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読んだ本の感想をつづったブログです。


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司馬法・尉繚子・李衛公問対 (全訳「武経七書」)
司馬法・尉繚子・李衛公問対 (全訳「武経七書」)
守屋 洋 (著), 守屋 淳 (著)
プレジデント社 1999-09

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『中国の思想 孫子・呉子』に一部掲載されていた李衛公問対が面白かったので、その全文が収録されている本書を読んでみた。

唐の太宗李世民とその大将軍として活躍した李靖の兵法談義という形式を取っており、正兵と奇兵、陣形の構築、歴史上の人物の評論など多岐にわたっており、古代中国の歴史を知っていると英雄たちが随所に取り上げられていて面白い。

特に、三国志の曹操は卓越した戦術家と知られているが、その記述には大げさな部分やハッタリがしばしばあるとしていたり、前漢の高祖劉邦と後漢の光武帝劉秀を比較すると、功臣の処遇などから見て劉秀の方が将に将たる器としてふさわしいなど、そのへんにいる歴史好きのおじさんが語りそうな内容があるので李世民と李靖がぐっと身近な人物に感じられてしまい妙にうれしくなる。

他に収録されている司馬法と尉繚子も、戦略論は戦争を大きなプロジェクトと読み替えると現代でも充分通用しそうな事が多く書かれており、プレジデント社から発行されているのもなるほどと思った。



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管子 (中国の思想)
管子 (中国の思想)
松本 一男
徳間書店 1996-09

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孫子・呉子 (中国の思想)

中国の春秋時代、斉の桓公を宰相として補佐し、最初の覇者にするのに絶大な貢献をした管仲の思想書を訳したもの。

孔子や孟子のような学者ではなく、宰相として行政のトップを務めた人物の書であるだけに、理念だけでなく実際的なことが多く書かれている。

富国強兵策を基本とし、物質的な繁栄を重視していることや賞罰を適切に行うことをことあるごとに主張しており、現代からするとオーソドックスに感じるが、2000年以上前にこの考えに到達していたことは驚くべきものといえる。

マーケティングや物価調整、計画経済といった近代の経済学に出てきそうなことも書かれており、ものの価値の分かる有能な人物であったことが強く感じられる。



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論語 (徳間文庫 ち 7-6 中国の思想)
論語 (徳間文庫 ち 7-6 中国の思想)
久米 旺生
徳間書店 2008-05-02

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十八史略〈4〉帝王の陥穽 (徳間文庫)

格段に読みやすい印象のある、徳間書店の中国の思想シリーズにおける論語。

国語や道徳の教科書でしばしば取り上げられているために、とかく堅苦しい印象がついて回る論語だが、実際に読んでみると孔子とその弟子の言行録という形態を取っており、必ずしも堅苦しい箇所ばかりではないことが分かる。

孔子が就職活動のためにクーデターを起こした人物や男性にだらしない君主夫人に会いに出かけようとして弟子から叱られたり、古来の礼法をあれこれ人に聞いているところを突っ込まれて苦しい言い訳をするなど、人間臭いところが出てきて面白い。

子路や子貢など弟子たちとのやりとりも、弟子の性格によって違う返答を行ってみたり、あえてどうとでも取れるような教えをしてみたりという感じで、孔子先生と愉快な弟子たちという読み方をすることもできる。



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図書館革命
図書館革命有川 浩
メディアワークス 2007-11

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図書館危機
図書館内乱
別冊図書館戦争 1 (1)
別冊図書館戦争 2 (2)
図書館戦争

アニメ化されたりスピンオフ作品が出ているらしい『図書館戦争』に始まる図書館シリーズの4冊目で完結編。
以前から書店に平積みされたりしていて気になっていたが、どの順序で出ているのかをよく把握しておらず、図書館にあった本書を読んでみた。

ストーリーは検閲制度が存在する日本で、武闘派の図書館員たちが政府機関であるメディア良化委員会とドンパチをやるというもので、個性豊かな図書館員たちの掛け合いとテンポ良いストーリー展開が楽しい。
また、テーマがメディアの自己規制など現実に即している面もないわけでもないため、軽いだけの作品にならずに済んでいる。

読んでなかったこれまでの作品での事件の背景がいまいち分からないこともあるが、勢いで一気に読み進むことができる。



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