読んだ本の感想をつづったブログです。



日付記事タイトル
2009/06/29『ロボットのいるくらし』
2009/06/28『目をみはる伊藤若冲の「動植綵絵」』
2009/06/27『ドンと来い!大恐慌』
2009/06/24『格差社会論はウソである』
2009/06/23『妖怪研究家ヨシムラ 』
2009/06/22『決定版 中国古典ジョーク集』
2009/06/21『スーパーロボット大戦Z』
2009/06/20『妖怪ハンター 地の巻』
2009/06/16『のぼうの城』
2009/06/15『菜の花エコ革命』
2009/06/13『職場の嫌いな人の取り扱い方法』
2009/06/11『新説 東京地下要塞 ― 隠された巨大地下ネットワークの真実』
2009/06/08『見仏記』
2009/06/07『写真と地図で読む!帝都東京・地下の秘密―東京駅周辺の地下の謎に迫る! 』
2009/06/06『崩壊する世界 繁栄する日本』
2009/06/04『記憶する技術―覚えたいことを忘れない』
2009/06/03『それでも、「平成恐慌」はありません。―これが、世界経済再生のシナリオ』
2009/06/02『帝都東京・隠された地下網の秘密』
2009/06/01『悪の人心掌握術 - 『君主論』講義』


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ロボットのいるくらし (B&Tブックス)
ロボットのいるくらし (B&Tブックス)
ロボLDK実行委員会
日刊工業新聞社 2007-10

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関連商品
ロボットと暮らす 家庭用ロボット最前線 [ソフトバンク新書]
キカイはどこまで人の代わりができるか? 職人ロボットから医療ロボットまで~人の暮らしを変えたキカイたち (サイエンス・アイ新書)
アンドロイドサイエンス ~人間を知るためのロボット研究~
ロボットが日本を救う―開発から40年のパイオニアが語るロボットの近未来
知能の謎 認知発達ロボティクスの挑戦 (ブルーバックス)


ロボLDK実行委員会という、ロボットの普及について調査や啓蒙を行っている団体が出している本。
ロボLDKのLDKは、通常住宅などで使われるリビング・ダイニング・キッチンのことで、これらと同様にロボットが生活に溶け込んだ社会を想定して名づけられている。

ロボットの普及は産業ロボットとしてはかなりなされているものの、家庭や公共機関など一般の場における普及は利用されるイメージが形成されていないのが現状である。
これに対して技術的なアプローチよりも実際にどのような用途が望まれるかという観点から、多くのイベントを開催しているようだ。

ロボットの特徴としてはPCや携帯電話で実現できないこととして、身体性、つまり実際の動きを通して人々の暮らしに役立つことからロボット利用の方策を模索している。
そしてロボットが人間の生活に入る上での安全対策や機能およびデザイン、知財保護など多くの点からロボットについて語られていく。

また、ロボットを扱った作品で有名なアメリカのSF作家であるアイザック・アシモフによるロボット三原則(ロボットは、人間に危害を加えないこと、人間の命令に従うこと、前項に反しない限り自らを守ること)を参考にして、ロボットの利用者を中心にして、ロボットを提供する技術者の視点をも取り入れたかたちでロボットはいかにあるべきかという、ロボLDK三原則を提唱している。
    ロボLDK三原則
  1. ロボットは、人の役に立つ存在でなければならない(有用性)
  2. ロボットは、人が安心して付き合える存在でなければならない(安全性)
  3. ロボットは、実空間において人と関わりあうことで、第一条、第二条を実践する存在でなければならない(身体性)

全体的には文章が少々固めで楽しく読めるという感じはあまりしなかったが、ロボットをSFの世界ではなく現実生活に取り入れるべき存在として、多くの視点から論じられておりなかなか興味深かったと思う。

[アシモフの代表的なロボットものSF]
われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集 (ハヤカワ文庫 SF)
「われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集 (ハヤカワ文庫 SF)」
 著者:アイザック・アシモフ
 出版:早川書房
 発売日:2004-08-06
 価格:¥ 760
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目をみはる伊藤若冲の『動植綵絵』 (アートセレクション)
目をみはる伊藤若冲の『動植綵絵』 (アートセレクション)
狩野 博幸
小学館 2000-07

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関連商品
もっと知りたい伊藤若冲―生涯と作品 (ABCアート・ビギナーズ・コレクション)
若冲画譜 (近代図案コレクション)
奇想の系譜 (ちくま学芸文庫)
伊藤若冲 (新潮日本美術文庫)
光琳デザイン

江戸時代の画家・伊藤若冲による『動植綵絵(どうしょくさいえ)』をカラーのグラビアで掲載し、解説している本。

若冲は京の青物問屋の息子に生まれて店を継ぐことになるが、本人が学ぶことが大嫌い、しかもこれといって特技もないという状態で、店の運営やつきあいは苦痛そのものだったらしい。
やがて好きだった絵に楽しみを見出した若冲は最初狩野派、次いで中国画を学んだがこれら既成の画風に飽き足らず、鶏を飼って観察し続けることから絵を描くことになる。

この結果としてか、鶏の絵をはじめとしてかなり細かくかつ、単なる模写とは異なる活き活きとした感じで、当時の日本絵画とは一線を画した画風となっている。
構図にしても必ずしも写実的とはしておらず、動物の首の向きや足の曲げ方などいかに見せるかを主眼においているかが見るほどに感じられる。
また、実際によく観察した鶏や魚介類の描き方は細かく、鳳凰やオウムの描き方は幻想的と、見たことのあるものとないものとの差があるようなところも面白い。

これまで若冲はあまり知らなかったが、本書を読んでかなり引き込まれた。
機会があれば若冲の展示も見てみたいところである。

[伊藤若冲関連の作品]

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関連タグ : 伊藤若冲,

ドンと来い!大恐慌 (ジョルダンブックス)
ドンと来い!大恐慌 (ジョルダンブックス)
藤井厳喜
ジョルダン 2009-03-12

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関連商品
NHK捏造事件と無制限戦争の時代
「国家破産」以後の世界 (ペーパーバックス)
崩壊する世界 繁栄する日本
博士の独り言 -マスコミが絶対に伝えない「日本の真実」-
永久国債の研究 (光文社ペーパーバックス)


昨年起こった金融危機のプロセスや背景、比較的ダメージの少なかった日本がこの機会に取るべき戦略などを論じた本。
口語体でざっくばらんに書かれており、ポイントは太字で、そして章の終わりにまとめがあったり随所に政治経済にまつわるビミョーな川柳を載せていたりして読者に親切な構成となっている。

まず、金融危機を引き起こしたアメリカについて、製造業の不振と消費の増大が金融業の異常な肥大を招いたとしている。
そしてバブルの引き金としてはテロ対策でアングラマネーの取り締まりを厳しくしたことがあり、想定されていたよりもアングラマネーが実体経済に与えていた影響が大きかったのではないかと推測している。

次に、資本主義が生産過剰などで恐慌になるのはつきものだとして、自由放任型資本主義からケインズ流の修正資本主義、マルクスの資本主義批判などが分かりやすく書かれている。
現在の金融危機は行き過ぎた自由放任型資本主義から比較的まともな修正資本主義への調整期ではないかとしている。

そして日本について話題が及び、生産過剰で消費の少ない状況を踏まえ、景気をよくするためには『国家破綻はありえない』でも書かれていた超長期債や永久債の発行を行うことを書いている。
この手の債権を相続税の対象外にすれば、富裕層が喜んで購入するともあり、なるほどと思った。
また、円高を利用して日本経済の不安定要因を少なくするために資源や食糧関連の資産や優良企業の買収も利益が大きいとしている。

他にも世界経済のブロック化に備えて東南アジアや比較的日本人に近いアルタイ語圏(トルコ、ハンガリー、フィンランド、ウズベキスタンやキルギスタンなど中央アジア諸国など)との連携を深めることや、ユダヤ人を日本に来てもらう政策など、様々な角度からの政策が語られていて興味深い。

巻末には売れ筋の恐慌本への解説も書かれており、この手の話題に関心のある向きにはお買い得感の高い本だと思う。

[著者の他の作品]

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格差社会論はウソである
格差社会論はウソである
増田 悦佐
PHP研究所 2009-02-26

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関連商品
崩壊する世界 繁栄する日本
本当はヤバくない日本経済 破綻を望む面妖な人々
中国経済がダメになる理由
超・投資勉強法──「動乱の時代」に金運を掴む人、掴めない人
国債を刷れ!「国の借金は税金で返せ」のウソ


日本の今後にについて楽観的な見解を語った著作の多い増田氏による、格差社会などマスコミや知識人による悲観論に対して豊富なデータや引用を用いて反論している本。

格差社会や教育問題、企業の戦略不足など、多くのメディアでは日本についてさまざまな悲観的な報道がなされ、欧米に見習うべきだという論調が目立っているが、これらは日本で大衆から尊敬されなくなった知的エリートによる負け犬の遠吠えのようなものだ断じ、こうした危機論を鵜呑みにしてあらぬ方向に進んでいってしまうことだけに注意をしていけば日本は順調に繁栄コースをたどるとしている。

また、社会調査を行った際に他国に比べて日本で満足度が低い結果となるのは、実際に他国よりも問題が多いわけでは必ずしもなく、日本人の要求水準が飛びぬけて高いからであり、この難題をクリアすることでこれまでになかった幸福な社会が実現できるということが書かれていてなるほどと思う。

他の作品でも見られた、自身と見解の異なる学者や評論家への批判は相変わらずで、今回は特に日本を認めることのできない欧米の知的エリートたちへの毒舌が冴え渡っている。

以下に上げるように示唆に富む論点がいくつもあり、引用されている数多くの文献をよく読み込んだ上で論じていることがよく分かる。
その引用文献もいくつも面白そうなものがあったため、その意味でも読んでよかったと思う。
  • 日本はこれまで植民地に独立のきっかけを与えたり、知的エリートの権威を叩き落すなど欧米から恨まれる行為を行ったため、欧米の学者による日本への論調はどうしても否定的になる
    それを真に受けて悲観論を語るのが日本の知的エリート。
  • 暗い時代と思われる1930年代も、実は日本は大恐慌から立ち直ってそれなりに成長していた。
    唯一の問題は、根拠の薄弱な悲観論に突き動かされた青年将校たちによるクーデターで、これが日本をどん底に突き落とした。
  • 大企業における戦略の是非以前に、あまりシビアな戦略を持つこと自体に疑問を持つ傾向が出始めている。実は他分野にあれこれ手を出すダボハゼ型の企業経営を行っているところの方が息が長い。
    また、株式のアナリストからすると徐々に増収増益をしている企業は面白みがないので評価が低く、アップダウンの激しい企業の方が儲けるチャンスがあるので評価される傾向にある。
  • 欧米では女性や子供を管理対象と考える伝統が根強いのに対して、日本では女性や子供がのびのびと活動できる社会が構築されており、厳しい消費者たりえている。
  • 日本では学歴が官界とマスコミを除けば30歳くらいまでしか効力が続かず、それが大衆と知的エリートがほとんどない原因となっている。
  • 実務経験のある学者は欧米型の成果主義に否定的で、労働の報酬が苦役への対価としか考えられないという前提に問題がある。
    日本では面白い仕事もご褒美になる考え方があり、こちらの方がまともと思われる。
[本書の中で引用されていた作品]
八大文明
八大文明
[外村 直彦]
戦わない経営
戦わない経営
[浜口 隆則]

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