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読んだ本の感想をつづったブログです。


100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図
100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図
ジョージ フリードマン (著), 櫻井 祐子 (翻訳)
早川書房 2009-10-09

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「影のCIA」とも呼ばれる米国のシンクタンク代表による、今世紀に起こりうる国際政治のシナリオを地政学の手法を用いて予測している本。

前提としてあるのが、
  • 人口減少と、それに対しての移民政策やロボット工学の発達
  • 宇宙分野の軍事利用
  • 米国の伝統的な世界戦略(旧大陸におけるライバル国の出現を阻止する)と、各国の地政学的状況
などで、結論としては今世紀中は米国の世紀が続くということになる。

詳細は本文を読んでいただいて・・・というところだが、概略としては以下のようなシナリオが描かれていて、現在の世界情勢からすると意外に感じることも多い。
  • 2020~30年代:
    ロシアが米国に再挑戦して敗北した結果崩壊し、中国は国内のひずみに耐え切れずに混乱状態に陥る
    また、欧州も活力を取り戻せない状態が続く
  • 今世紀半ば:
    上記の結果として日本、トルコ、ポーランド(を盟主とする東欧諸国)が拡大して帝国を形成する。
       ↓
    これが米国の世界戦略と衝突して米・ポVS日・土の世界大戦が勃発し、宇宙兵器や機甲歩兵、超音速無人戦闘機を用いたハイテク戦争となる。
  • 2080年代:
    米国は世界大戦に勝利して好景気を享受するが、国内の旧メキシコ領(テキサスやカリフォルニア)でマジョリティとなったメキシコ系移民の扱いをめぐって、大国に変貌を遂げたメキシコの挑戦を受けて大規模な紛争が勃発する

少し日本や各国の伝統的な行動にとらわれすぎのようなきらいがあることや、経済や技術の分析が少し甘いように感じられることなど、突っ込みどころも多いが、ありうる可能性の一つとして、意外とも思われることが書かれていて刺激的である。
米国でベストセラーになっているのもよく分かる。

また、20世紀のいくつかの時点における国際情勢の展望を振り返って常識とされたものは必ず覆されること、そして政治指導者が選択しうる手段はチェスの手と同様ある程度限られていると論じているのも説得力があって印象に残っている。
必ずしも楽しい内容とは言えないが、興味深い1冊であることは確かである。



[本書の文庫版]
100年予測 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)100年予測 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ジョージ フリードマン (著), 櫻井 祐子 (翻訳)
早川書房 2014-06-06

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続 怪しい雑魚釣り隊―サバダバサバダバ篇
続 怪しい雑魚釣り隊―サバダバサバダバ篇
椎名 誠 (著)
マガジンマガジン 2009-05

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極北の狩人―アラスカ、カナダ、ロシアの北極圏をいく (講談社文庫)
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釣り専門誌のつり丸で連載中の、椎名誠による代表的なシリーズものエッセイであるあやしい探検隊の流れをくむ作品の第2作。
前作同様、椎名隊長とゆかいな仲間たちが海や島へ出かけて微妙な釣果を競ったり、キャンプで釣った魚をおいしく食べそして騒ぎ・・・といった行状がつづられていて何度読み返しても楽しい。

これまでのシリーズでおいしい料理を作ってきた料理人のリンさんが腰痛でリタイアしてしまっているのは残念だが、タコの介編集長やコンちゃん、そして椎名隊長が作る料理も野外料理の醍醐味が感じられておいしそうである。

あやしい探検隊から続く雑魚釣り隊の面々の行動は読者からするとうらやましくなるような書き方がされていて、そうしたところに読み続けられる要因があると思う。
著者の文章も他のエッセイよりもジョークやダジャレにもキレがあり、楽しんで書いていることが伝わってくるのもいい。

巻末には著者と漫画家の東海林さだおによる、”魚を会社員に見立てるとそれぞれがどのポジションに当たるか?”というおさかな対談が収録されており、くだらなくて面白い。
こうしたゆるくてくだらないけど面白いという雰囲気が、読んでいてとてもなごむ。

さらなる続編の動きも進んでいるようなことがあとがきに書かれており、出るのが楽しみである。





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関連タグ : 椎名誠, あやしい探検隊,

天皇になろうとした将軍―それからの大平記 足利義満のミステリー (小学館文庫)
天皇になろうとした将軍―それからの大平記 足利義満のミステリー (小学館文庫)
井沢 元彦 (著)
小学館 1998-03

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日本史の叛逆者―私説・本能寺の変 (角川文庫)
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最近報道されている民主党・小沢幹事長の言動を見ていると、以前読んだ本書に登場する足利義満がかなり重なってきているように感じている。

内容としては、足利義満と足利尊氏の事跡や義満の死は暗殺だったのではないかといったところが書かれており、歴史学者がまず書かないようなミステリーじみた考察が刺激的で面白い。

そして、本書で描かれている義満像としては皇室に対して日本史上最もなれなれしく接し、かつ足利氏による皇位簒奪も企んでいた怪物という評価である。
その事例として御所を見下ろすような位置に塔を建てたり、金閣寺の構造に隠された意図などが述べられており、詐欺的な手法で南北朝を統一した豪腕も含め、有能だがかなり危険な人物だったと思わされてくる。

本書に書かれているこうした側面の他に、貿易上の便宜を求めて、当時の明が行っていた中華秩序に日本を参加させて「日本国王」に封じられたことを思い起こすと、現在の小沢氏が中国寄りの姿勢を見せているあたりもかぶっているように感じられ、かなり不安である。


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エースの品格 一流と二流の違いとは (Clickシリーズ)
エースの品格 一流と二流の違いとは (Clickシリーズ)
野村 克也 (著)
小学館 2008-05-15

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野村ノート
野村の「眼」―弱者の戦い
野村主義
野村再生工場 ――叱り方、褒め方、教え方 (角川oneテーマ21 A 86)
<新装版>敵は我に在り 上巻 (ワニ文庫)


今年まで楽天イーグルスを監督として指揮した野村氏によるエースという視点から野球や組織、人生などについて語っている本。
ふと考えると、ノムさんの本は多く出ているものの、実際に読むのは本書が初めてだった。

冒頭で阪神のリリーフエースである藤川投手が重要な試合で中日の四番・ウッズに対して11球の直球勝負を挑み、結果打たれてチームが負けたシーンを取り上げ、個人的な勝負に固執してチームの勝利を優先しなかった点でエースとは言えないとバッサリ斬っている。

そしてこれまで見てきた投手では、古くは稲尾和久や杉浦忠、著者が指揮したヤクルト時代では伊藤智仁、そして現役ではダルビッシュ有と川上憲伸らを挙げ、「チームを救ってくれる存在」であり「チームの鑑であること」という意味でエースにふさわしいとしている。

こうした見方から、自分にはどのような役割を求められているのか、それを実現するためにどのようなことを行い考えるべきかといったところが書かれていて、巷間でよく言われるように深い内容が書かれている。
それでいて読みやすく感じるのは著者のサービス精神や経験もさることながら、多くのメディアでボヤき続けてある意味で視聴者たちを洗脳してきたからではないか・・・とちょっと苦笑気味に思ってしまった。

現役時代に大変な努力を重ねて球界を代表する選手になったことは広く知られているが、現役を引退後に講演の依頼を引き受けてストレスで参ってしまった話や、それを克服するために本を読み漁って猛勉強をしたという話が書かれていたのにはかなり驚いた。
監督業のかたわら講演もして本も書き・・・という最近の姿からはとても考えられないが、たまたま備えた才能は別として、何事も考えることや努力は重要だと思わせられる。

言動で目立つだけにいろいろ言われることも多く、多分近くにこんな人がいるとうっとうしくてやりきれないような気もするが、経験と考察に裏打ちされた内容は文章の形だとわりと納得できる。
求められているものはなかなか厳しいが、有益と思われたので他の作品も読むことになると思う。





[本書の文庫版]


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SEのフシギな職場―ダメ上司とダメ部下の陥りがちな罠28ヶ条 (幻冬舎文庫)
SEのフシギな職場―ダメ上司とダメ部下の陥りがちな罠28ヶ条 (幻冬舎文庫)
きたみ りゅうじ (著)
幻冬舎 2006-06

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SEとして多くの職場を渡り歩いてきたライターによる、これまでに出会ったダメ上司やダメ部下の事例を4コマ漫画とエッセイ風の文章で語り、そうならない形での仕事の仕方までを論じている本。

手柄を横取りする上司に任せると言ったのに後で文句をつける上司、屁理屈ばかりこねる部下に気の利かない部下など、こうした事例は特にSEに限られるものではなく、多くの人にとっては何人か思い当たるのではないだろうか。

ダメ上司編では過去に出会った何人かによるいやな気分を思い返したり、ダメ部下編では過去の失敗などを思い出すなどほろ苦さも感じてしまった。
特に、キミのためだなどとおためごかしをしつつ好き勝手なことをさせようとする上司のくだりなどはムカッとした。

ゆるめのイラストと軽妙な文体で軽く読むことができるが、振り返って自分の仕事への姿勢を考えさせられるような内容にもなっていて、見た目以上に良書だと思う。





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