読んだ本の感想をつづったブログです。



日付記事タイトル
2010/06/29『タゴガエル鳴く森に出かけよう! -トモミチ先生のフィールドノート』
2010/06/28『陽明学と禅のこころ―人間学の王道に学ぶ人生を快活に生きる知恵』
2010/06/27『馬の世界史』
2010/06/26『野村の「眼」』
2010/06/23『ドラッカーに先駆けた 江戸商人の思想』
2010/06/22『「分かりやすい説明」の技術 最強のプレゼンテーション15のルール』
2010/06/21『ほっとする禅語70』
2010/06/20『間違いだらけのビール選び』
2010/06/19『はじめて学ぶソフトウェアのテスト技法』
2010/06/18『「現代語抄訳」論語―欲望に振り回されない生き方』
2010/06/17『巨人軍論 ――組織とは、人間とは、伝統とは』
2010/06/16『宇宙銀行―徳を積み立てると幸運が引き出せる』
2010/06/15『カッコウはコンピュータに卵を産む〈上・下〉』
2010/06/14『日本がわかる思想入門』
2010/06/12『都市の文明イスラーム』
2010/06/11『敵は我に在り 下巻』
2010/06/10『オタクで女の子な国のモノづくり』
2010/06/09『龍馬の船』
2010/06/08『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』
2010/06/07『空気の発見』
2010/06/06『バカ日本地図―全国のバカが考えた脳内列島MAP』
2010/06/05『走らんかい! 』
2010/06/04『佐藤一斎「重職心得箇条」を読む』
2010/06/03『巨大ロボット誕生―最新ロボット工学がガンダムを生む』
2010/06/02 『世界の困った人ジョーク集』
2010/06/01『スマイルズの世界的名著 自助論』



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タゴガエル鳴く森に出かけよう! -トモミチ先生のフィールドノート (Think Map 5) (ThinkMap)
タゴガエル鳴く森に出かけよう! -トモミチ先生のフィールドノート (Think Map 5) (ThinkMap)
小林 朋道 (著), 百瀬義行 (イラスト)
技術評論社 2010-05-19

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関連商品
先生、カエルが脱皮してその皮を食べています!
先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!
先生、子リスたちがイタチを攻撃しています!
先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!―鳥取環境大学の森の人間動物行動学
ハチはなぜ大量死したのか


『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!』などの著作で人気のある動物行動学者による、普段の研究や日常生活での動物の行動に関する考察を語っているエッセイ。

浜辺にある生物の痕跡や隠れている生物を調べるところから始まり、研究でよく入る森で意外な発見をしてそちらに夢中になったり、アメリカのサンショウウオの生息する森でアメリカ人研究者と奇妙なやり取りをするなど、さまざまなエピソードが語られていて楽しい。

以前読んだ『先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!』に書かれていた、高山の水辺から離れたところで発見したヤモリのマヤにも触れられ、研究が済んでから元の山に放したことが書かれており、何かしらホッとした気持ちになった。

また、人間の行動を動物行動学の手法で考察してみた章もあり、電車やタクシーで相席になった際の居心地の悪さを縄張り意識と関連付けたり、大晦日の駅前でのイベントを部族集会と位置づけ、そこからホモ・サピエンスが協力行動の意思の確認に話を展開させたりしていて、このあたりの話も面白い。

研究生活では大変なことや悩みも多いと推察するが、それ以上に動物の行動を研究することを心から楽しんでいることが伝わってくる。



[本書の中で取り上げられていた作品]
歌うネアンデルタール―音楽と言語から見るヒトの進化
「歌うネアンデルタール
―音楽と言語から見るヒトの進化」

 著者:スティーヴン ミズン
 出版:早川書房
 発売日:2006-06
 価格:¥ 2,310
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関連タグ : 小林朋道,

陽明学と禅のこころ―人間学の王道に学ぶ人生を快活に生きる知恵
陽明学と禅のこころ―人間学の王道に学ぶ人生を快活に生きる知恵
境野 勝悟 (著)
致知出版社 2003-07

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関連商品
老荘思想に学ぶ人間学 (致知選書)
日本のこころの教育―熱弁二時間。全校高校生七百人が声ひとつ立てず聞き入った!
イヤな「仕事」もニッコリやれる陽明学―眠っている能力を引き出す極意
老子・荘子の言葉100選―心がほっとするヒント (知的生きかた文庫)
『論語』に学ぶ人間学


朱子学と陽明学の違い、そして陽明学がいかに禅の思想や老荘思想と通じるかといったことを語った講演をまとめている本。

最初に、江戸時代から戦前にかけての教育や社会規範には朱子学が多大な影響を与えており、その厳格さがいきすぎて弊害をもたらしがちなことや、極端に異なるはずの朱子学と陽明学の区別がついていないことを問題としている。

顕著な例としては歴史の教科書でもそう教えられ、『日本がわかる思想入門』にも書いてあった、大塩平八郎が陽明学者という伝承は誤りとしている。
大塩平八郎の言動はむしろ朱子学的で、陽明学的な人物としては二宮尊徳が挙げられるということが書かれていてかなりショックを受ける。

また、陽明学はいいと思ったことをすぐに行動に移すべきだという過激な思想のようなとらえ方もされる場合があるが、これもまた誤りであり、むしろ禅や老荘思想に近いものがあるとする。

既にこのあたりで漠然と持っていた陽明学への印象が覆され、驚きながら読んでいくことになった。

そこから朱子学と陽明学の大きな違いである、朱子学で使われる致知(ちち)と陽明学で使われる致良知(ちりょうち)の違いへ話が移る。
ざっとした理解としては、致知が知識万能主義に近いことを言っているのに対し、致良知では人には良知(自然の知恵のようなもの)が元々備わっているので、これに従った無理のない生き方をするのが望ましいようなことが書かれていたように思う。

朱子学が四書五経を深くひたすら読むのが正しく、現実がそれと合わなければ現実の方を変えなければならないという原理主義としか思えないことが書かれ、それに対し陽明学は現実主義でありのままを受け止める要素を強く感じる。

著者は禅の修行をかなり積んだ人物であるため、ここから陽明学と禅の思想の通じる部分について様々な例を挙げながら繰り返しその思想を語っていく。

引用されている王陽明の『伝習録』はかなり難しそうな文章で、しかも知識だけではなくて心や体で感じるべきことが書かれているために理解は困難と思われるが、著者の語り口が親切なので感じは何となくくらいはつかめてくる。

さすがにこの1冊だけで陽明学について鵜呑みにするわけにはいかないので、他にも何冊か関連の本を読んで陽明学の理解を深めたいと思う。



[陽明学関連の作品]

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馬の世界史 (講談社現代新書)
馬の世界史 (講談社現代新書)
本村 凌二 (著)
講談社 2001-07

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競走馬の科学 (ブルーバックス)
ヴァンダル興亡史―地中海制覇の夢 (中公文庫BIBLIO)
多神教と一神教―古代地中海世界の宗教ドラマ (岩波新書)
モンゴル帝国の興亡〈下〉 (講談社現代新書)
増補競馬学への招待 平凡社ライブラリー (537)


人類にさまざまな役割を演じて助けてくれた馬が、世界史にどのような影響を与えてきたかを概説している本。

馬の家畜化や品種改良から始まり馬車、戦車、騎馬と運用方法が多様化するにつれ、人々の活動範囲が広くなったことで文明が進歩する速度が飛躍的に高まったことがよく分かる。

スキタイ、匈奴、フン族、突厥、モンゴルなど、騎馬部隊を有効に活用して農耕民の帝国をおびやかしてきた遊牧民の帝国の話も随所で書かれ、侵略者としての面ばかりが強調されがちな遊牧民の世界史に果たしてきた役割にも思いをはせるきっかけとなる。

現在の陸上交通の主役は自動車や鉄道に交代して100年以上が経つが、それまで何千年にもわたって馬がその役割を担ってきたわけであり、この視点から歴史を考えるのも重要なところだと感じる。
なかなか興味深かったと思う。





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野村の「眼」 (ワニ文庫)
野村の「眼」 (ワニ文庫)
野村 克也 (著)
ベストセラーズ 2010-02-20

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関連商品
野球は頭でするもんだ<完全版>(上) (朝日文庫)
野球は頭でするもんだ<完全版>(下) (朝日文庫)
負けに不思議の負けなし〈完全版〉 上 (朝日文庫)
負けに不思議の負けなし〈完全版〉 下 (朝日文庫)
野村の革命


古本屋や図書館で見つけて読み続けてきたノムさん本の9冊目。

本書は2008年に発行された単行本に加筆文庫化した作品で、しばしば使いまわされてきた話だけなく、ここ数年の日本プロ野球界でのエピソードも書かれていて初めて読むところも多い。

例えば落合監督が2007年の日本シリーズを決める試合で、パーフェクトを続けていた山井投手を8回で交代させた采配の裏に、スター出身監督ならではの目立ちたがり精神があったのではないか?という洞察や、ヤクルト・古田敦也が選手兼任監督となった際にヘッドコーチをさせてもらえば成功させてやれたのに・・・という話などが書かれている。

また、現役時代にV9時代に巨人の正捕手だった森祇晶と捕手の役割がいかに重要であるかと夜を徹して熱く語り合った話(絵が暗すぎる・・・)や、解説者時代に野球中継でストライクゾーンを9つに区切るという野村スコープを開発してウケた話、人生の節目節目で評論家の草柳大蔵氏から大きな影響を受けたことなども書かれていて面白い。
  • 捕手は手(主役は投手)
  • 欲から入って欲から離れよ
  • 鈍感人間は最悪
といった名言も効いていて、参考になることも多い。

最近の作品であるためか、著作の中でも特にこなれた構成になっていて読みやすい。
1冊目として読むのにも向いていると思う。



[著者が影響を受けた、草柳大蔵氏の作品]

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