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幸運な文明―日本は生き残る
幸せな文明―日本は生き残る
竹村 公太郎
PHP研究所 2007-02

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地形やインフラなど社会の下部構造から、日本文明の過去や未来を論じている本。

大きく3部に分かれ、1部では環境問題への日本の対応すべき道、2部では歴史上の事件と下部構造の関わり、3部でアイデンティティの成り立ちについて述べるという構成になっている。

1部ではリン鉱石枯渇、海面上昇、食糧不足といった環境の激変に伴う問題に対して、リンは渡り鳥を生かす冬みず田んぼ(冬でも田に水を張る)、海面上昇には何層かのラインで徐々に防ぐ、食糧不足には海洋資源を得るための環境回復などといった解決策を提示している。

2部では信長が比叡山を焼き討ちにしたのは地形的に比叡山が無言の圧力を加えていたから、家康が江戸入りしてすぐに海岸沿いに水路を作ったのは反乱鎮圧の軍用水路だった、吉原遊郭を堤防の近くに移転させたのは客に堤防を踏み固めさせるためだったなど、通常政治・経済的な事情のみから語られる歴史上の事柄を、地形やインフラから語っている。

3部では民族がアイデンティティを共有するためになされた政策や事情について語られている。例えば参勤交代が文化の共有を促したとか、忠臣蔵で有名な泉岳寺をあいて人通りの多い場所の近くに移すことで武士道の浸透を図ったなどといったことである。

どの話も興味深かったが、特に広重の浮世絵など過去の資料や実際にその地に行ってみて、地形的な事情やインフラ工事を推定しているところが面白かった。
それにしても、家康を始めとして徳川幕府の面々が施したインフラ政策はよく考えられていたと感心した。




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