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読んだ本の感想をつづったブログです。


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古代史を読み解く謎の十一人 (プレイブックス・インテリジェンス)
古代史を読み解く謎の十一人 (プレイブックス・インテリジェンス)
瀧音 能之 (著)
青春出版社 2004-02

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弥生時代あたりの卑弥呼、ワカタケル大王(雄略天皇)から、平将門や清和源氏にいたるまでの古代の11人を取り上げ、彼らの生涯やその謎を語っている本。

悪徳の天皇とされる雄略天皇や武烈天皇の悪行捏造説や聖徳太子の業績捏造説、長屋王など奈良朝貴族における道教の神仙思想の影響などはちょっと興味深い。

長屋王は簡単に言えばわら人形で呪いをかけたという容疑によって死に追いやられてしまったわけだが、これは中国・漢の武帝時代にわら人形疑惑で多くの要人が刑死した騒動に似ていると感じた。

ただ全体としては文章が硬く、あまり面白くなかった。



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大丈夫な日本 (文春新書)
大丈夫な日本 (文春新書)
福田 和也
文藝春秋 2006-04

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近代化や経済発展といった理想に限界が見られる現状を踏まえ、江戸時代のような循環的な社会を目指すことを提唱している本。

以下のような話は知らなかったので面白かったが、それ以外の部分はある程度知っていることが多くそれほど感銘は受けなかった。
  • 幕末の幕臣たちは実は国際法を結構理解しており、ペリーの要求に対してきちんと言い返した。
  • 現代の米国は、ボーア戦争に首を突っ込んで衰退の道を進みはじめた英国に似ている。
  • 第1次世界大戦は、英国の衰退が引き金のひとつで、挑戦者にあたるドイツ・ウィルヘルム2世の戦略は、第2次世界大戦におけるヒトラーのものよりもスケールが大きかった。

発展していくというモチベーションを持たずに継続する社会というのは受け入れにくいので、それなりの説得力は欲しいところである。



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分身 (集英社文庫)
分身 (集英社文庫)東野 圭吾
集英社 1996-09

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鞠子(マリコ)と双葉、他人のはずなのになぜか似ている2人が、それぞれの出生の秘密を知ることになる先端医学ネタのサスペンス。

この小説に登場するクローンやキメラという遺伝子技術は、学生時代に教養科目で家畜を対象とした遺伝子研究の講義を受講したことがあるため、すんなりと理解ができた。
(クローンもキメラも、羊などではそれなりに成功例がある)

途中から展開が読めてきたが、伏線の張り方や舞台の変化が鮮やかで一気に読み進むことができる。また、鞠子、双葉それぞれの章に登場するレモンという小道具がいい味を出している。

SFではクローンやキメラなど珍しくもなんともないが、ヒトゲノムが解読される時代である現在では現実に起こりうる話なので、怖さがひしひしと感じられる。


モロー博士の島 (創元SF文庫)モロー博士の島 (創元SF文庫)

H.G. ウェルズ
東京創元社 1996-09

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戦史ドキュメント 桶狭間の戦い (学研M文庫)
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小和田 哲男
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織田信長が今川義元の大軍を破ったことで有名な桶狭間の戦いを、資料を元に実態を探っている本。

通説では今川義元は凡将だったため狙われやすい谷底に布陣しており、織田軍は隠れて近づき山上から攻め下ったように考えられているが、実際には丘陵の上に布陣した今川軍に対して、織田軍は正面から攻め上っていって勝利したというのが資料群から導き出しており説得力があった。

また、今川軍の尾張侵攻は上洛を目的としたものではなく、尾張に領地を得ることが目的とするのが真相だったようである。

合戦そのものの他、織田氏や今川氏、そして当時今川軍の部将として丸尾城攻めや大高城兵糧入れを遂行した松平元康(のちの徳川家康)ら主要人物の抱えていた状況についても書かれており理解しやすい。

この手の読み物にしては面白かったと思う。



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