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マスゴミ崩壊~さらばレガシーメディア~
マスゴミ崩壊~さらばレガシーメディア~
三橋 貴明 (著)
扶桑社 2009-09-17

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新聞やテレビといった大手メディアの構造的な問題について、2ちゃんねるでの書き込みをきっかけにブレイクした三橋氏がビジネスモデルという観点から論じている本。
三橋氏の本業は中小企業診断士であり、その意味からもこれまでの著作にあるような国家経済モデルとは違った鋭さが感じられる。

まず、著者は大手マスメディアによる、
  • 毎日新聞によるWaiWai変態報道事件
  • NHKの番組「JAPANデビュー第1回・アジアの一等国」での極端な捏造・偏向報道に対しての日本史上最大の集団訴訟
  • 朝日新聞によるNHK番組改変という捏造報道問題
といった報道テロリズムが横行し、当事者たちにその報道の訂正や被害者への謝罪の意図がない上、さらに他の大手メディアでもほとんど報道されないという薄気味悪い事態を問題視し、そうした事態がまかり通るこれまでの特権構造について分析していく。

まず新聞については、
  • 独占禁止法の新聞特殊指定(価格の強制その他)による競争の阻害
  • 販売店囲い込み型の宅配システム
  • 株式非上場の閉鎖的構造
  • 効果が不明確なのを盾に取った高額な広告料
  • 押し紙など販売店からの搾取構造、そして問題発生時の容赦ない切捨て
などで、
テレビについては、
  • 国民の公共資産たる電波を不当に安く利用する利権(これではUSENのことを批判する資格はない)
  • 広告代理店業界が電通、博報堂、ADKによる寡占で、利益背反など公共取引上多くの問題がある
  • 放送法に処分規定がなく、捏造や偏向報道がまかり通る
  • 受信料にあぐらをかいたNHKでの天下り天国ぶりや偏向報道
  • 記者クラブの中でなされる談合行為
といった形で多くの規制に守られた異常な業界であることが分かる。

これまでマスコミは企業や官庁に対して護送船団方式だとか談合などと批判し、コンプライアンスの遵守や内部統制、グローバル化などをするべきというような報道を繰り返してきたが、いざこれらを求められた場合は、著作権の保護だの、知る権利の侵害だの、表現の自由への介入だのと言い訳を述べ立てて反対しており、読んでいくうちにこの業界に対して救いのない気持ちになってくる。

何よりいやなのは公正・中立という架空の立場を主張していることであり、誤りを起こさないという前提から報道の訂正や反論を封殺するというスタンスで、少なくともどこか1社が倒産でもしなければ変わりそうにない。
※著者は偏向があること自体は人間なので当然で、どのような立場であるかを表明すればいいと語っている。

現在インターネットの出現や新たなビジネスモデルによる競合の発生などによって上記の特権が侵されており、特にインターネットによる個人の書き込みに対しては危機感を募らせてヒステリックに非難するところが多く書かれている。
また、2011年に予定されている完全地上デジタル放送移行はテレビ局に対しても多大な負担となっており、とどめをさされる形になることも十分考えられる。

これらの問題を論じるだけでなく、大衆が本当に求める情報を提供するのであればビジネスモデルは十分成立可能なので、市場主義に適応した形での競争力あるメディア産業が登場することを主張している。

かなり内容の濃い作品で、いろいろなことを考えさせられた。
マスコミの報道に惑わされることは避けられないが、疑う姿勢を持つことは心がけたいところである。




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