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読んだ本の感想をつづったブログです。


カウンターから日本が見える 板前文化論の冒険 (新潮新書)
カウンターから日本が見える 板前文化論の冒険 (新潮新書)
伊藤 洋一
新潮社 2006-09-15

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日本料理の店でしばしば見られるカウンターという形式に対して、その発生や特徴などを追求している本。

古来よりあったように思われるカウンターだが、実際には80年ほど前に大阪で始められたと、意外に新しい形式ということだった。始めた店主は元々名の知られた板前で、客との触れ合いを求めることや従来のお座敷という形式に飽き足りなくなったことがカウンターを始めた動機のようだ。

その後好評を得て関西で徐々に広がっていき、関東大震災で東京の料理屋が打撃を被ったこともあって関東にも進出、さらに全国的に基本的なスタイルの1つとなっている。

カウンターの良さは客の目の前で料理人が料理をしているため、客の反応を見てきめ細かいサービスを行うことが出来ることや、隣に誰が座るか分からないことによる面白さ、料理人と客が知的バトルを行うことが出来る点などが挙げられている。

ただしカウンターは日本特有のもので、職人に対する尊敬、治安の良さ、階級意識の少なさなどが根底にあるようだ。外国の料理人たちもカウンターに対しては驚き羨ましがるようだが、自国では諸事情のためにそのままでは取り入れられないため、これに近づけたオープンキッチンが広がっているとのこと。

当たり前に思っていた形式に対して多くの発見が書かれていて面白かった。



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新時代への文明的理解―地球視野に立つ文明論と今後の展望新時代への文明的理解―地球視野に立つ文明論と今後の展望

平澤 和夫
北樹出版 2005-09

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歴史上興亡してきた数々の文明について、人間の知的好奇心をキーとして分類している本。
本書では分類の形として、周囲に影響を与えるブリッジ文明と、ブリッジ文明の影響を受けて巨大化するダム文明という表現を用いている。

例えばギリシア文明が先に起こって、ローマ文明のに多大な影響を与えている事象について、ギリシアがブリッジ文明、ローマがダム文明ということになる。

他にもブリッジ文明の例としてササン朝ペルシアやビザンチン帝国、オスマントルコ、対してダム文明にローマ帝国やサラセン帝国、現在の欧米諸国が挙げられており、説得力があって納得できる部分が多い。

日本はどうかというと、中世以降は独自の文明を発展させて東アジアや欧米に影響を与えるブリッジ文明としての役割をしてきたと述べられている。

これまで知らなかったモデルが提示されていて、読みごたえがあった。
他の文明について書かれた本、例えばサミュエル・ハンチントンの『文明の衝突』よりも納得でき、もっと話題になってもいい。



[著者の他の作品]
国際経済に見る比較文化―複眼的視点からの体験論国際経済に見る比較文化―複眼的視点からの体験論

平澤 和夫
北樹出版 2007-10

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長谷川慶太郎の「株」は頭だ!―王道をゆく投資〈PART2〉
長谷川慶太郎の「株」は頭だ!―王道をゆく投資〈PART2〉
長谷川 慶太郎
ビジネス社 2007-04

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『長谷川慶太郎の大局を読む「株」―王道をゆく投資』 の続編。

前作に引き続いて、現在の世界経済の情勢から、長期投資のヒントになることが書かれている。
基本的には先端技術を開発している重厚長大産業が有望だということで、実際に著者が運営しているファンドもトヨタとJFEの2社に集中していると書いている。

袋とじでおすすめの銘柄も書かれており、長期投資を志向する上では参考になる。



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秘密のミャンマー (小学館文庫)
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椎名 誠
小学館 2006-09-06

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椎名誠による、ミャンマーへの旅行記。

アウンサンスーチーや軍事独裁政権の印象が強いかの国だが、政府に監視されていたためかどうかは分からないが、そのあたりはあまり触れず、仏教や辛い料理、人々の暮らしにメインをおいて書かれている。

いたるところにあるパコダ(仏塔)や僧侶の生活、世界で最も辛いとされる発酵トウガラシや油を多量に使った料理、イラワジ川に生活の基盤を置いた人々の生活などが、独特の軽妙な文章で書かれている。

最近は椎名氏が年を取ったためか当たり外れが出だしたような感じを持ち、しばらく椎名作品を読んでいなかったが、この手の作品を読んでみるとやはり面白い。



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スーパーロボット大戦IMPACT PlayStation 2 the Best
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バンプレスト 2003-07-03

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5、6年前にワンダースワンでプレイしたスーパーロボット大戦COMPACT2がまずまず面白く、それのPC2のリメイク版といえる標記ゲームをプレイした。

登場する作品はほとんどが引き継がれ、これに機動戦艦ナデシコとゴッドガンダムが追加されている。多彩さを加えていて悪くはないが、どちらもあまり好きな作品ではない。どうせならゴッドガンダムではなく、ウイングガンダムを入れて欲しかったというのが正直なところ。
もともとあった作品ではこの作品以降あまり見ていない飛影やダンガイオーがあるのは良かった。

一般にはストーリーの長さがかなり不評のようだが、これはCOMPACT2の3作を1作にまとめているためで、ある意味仕方がない。(クリアに3~4ヶ月ほどかかった)
むしろ3Dのマップが見づらいため位置関係が把握しにくいこと、ロードやセーブに時間がかかることが不満点だった。あと、敵が固いこともクリアに時間がかかった理由である。

いい点はPS2ならではのアニメーションのきれいさや、同時援護攻撃などの新システム、COMPACT2にもなかった隠し機体が多かったことである。
あと、使えるユニットと使えないユニットがCOMPACT2とは異なっていたのも、ひとつの見識だと思う。
(例えばニュータイプよりもコウやバニングのような強いオールドタイプの方が使えた)

私の場合はCOMPACT2が懐かしかったためそれなりに楽しめたわけだが、それをプレイしていない人からすると長くて面倒と思う。挫折する人が多いのは実によく納得できる。