事記のストーリー。

最初はあまり面白くないが、途中から普段知っている古事記の話から少しずつ外れていくので、その過程が面白い。

稗田阿礼やヤマタノオロチ、天の岩戸の話に新解釈が加えられており、それらの話を知っていれば思わずニヤリというところだが、知らなければ”へえ”で終わってしまうので、予備知識を持って読んだ方が良い。

ところで、ONOGOROとはどこからひねり出した言葉なのかよく分からなかったが、何かそれらしい元があるのだろう。

鯨氏の作品の中ではそれほど面白い方ではない。




にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト




関連タグ : 鯨統一郎,

謀殺―続・信長殺し、光秀ではない (八切意外史)
謀殺―続・信長殺し、光秀ではない (八切意外史)
八切 止夫
作品社 2002-11

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
信長殺し、光秀ではない (八切意外史)
徳川家康は二人だった (八切意外史)
信長殺しは、秀吉か (八切意外史)
武将意外史 (八切意外史)
真説・信長十二人衆 (八切意外史)

八切日本史の、『信長殺し、光秀ではない』と『徳川家康は二人だった』の続編とも言える作品。

江戸幕府三代将軍家光となる竹千代の少年時代の場面から始まり、二代将軍秀忠の正妻で織田信長の姪でもあるお江与の方と、竹千代の乳母とされる春日局の対立を軸として、本能寺の変と徳川家康の関係が少しずつ暴かれていく。

家康の本能寺の変への関与と、そして変の首謀者ともされる斎藤利三(春日局の父)、そしてその主君である明智光秀の結びつきを推理していく。

そこから徳川家光とは誰と誰の間に生まれたのか・・・という謎に迫っていく。

相変わらず多くの資料を駆使して妙な説得力を持ち、知的冒険を楽しめる。




にほんブログ村 本ブログへ

関連タグ : 八切止夫,

流通戦略の新発想 (PHP新書)
流通戦略の新発想 (PHP新書)
伊藤 元重
PHP研究所 2003-03

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
流通は進化する―日本経済の明日を読む (中公新書)
「流通戦略」の新常識 (PHPビジネス新書)
吉野家の経済学 (日経ビジネス人文庫)
経済学的に考える。
伊藤元重のマーケティング・エコノミクス

デフレ、価値観の多様化、外資の進出など、流通業は大きな転換を迎え、変化の先を読んで戦略進めている勝ち組の会社がある。
その中のイトーヨーカ堂やイオン、しまむらなど10社に著者がインタビューを行い、その戦略を分析している。

印象に残ったのは六本木ヒルズを造ったデベロッパーの森ビルと、伊勢の伝統和菓子屋の赤福である。
森ビルは六本木ヒルズを造り、赤福は伊勢神宮の近くに単独で幕末、明治の町並みを再現した「おかげ横丁」を建設した。
共通するのは人を楽しませる、真似ではない独自の施設を造り、売り上げを伸ばしている点である。遠回りのようでも地域のことを考えている企業が成功すると思う。

この著者は経済学者の中では話が分かりやすい。
竹中大臣がその次くらいかな、政治の話は分かりにくいけど。




にほんブログ村 本ブログへ

関連タグ : 伊藤元重,

銀河遊撃隊 (ハヤカワSF)
銀河遊撃隊 (ハヤカワSF)
著:ハリイ・ハリスン 訳:浅倉久志
早川書房 2005-03-24

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
反逆者の月2―帝国の遺産― (ハヤカワ文庫 SF ウ 16-18)
虎よ、虎よ! (ハヤカワ文庫 SF ヘ 1-2) (ハヤカワ文庫 SF ヘ 1-2)
輝くもの天より墜ち (ハヤカワ文庫SF)
渇きの海 (ハヤカワ文庫 SF ハヤカワ名作セレクション)
ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)

二人の学生がチーズから新動力を発見し、宇宙で冒険をするというスペースオペラ。

解説によると、E.E.スミスの『宇宙のスカイラーク』や『銀河パトロール隊』のパロディで、これらの著作にありがちな欠点であるエイリアンを簡単に殺したり割とすぐにコミュニケーションが取れてしまう点を皮肉っている。

まあ面白かったのだが、ややストーリーの運び方に軽薄な感じを受けてしまった。
中でも一番違和感を覚えたのは、ソ連及び旧東ドイツのスパイが、ヒロインの”あなただってアメリカで育ったアメリカ人じゃない!”という説得に簡単に応じ、頼もしい味方となってしまったことである。
若いスパイならまだしも、それなりに年のいったベテランが小娘にそう簡単に諭されるというのはかなりおかしい。

とはいえ、古き良き時代のアメリカSFのアイデアを楽しめる作品ではある。



にほんブログ村 本ブログへ

家康と正信―戦国最強の主君と補佐役 (PHP文庫)
家康と正信―戦国最強の主君と補佐役 (PHP文庫)
童門 冬二
PHP研究所 2003-05-02

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
直江兼続―宿敵・家康も惚れた名軍師 (PHP文庫)
陸奥宗光〈下巻〉 (PHP文庫)
陸奥宗光〈上巻〉 (PHP文庫)

徳川家康の参謀として天下取り陰で支えた本多佐渡守正信の生涯を描いた歴史小説。

正信は若い頃一向一揆にハマって家康に反乱をしたのに、後で許して重用した家康の見る目の確かさと、これに応えて才能を遺憾なく発揮した正信の忠誠心が素晴らしいと思った。
ただ家康が最終的な勝者となったのと長生きしたために、正当に評価されていないような気がする。

諸葛孔明や竹中半兵衛のように志半ばで亡くなるタイプの参謀がもてはやされる傾向があるが、天下取りの謀略から江戸の町の構築、幕府の基礎作りまで行った正信が最も充実した生涯を送ったと思う。




にほんブログ村 本ブログへ

関連タグ : 童門冬二, 徳川家康,