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読んだ本の感想をつづったブログです。


談合しました―談合大国ニッポンの裏側
談合しました―談合大国ニッポンの裏側
加藤 正夫
彩図社 2005-03-28

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警備会社で経理マンとして談合に関わっていて、それが元で解雇された人物による、談合の実態を描いたノンフィクション。

談合は大規模な工事などがニュースになることが多いが、ハコモノだけではなく警備や物品の納入など、役所が入札を行うほとんど全ての案件につきまとうものらしい。本書では例えば図書館の警備など、警備の案件における談合を描いている。

著者はある日営業部長に入札に連れて行かれ、否応なく談合に関わっていくことになるが、談合の段取りなどが生々しく描かれている。

やがて談合破りを狙った業者による告発によって警備会社が摘発に遭い、その後社内では指名停止などのペナルティへの対応に追われる。その際に談合に疎い経理部長と談合を取り仕切った常務とのやり取りは以下の通りで、談合がいかに通常の業務と化しているかが分かる。

”談合せずに入札するっていうことは?”
”それじゃあ、本当の入札になっちゃうだろ”

ゼネコンが行うような談合はかなり大規模な形になっているはずであり、本書の警備などは小規模な案件に属するが、それだけに談合が役所がらみの仕事のすみずみに存在していることが実感される。



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危ないお仕事! (新潮文庫)
危ないお仕事! (新潮文庫)
北尾 トロ
新潮社 2006-05

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浮気調査を行う興信所員や警察マニア、超能力セミナー講師など、一般的にヤバ目とされる職業の方々にインタビューをしているノンフィクション。

それぞれの業界の裏話や苦労、職業へのこだわりなどが赤裸々に語られていてなかなか興味深い・・・うらやましくはないけど。

また、著者が新聞の販売員のアルバイトを体験取材したルポも収録されていて、新聞の契約を取ることがいかに大変であるかが実感された。

時間つぶしに読むのにも適している。



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光武帝(下) (講談社文庫)
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塚本 青史
講談社 2006-06-15

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呂后 (講談社文庫)
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「仕官するなら執金吾(警視総監)、妻を娶らば陰麗華」という目標を持ち、後者は望み通りになったものの、前者についてはそれを大きく超えて皇帝にまで登りつめてしまった光武帝・劉秀を描いた歴史小説の下巻。

新王朝を打倒し長安を制圧した更始帝の政権、そしてそれを倒した赤眉軍では政権獲得後のビジョンがなく、混乱が増していく。
それを横目に河北では劉秀が地方勢力とある時は結び、ある時は征伐してと平定を進めていく。その中で政略結婚した郭聖通との仲がギクシャクする一方、思い人である陰麗華とはついに結ばれるという展開を見せる。

主人公の劉秀の他、元赤眉軍の力子都や曲馬団の花形の遅昭平の波乱万丈の物語もあり、大団円を迎えることになる。

全体としては、劉秀や家来たち、そして更始帝など対立者たちのキャラクターがやや個性が薄く、ストーリーのテンポを重視するあまり、功臣として比較的有名な馬援の活躍場面が少なかったり、現在での甘粛省や四川省の平定など面白そうな場面がなかったのが少々不満だった。
ただし、通常簡単に天下を取ってしまったような感じに取られ、日本ではかなりマイナーな立場にある人物を題材にしているのは評価できる。

これと正反対の人物が、成功者にはなれなかったものの物語の主人公としては絶大な人気を誇る三国志の劉備元徳や諸葛孔明とされるということを他の本で読んだが、納得できる。

本書の主人公である劉秀や、宋の太祖趙匡胤、日本で言えば鎌倉幕府の北条義時や泰時など、良識あるタイプの人物が天下を取ると物語のネタとしては弱くなるが、万民にはその方が平和に暮らせるという好例かもしれない。


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光武帝(中) (講談社文庫)
光武帝(中) (講談社文庫)
塚本 青史
講談社 2006-06-15

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光武帝(下) (講談社文庫)
光武帝(上) (講談社文庫)
王莽 (講談社文庫)
呂后 (講談社文庫)
霍去病―麒麟龍彗星譚〈上〉 (河出文庫)


後漢の光武帝・劉秀を描いた歴史小説の中巻。

新王朝への反乱が大きくなっていくにつれ、劉秀の活躍する南陽と、呂母や力子都の活躍する赤眉軍、それぞれの場面がつながっていくことになる。

上巻では劉秀より呂母の方が目立っていたが、呂母が仇討ちを果たした結果目立たなくなり、ようやく劉秀が主人公らしくなる。
南陽の反乱軍では盟主格の劉玄が更始帝に即位し、劉秀の兄の劉演と対立した結果、劉演は暗殺されてしまう。
実際の劉演はもっと豪放磊落なカリスマ性のある人物だったようなイメージがあるが、本書では劉秀につらくあたる嫌な兄として描かれていて、少々違和感もないではなかった。

そうした中、劉秀は昆陽で新の大軍を打ち破るなど活躍を続け、更始帝政権での内紛を避けるために軍隊を河北に進めて行く。

全体的な感想は下巻で。
とりあえず、表紙が中巻で重要な役割を果たす蟹というのはいいチョイスだと思った。


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光武帝(上) (講談社文庫)
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塚本 青史
講談社 2006-06-15

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光武帝(下) (講談社文庫)
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霍去病―麒麟龍彗星譚〈下〉 (河出文庫)


中国古代、後漢王朝を立てた光武帝・劉秀の生涯を描いた歴史小説の上巻。

王莽が前漢を簒奪してできた新王朝では非現実的な政策が続いたため、民衆は疲弊し、やがて反乱が各地で発生することになる。
そんな中、前漢の景帝・劉啓の子孫で南陽郡の豪族の三男にあたる劉秀も、学友で運送業者の息子・李通らにかつがれて蜂起し、兄の劉演や本家筋の劉玄らとともに新帝国の軍隊と戦っていくことになる。

これとは別に、東の海曲県では酒造業を商う豪商の女将である呂母が、息子を冤罪で悪代官に処刑されたため、チンピラたちを集めて県庁を襲い悪代官を殺して仇討ちを遂げる。当然これは帝国への反逆となり、呂母に雇われていた集団は赤眉軍としてこれまた新帝国に戦いを挑んでいく。

劉秀を中心とした南陽と、呂母を中心とした海曲という別々の場面で魅力的な人物たちが登場し、それぞれ物語が進んでいく。

本格的に新帝国の軍と激突を繰り返すのは中巻へ。


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