読んだ本の感想をつづったブログです。


日付記事タイトル
2009/12/30『東京箱庭鉄道』
2009/12/29『下天を謀る(上・下)』
2009/12/26『西原理恵子の太腕繁盛記 FXでガチンコ勝負!編』
2009/12/24『100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図』
2009/12/17『続 怪しい雑魚釣り隊―サバダバサバダバ篇』
2009/12/15『天皇になろうとした将軍―それからの大平記 足利義満のミステリー』
2009/12/14『エースの品格 一流と二流の違いとは』
2009/12/12『SEのフシギな職場―ダメ上司とダメ部下の陥りがちな罠28ヶ条』
2009/12/11『地下利用学―豊かな生活環境を実現する地下ルネッサンス』
2009/12/10『人間文化研究機構 連携展示 百鬼夜行の世界』
2009/12/07『徳川家康  トクチョンカガン (上・下)』
2009/12/04『スーパーロボット大戦MX』
2009/12/03『もっと知りたい歌川広重―生涯と作品 』
2009/12/02『サンクコスト時間術』
2009/12/01『イングロリアス・バスターズ』



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東京箱庭鉄道
東京箱庭鉄道原 宏一 (著)
祥伝社 2009-05-14

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関連商品
トイレのポツポツ
ヤッさん
床下仙人 (祥伝社文庫)
かつどん協議会 (集英社文庫)
へんてこ隣人図鑑 (角川文庫)


主人公の前に突然謎の紳士が現れ、予算400億円、期間3年という条件で東京へ敷設する鉄道のプランを立てて欲しいという依頼がなされ、メンバーを集めてプロジェクトに挑むという小説。

400億円とはいまいち実感の湧かない額だが、調査するうちに全長数キロ程度の規模しか引けないことが分かり、新宿周辺や吉祥寺あたりの不便な場所、地元から復活の要望の強い場所などでの路線案が構想され、主人公を中心に集まった5人はあれこれ議論を重ねながら話は盛り上がっていく。

そこから謎の資産家である日野宮氏の過去や、明らかに西武鉄道グループを皮肉った企業グループの暗躍などが徐々に描かれてきて、西武鉄道グループが戦後にうすら暗い手口で急成長を遂げたことに対する風刺にもなっている。

ストーリー自体は『かつどん協議会』と同じような感じで目新しさは少ないが、鉄道に対してのわくわくするような思いや鉄道プランがリアルで実際にできると面白そうで、楽しく読むことができた。


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下天を謀る(上)
下天を謀る(上)安部 龍太郎 (著)
新潮社 2009-11-27

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下天を謀る(下)
道誉と正成
小太郎の左腕
排出権商人
墨染の鎧〈上〉


安部龍太郎による、藤堂高虎の生涯を描いた歴史小説。
以前読んだ『江戸時代の設計者―異能の武将・藤堂高虎』を参考文献になっていることがあとがきに書かれており、江戸時代の城作りや街づくりなどの社会整備に多大な貢献をしたという面が多く描かれていて厚みがある。

水野家の照葉姫とのロマンス、照葉のいとこの勝成や加藤清正らとの友情、そして高虎を見出した羽柴秀長や後年重用した徳川家康とのやりとりなど、多くの名場面が描かれていてドラマとしても面白い。
特に、秀長の後継者である秀保の怪死事件を受けて秀吉への抗議の意味で高野山に出家した際、家康から山から下りるよう説得する書状が場面はタイトルと連動していて印象深かった。

他にも秀吉の晩年における変質には淀殿が裏で操っていたという話や、高虎が加藤清正や池田輝政ら豊臣家の家臣たちから兄貴分と遇されている描写、淀殿の使いにすぎない石田三成が関ヶ原で増田長盛に出した書状の中で愚痴をつづっているところに伊達政宗や大久保長安によるキリシタン同盟の陰謀など、他の作品に書かれていない場面が多く描かれていて飽きさせない。

終盤の大阪冬の陣・夏の陣での描写では少々物足りない感じもするが、火坂雅志の『虎の城 (上) (下)』と同じくらい読みごたえのあるいい作品だったと思う。



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関連タグ : 安部龍太郎, 藤堂高虎,

西原理恵子の太腕繁盛記 FXでガチンコ勝負!編
西原理恵子の太腕繁盛記 FXでガチンコ勝負!編
西原理恵子 (著)
新潮社 2009-09-25

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できるかなEX (扶桑社ムック)
サイバラ茸 8
毎日かあさん家計簿2010 (小学館実用シリーズ LADY BIRD)
たまりませんな 静と理恵子の血みどろ絵日誌 (角川文庫)
アニメコミックス 毎日かあさん3


下手に見えるがインパクトの強い画風とあけすけでどぎつい内容が印象に残る西原理恵子による、FXに挑戦して期待通り(?)に大負けするという体験を描いた「金融スクエアbang!」というサイトに連載された漫画と、無頼系漫画である鳥頭日記の作品の2本立てによる作品。
近所の新古書店に100円で販売されていたものを購入した。

印象に残るのはやはり、ヒルズじゃない六本木にあるIT企業の青山社長から持ち込まれた企画により、青山社長とともにFXで散々な目にあう前半で、このあたりは以前FXをやってみてしくじった経験があるので実によく共感できた。
”底って割れるのね”という名言や、青山社長の似てないけど腹黒そうなタヌキ風の似顔絵の描写、そして随所でアブダビ投資庁やユダヤ人が多額の資金を投入した結果相場が大荒れする想像図など、うわ~と思いながら読み進んでいった。
安易に相場に手を出すとどういうことになるかが分かるという意味で有効な作品だと感じる。

著者と青山社長が経済評論家の森永卓郎と行った対談「お前ら、FXなめとんのか!?」の中で、FXではどのような世界情勢の変化がダイレクトに反映されるため、取引はこまめにクローズすること、少なくとも週末にほったらかしにするのなどは基本的にやめておくべきだという森永氏のアドバイスが書かれており、高いレバレッジをかけてこの手の取引をするのがいかにリスキーであるかを再認識させられた。

最近の著者は毎日新聞に連載されている『毎日かあさん』というほのぼのとしたシリーズでも有名なようだが、やはり印象に残るのはこうしたブラックな作品の方である。

[毎日かあさんシリーズ]

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関連タグ : 西原理恵子,

100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図
100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図
ジョージ フリードマン (著), 櫻井 祐子 (翻訳)
早川書房 2009-10-09

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関連商品
たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する
進化の存在証明
新潮選書 日本はなぜ貧しい人が多いのか 「意外な事実」の経済学
フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
中国経済の真実


「影のCIA」とも呼ばれる米国のシンクタンク代表による、今世紀に起こりうる国際政治のシナリオを地政学の手法を用いて予測している本。

前提としてあるのが、
  • 人口減少と、それに対しての移民政策やロボット工学の発達
  • 宇宙分野の軍事利用
  • 米国の伝統的な世界戦略(旧大陸におけるライバル国の出現を阻止する)と、各国の地政学的状況
などで、結論としては今世紀中は米国の世紀が続くということになる。

詳細は本文を読んでいただいて・・・というところだが、概略としては以下のようなシナリオが描かれていて、現在の世界情勢からすると意外に感じることも多い。
  • 2020~30年代:
    ロシアが米国に再挑戦して敗北した結果崩壊し、中国は国内のひずみに耐え切れずに混乱状態に陥る
    また、欧州も活力を取り戻せない状態が続く
  • 今世紀半ば:
    上記の結果として日本、トルコ、ポーランド(を盟主とする東欧諸国)が拡大して帝国を形成する。
       ↓
    これが米国の世界戦略と衝突して米・ポVS日・土の世界大戦が勃発し、宇宙兵器や機甲歩兵、超音速無人戦闘機を用いたハイテク戦争となる。
  • 2080年代:
    米国は世界大戦に勝利して好景気を享受するが、国内の旧メキシコ領(テキサスやカリフォルニア)でマジョリティとなったメキシコ系移民の扱いをめぐって、大国に変貌を遂げたメキシコの挑戦を受けて大規模な紛争が勃発する

少し日本や各国の伝統的な行動にとらわれすぎのようなきらいがあることや、経済や技術の分析が少し甘いように感じられることなど、突っ込みどころも多いが、ありうる可能性の一つとして、意外とも思われることが書かれていて刺激的である。
米国でベストセラーになっているのもよく分かる。

また、20世紀のいくつかの時点における国際情勢の展望を振り返って常識とされたものは必ず覆されること、そして政治指導者が選択しうる手段はチェスの手と同様ある程度限られていると論じているのも説得力があって印象に残っている。
必ずしも楽しい内容とは言えないが、興味深い1冊であることは確かである。


[本書の文庫版]
100年予測 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)100年予測 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ジョージ フリードマン (著), 櫻井 祐子 (翻訳)
早川書房 2014-06-06

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[地政学関連の作品]

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