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天国からの道 (新潮文庫)
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星 新一
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ショート・ショートの名手だった星新一の、文庫未掲載の作品集。

官僚的になった天使を懲らしめるために、神が天国への招致競争を行わせる表題作の他、デビュー前の処女作である「狐のためいき」、1001篇達成後に書かれた「担当員」などで、星さんの作品の中では異色と思えるものも多いが、平易で透明感のある文章、短い中での大きな展開は健在である。

漠然と抱いている印象だが、彼の作品は晩年に近い頃のものはそれまでよりも民話や神話、宗教などといった感じや、人生とか世界の意味とは何かといったものが多くなっている傾向があるのではないかと思っている。
1001篇達成後の「担当員」での会話の内容を見てもそういった感じが読み取れる。

他に異色という意味で印象的だったのは「火星航路」という作品である。星さんはエッセイの中でアポロ11号の月面到達のニュースを受けて、作品が古びそうなのでもう太陽系の中での話を書くのはやめると書いていたが、これはその前に書かれた作品なのだろう。
また、ストーリーが珍しく叙情的な感じとなっていること、宇宙船の名前が「鮎号」で、登場人物の名前もよく出てくるエヌ氏やケイ氏ではなく明夫や景子と普通の名前であったことも星作品の中では妙に新鮮だった。

中には「あれ?」という作品もないではないが、久々に読んでみてもやはり星さんの作品は深みがあって面白い。


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関連タグ : 星新一,

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イソ弁(事務所に勤務する弁護士)の剣持に寄せられる変わった相談者や奇妙な事件について、剣持の友人であるコーキが推理を行うという安楽椅子もののミステリー連作。

剣持は福岡の天神にある九州ロービルディングという弁護士事務所の集まった雑居ビルで活動を行っているが、弁護士の日常や地味な面が出てきて背景に厚みが出ている。

剣持が日常起こりうる事件のちょっとおかしいと思う面をコーキに話し、コーキが話の内容から見落としがちな点を鋭く推理を展開している場面がテンポよく進む。

会話に博多弁が用いられているため、九州人としてはワトスン的なポジションの剣持に感情移入しやすい。

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