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読んだ本の感想をつづったブログです。


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ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する
ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する
スティーヴン・レヴィット (著), スティーヴン・ダブナー (著),
望月 衛 (翻訳)

東洋経済新報社 2006-04-28

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ヤバい社会学
金融工学マネーゲームの魔術 (講談社プラスアルファ新書)
経済学的思考のセンス―お金がない人を助けるには (中公新書)
文系人間のための金融工学の本―デリバティブ裏口入門 (日経ビジネス人文庫)
ツキの法則―「賭け方」と「勝敗」の科学 (PHP新書)


ちょっと変わり者の経済学者が語る、一風変わった切り口から社会や経済を論じている本。

教師と相撲取りの共通点とか、KKKと不動産屋の共通点、成績のいい子の親はどのような共通点があるかなどといったちょっとした問題提起から話が始まる。

そしてインチキや八百長を行うモチベーションの成り立ちや、米国で犯罪が減ったのは犯罪予備軍となりうる子供が中絶解禁で生まれてこなくなったから、そして子供の教育には家庭の調和や教育プログラムはさほど関係なかったりする、など結構ラディカルな結論を数値的なデータより割り出している。

どちらかといえば経済学よりも社会学の範疇に入るような気もするが、通常良識的な学者がまず言わないようなことを言っているので面白かった。



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超大国日本は必ず甦える
超大国日本は必ず甦える
ハドソン研究所
徳間書店 2002-03

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ビジネス・ウエポン 生き残りたいサラリーマンのための発想術
マネーロンダリング (幻冬舎文庫)
お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ!
営業マンは断ることを覚えなさい (アスカビジネス)
日本の真実

昨年買って読みかけのまま、そのまま忘れていたので部屋の整理を兼ねて読んでみた。

米国のシンクタンクに勤務する研究者たちが書いた、表題通り日本は近いうちに復活することを予測している。

技術が進めば多くの問題は解決するかのような書かれ方でそれほど面白いとは思わなかったが、米国のインテリが日本についてどのような考え方をしているのかの参考になったような気がする。

環境についての記載で、石油に代わって植物を利用したエネルギーの利用を進めると森林の破壊が進むと書いてあったのには、あっと思った。
ブラジルで進んでいるエタノール燃料の自動車の普及は、温暖化防止やエネルギーの石油依存のリスク軽減の観点から望ましいと思っていたが、エタノールの主原料となるサトウキビやトウモロコシといった類の作物の栽培は土壌が痩せるというデメリットがあることを失念していた。
もう少し多面的に物事を考えなければ・・・



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真田幸隆 (学研M文庫)
真田幸隆 (学研M文庫)
江宮 隆之
学習研究社 2006-09

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真田昌幸 (学研M文庫)
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武田家臣団―信玄を支えた24将と息子たち (学研M文庫 (こ-9-2))

大阪冬の陣で有名な真田信繁(幸村)の祖父で、武田信玄配下の武将として信濃および上野を主戦場として活躍した真田幸隆の生涯を描いた歴史小説。

幸隆は元の名を海野幸綱(うんのゆきつな)といい、信濃の豪族海野一族の一門だったが、海野氏は武田信虎、村上義清、諏訪頼重の連合軍に攻められて滅亡し、領土の海野平より上野へと追われてしまう。

幸隆は名を真田幸隆と改め、山本勘介の紹介で、仇敵に当たる武田氏を継いだ武田晴信(信玄)に過去のいきさつを水に流して仕えることになる。
その後の幸隆は忍者を使った謀略戦や、戦場での果敢な戦いぶりで晴信の信頼を勝ち取り、信濃先方衆、次いで上野先方衆として大活躍した。

幸隆の三男が関が原の合戦で徳川軍を苦戦させた真田昌幸で、孫が真田家を存続させた信之、そして先述の信繁と名将・名君を輩出していて、彼らの活躍は幸隆に因るものであることがよくわかる。

武田二十四将には他に馬場信春、高坂昌信、山県昌景など名将がそろっていて幸隆はそこまで目立つわけでもないが、どちらかといえば頭脳戦を得意として裏方での活躍が目立ったのではないかと思う。

幸隆の武田に仕える際の葛藤や、宿敵である村上義清との戦いなどいきいきと描かれていて良かった。



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貝と羊の中国人 (新潮新書)
貝と羊の中国人 (新潮新書)
加藤 徹
新潮社 2006-06-16

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漢文の素養 誰が日本文化をつくったのか? (光文社新書)
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京劇―「政治の国」の俳優群像 (中公叢書)
西太后―大清帝国最後の光芒 (中公新書)
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貝と羊という古代からの象徴をキーとして中国人の精神構造や社会について分析している本。

貝は中国古代の殷王朝で使用されていた貨幣であり、東方や農耕経済、ホンネといったものを象徴している。それに対して羊は殷を倒した周王朝で主幹産業だった牧畜のことで、理論やタテマエを表している。
中国人はその一見矛盾するような性質を双方共に具えており、現在共産党の一党独裁政権が健在であるにもかかわらず資本主義経済を上手く取り入れて経済発展していることに現れている。

他にも中国における英雄とヒーローの違い(典型的な英雄が劉秀、典型的なヒーローが劉備)や、長らく特権階級として君臨し続けた士大夫階級の強さ、中華思想の他国からの分かりにくさなど、中国社会の特徴を語っており、中国の歴史小説を思い返して”なるほど”と思えるようなことも多かった。

どうも日本はその振る舞いの一つ一つが中国人の癇に障ることが多い反面羨ましくも思っており、多くの摩擦になっているようだ。中国との関係は本当に交流したことはあまりないと断言しているあたりは卓見だと思う。

文章も読みやすく、面白い本だった。



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