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読んだ本の感想をつづったブログです。


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飛びすぎる教室 (講談社文庫)
飛びすぎる教室 (講談社文庫)
清水 義範
講談社 2006-12-15

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はじめてわかる国語 (講談社文庫)
いやでも楽しめる算数 (講談社文庫)
もっとどうころんでも社会科 (講談社文庫)
どうころんでも社会科 (講談社文庫)
サイエンス言誤学 (朝日文庫)

清水義範がお勉強がらみの話をして、西原理恵子が本文とあまり関係ない変な挿絵を書くというエッセイシリーズの最終巻。
これまでは国語算数理科社会といった科目に密着したものだったが、本書ではそれらに囚われず、自由に雑談を行うというスタイルで書かれている。
具体的には歴史、お墓、料理、聖書、天使、宇宙などを語っている。

歴史はそれぞれの民族の自己主張を描いているものとする論や、天使や聖書の一般人が知っていれば十分な知識の他、イスラム教の国々を旅行しての経験から、いかに日本の学校で教えられる世界史が西欧に偏っているかなどが書かれていて面白かった。


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「質の経済」が始まった 美の日本、カネの米中
「質の経済」が始まった 美の日本、カネの米中
日下 公人
PHP研究所 2005-05-12

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お金の正体——日本人が知らないお金との付き合い方
数年後に起きていること―日本の「反撃力」が世界を変える
「人口減少」で日本は繁栄する―22世紀へつなぐ国家の道
「道徳」という土なくして「経済」の花は咲かず―日本の復活とアメリカの没落 (祥伝社黄金文庫)
日本はどれほどいい国か

民営化の必然性と、日本で実施されてきた雇用システムが高付加価値の製品を作り出すのに向いていることを中心にかかれた本。
趣旨をいくつか挙げると以下のようになっている。
  • 役所ではごまかしのため、大規模な予算を組んで紛れさせるという手法がしばしば利用される。
  • それで日本はかなりの無駄を抱えているが、それで経済成長を続けてきた日本は大したもの。
  • そもそも郵便制度が充実しているのは軍の赤紙(召集令状)を確実に届けるためで、国民の福祉のためではないことに注意する必要がある。
  • 日本の社会風土からすると、手厚い社会保障なしでも何とかなる。
  • 年功序列では能力を評価していないわけではなく、単に評価期間が長いだけであるため意外と精度が高い。
  • 終身雇用は芸術品や高級品を開発するのに必要な、メンバー間のコミュニケーションをとるために有利。
  • ただし、年功序列と終身雇用の併用はさすがに厳しい。どちらかを利用した手法が利用されていくことになるだろう。

役所の無駄とごまかしには怒りが湧く。



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松浦静山夜話語り
松浦静山夜話語り
童門 冬二
実業之日本社 2006-12-08

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悠悠自適―老侯・松浦静山の世界 (平凡社ライブラリー (421))
世界が愛した日本
天保暴れ奉行 気骨の幕臣 矢部定謙
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信長の戦争―『信長公記』に見る戦国軍事学 (講談社学術文庫)

平戸松浦藩主であり、エッセイ集である『甲子夜話』の著者としても知られる松浦静山(まつら・せいざん)が、勝小吉・麟太郎(のちの勝海舟)父子に対して政治や貿易、歴史について語るという設定で書かれた歴史小説。
うちのご先祖様も仕えた殿様の話なので、迷わず購入した。

出てくる話は松浦家の歴史から戦国大名だった松浦隆信の活躍、平戸での貿易をめぐるザビエルや三浦按針(ウィリアム・アダムズ)の話、ほぼ同時代人の田沼意次や松平定信との静山の関わりなど多岐にわたる。

静山と勝父子が会ったことがあるのかは事実かフィクションかはよく分からないが、時代的にはつじつまは合っている。
麟太郎が父との対比で真面目な少年として描かれているが、大人になってからの女性関係など品行の悪さを考えると、脚色されすぎだろう。
また、後半では静山が幕府要人に賄賂を贈っては自己嫌悪に陥るというかっこ悪いシーンが出てきたのはやや残念。

全体的には、普段取り上げられることの少ない地元の名君が出てきて、いい感じに書かれていたので良かった。



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沙高楼綺譚 草原からの使者
沙高楼綺譚 草原からの使者
浅田 次郎
徳間書店 2005-02-19

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沙高樓綺譚 (徳間文庫)
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五郎治殿御始末 (中公文庫)

『沙高楼綺譚』の続編となる4篇の連作。
競馬の世界で起きた事件を語った表題作の他、小心者の総理大臣候補者が占い師に頼ることで起こった不思議な出来事の「宰相の器」、財閥の御曹司に生まれた語り手の体験である「終身名誉会員」、それとアメリカの退役将校のヨタ話である「星条旗よ永遠なれ」で構成される。

奇妙な感じと独特な読後感が楽しめる作品集で、その点では前作と同様だが、最後の「星条旗よ永遠なれ」は沙高楼で語られるにはレベルが低いと感じた。


[本書の文庫版]
草原からの使者―沙高樓綺譚 (文春文庫)草原からの使者―沙高樓綺譚 (文春文庫)

浅田 次郎
文藝春秋 2012-01-04

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