読んだ本の感想をつづったブログです。


うめぼし博士の 逆(さかさ)・日本史〈武士の時代編〉江戸 戦国 鎌倉 (ノン・ポシェット)
うめぼし博士の 逆(さかさ)・日本史〈武士の時代編〉江戸 戦国 鎌倉 (ノン・ポシェット)樋口 清之

祥伝社 1995-01
売り上げランキング : 172433

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
うめぼし博士の逆(さかさ)・日本史―昭和→大正→明治 (ノン・ポシェット)
うめぼし博士の逆(さかさ)・日本史〈貴族の時代編〉平安→奈良→古代 (ノン・ポシェット)
うめぼし博士の逆(さかさ)・日本史〈神話の時代編〉古墳→弥生→縄文 (ノン・ポシェット)
誇るべき日本人―私たちの歴史が語る二十一世紀への知恵と指針 (ノン・ポシェット)
完本 梅干と日本刀―日本人の知恵と独創の歴史 (祥伝社黄金文庫)

明治維新が成功したのは江戸時代に何があったためか、江戸時代の成立は戦国時代にどのような経緯があったかといった、原因を逆に日本史をたどっていくシリーズの江戸時代編。

江戸時代の庶民の知的レベルの高さ、商人の経済支配力と武士の困窮ぶりの対比と生き生きと描かれていて面白い。

また、関ヶ原の合戦で島津義弘が戦場から離脱したのは家康と示し合わせてのやらせであったのではないか、とか足利尊氏が京都に幕府を開いたのは吉野の南朝勢力から京都を奪回されるリスクにさらされていたからなど、独自の解釈が随所に盛り込まれていてためになった。

本書の中で鎌倉幕府は”歴史上まれにみる健全な政権”であったと評価し、元寇がなかったならばさらに続いていただろうと評価しているのが印象に残った。

[著者の他の作品]
秘密の日本史―梅干先生が描いた日本人の素顔 (ノン・ポシェット)
「秘密の日本史―梅干先生が描いた日本人の素顔 (ノン・ポシェット)」
 著者:樋口 清之
 出版:祥伝社
 発売日:1988-07
 価格:¥ 560
 by ええもん屋.com

にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト

関連タグ : 樋口清之,

安楽椅子探偵アーチー (創元推理文庫)
安楽椅子探偵アーチー (創元推理文庫)松尾 由美

東京創元社 2005-10
売り上げランキング : 289679

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
ハートブレイク・レストラン (光文社文庫 ま 12-4)
ピピネラ (講談社文庫)
スパイク (光文社文庫)
銀杏坂 (光文社文庫)
いつもの道、ちがう角 (光文社文庫)

ミステリーのジャンルに、自分は調査に出ずに友人や警察関係者の話を聞くだけで推理を行うという、安楽椅子探偵もの(アームチェア・ディテクティブ)というのがあるが、本書は安楽椅子そのものが意識を持ち、探偵として衛少年との話から推理を行うというミステリー連作である。

筋だけ見るとナンセンスやギャグの予感がするが、実際にはファンタジーや民話のようなテイストに仕上がっている。
時代は現代ではあるものの殺人や詐欺といったとこまでではなく、日常でふと疑問に思った出来事を安楽椅子のアーチーが推理していく・・・

と思ったら、最終話では突然謀略や争いが出て、江戸川乱歩や松本清張のような展開を演じるものの、最後はそれなりの大団円となるところは、少年が登場するだけにジュブナイルのようになっている。

やや軽めのミステリーではあるが、舞台装置や会話のやり取りの持っていき方が絶妙で、面白い作品だった。


[本書の続編]
オランダ水牛の謎<安楽椅子探偵アーチー> (創元クライム・クラブ)
「オランダ水牛の謎<安楽椅子探偵アーチー> (創元クライム・クラブ)」
 著者:松尾 由美
 出版:東京創元社
 発売日:2006-10-24
 価格:¥ 1,680
 by ええもん屋.com

にほんブログ村 本ブログへ

徳川三代の情報戦略 (人物文庫)徳川三代の情報戦略 (人物文庫)

童門 冬二 (著)
学陽書房 2005-10

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

徳川家康の家臣に伊賀忍者出身の服部半蔵がいたことはよく知られているが、これに代表されるように家康は忍者を多用していた。そうした戦略を本書では小説の形で述べている。

半蔵は先に述べたように忍者と深い関わりがあるものの、本人は武将としてのアイデンティティが強かったらしく、槍の半蔵という異名があったこと、また半蔵の他には柳生新陰流で知られる大和出身の柳生宗厳も甲賀・伊賀の忍者たちを率いていたことは知らなかった。
あと、関ヶ原の合戦後に伊賀を領地とした藤堂高虎が伊賀忍者を支配したこともあるが、これは高虎の小説で知っていた。

最も印象に残ったのは、甲賀忍者たちが家康のことを”上忍の中の上忍”と呼んだというくだりである。これは上忍が指示を出す忍者で、下忍が指示に従い動く忍者であることから、家康は最強の忍者使いであったという意味のようである。
他の戦国大名で忍者を多用した者に毛利元就や武田信玄、北条氏康などもいるが、大局的な視点から忍者を動かしたという意味からいけばやはり家康が最強にあたるのかな、とそれなりに納得できた。

ただ、明らかなミスがいくつもあった点が難点で、例えば、
  • 性悪説の思想家が荀子であるべきなのが墨子になっていた
  • 関ヶ原で家康に従軍した松平一門は四男の忠吉なのに、家忠になっていた
といったもので、少し歴史をかじった者にはすぐ分かってしまうほどの凡ミスである。
こうして活字になってしまったということは、著者だけでなく編集者側でもチェックできていないということであり、構成の姿勢が問われると感じた。

まあそれはともかく、忍者の華々しい活躍ではなく忍者を利用する側の視点ということでうまくまとまっていたと思う。


にほんブログ村 本ブログへ

関連タグ : 童門冬二, 徳川家康,

戦国武将の危機突破学 (日経ビジネス人文庫)
戦国武将の危機突破学 (日経ビジネス人文庫)
童門 冬二
日本経済新聞社 2005-08

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
「人望力」の条件 歴史人物に学ぶ「なぜ、人がついていくか」 (講談社プラスアルファ文庫)
将の器・参謀の器―あなたはどちらの“才覚”を持っているか (青春文庫)
男の器量 (知的生きかた文庫)
人生に役立つ!偉人・名将の言葉
上杉鷹山の経営学―危機を乗り切るリーダーの条件 (PHP文庫)


信長・秀吉・家康といった天下人の他、伊達政宗、細川幽斎、黒田如水など、戦国武将たちが難局を迎えるにあたってどのような対応を取り、それらがどのように参考になるかを書いている本。

有名な事例だけでなく、あまり知られていない事例も挙げ、登場する戦国武将を人間くさく脚色して描かれているが、その分分かりやすくはある。

内容的には蒲生氏郷が領地替えにあった際の、従来の家臣や引き連れた商人と移転先の住民との間での取り持ちや、秀吉が若い頃に今川の家臣から退職勧告をされた際のやり取りなどがちょっと面白かった。



にほんブログ村 本ブログへ

関連タグ : 童門冬二,

星空の二人 (ハヤカワ文庫JA)
星空の二人 (ハヤカワ文庫JA)
谷 甲州
早川書房 2005-05-25

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
エミリーの記憶 (ハヤカワ文庫JA)
フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫 JA オ 6-8)
BOLTS AND NUTS Vol.16―愛と勇気のエンスー大河ロマン (16) (NEKO MOOK 1159)
BOLTS AND NUTS Vol.15―愛と勇気のエンスー大河ロマン (15) (NEKO MOOK 1146)
パンドラ3 (ハヤカワ文庫 JA タ 4-24)

山岳小説も手がけるSF作家である谷甲州の作品を読んだことがなかったので、最近出た本書を読んでみた。

内容はシリアスなものから叙情的なもの、ナンセンスまである短編集で、表題作は外宇宙に人類が探査に出る時代のアバターを通した叙情的な恋愛の話。ムードはあるが内容の深さにはやや物足りなさを感じた。

ナンセンスなものには「五十六億七千万年の二日酔い」や「スペース・ストーカー」がある。前者は仏教の世界観からアキレスと亀、はてはインフレやデフレの経済論まで出てくるハチャハチャな宇宙論?SFで、後者は新妻がスケールの大きなストーカーにつけまわされるというナンセンスな作品。どちらもそれなりには面白かったが、あまりこの作家にこの手の作品は向いていないようにも感じた。

シリアスな作品にしても雰囲気的にはいい感じのものはあるものの、展開にやや軽さを感じていたのが残念だった。
アマゾン等でレビューを見たところ谷の有名な作品である航空宇宙軍史シリーズは重厚な作品のようであるので、著者への評価は持ち越し。
本書の評価はいまいち!


[著者の他の作品]

にほんブログ村 本ブログへ

関連タグ : 谷甲州,