fc2ブログ
読んだ本の感想をつづったブログです。



日付記事タイトル
2010/07/29 『月とスッポンと日本語―究極の蘊蓄語録』
2010/07/27『君たちは、どう生きるか―スマイルズ『自助論』』
2010/07/26『ジャパン・プライド』
2010/07/25『最強の人生指南書-佐藤一斎「言志四録」を読む』
2010/07/24『イスラーム帝国のジハード (興亡の世界史)』
2010/07/22『巧みな質問ができる人できない人―問題の「急所」をズバリ突く技術!』
2010/07/20ジェイムズ・P・ホーガン氏の死去を悼む
2010/07/19九州国立博物館に「馬 アジアを駆けた二千年」を観に行った
2010/07/18『齋藤孝の速読塾 これで頭がグングンよくなる!』
2010/07/17『もっと知りたい曾我蕭白―生涯と作品』
2010/07/16『絶妙な「整理」の技術』
2010/07/15『勇気をくれたこのひとこと (5)』
2010/07/14『孫子に学ぶ12章―兵法書と古典の成功法則』
2010/07/13『十二世紀のアニメーション―国宝絵巻物に見る映画的・アニメ的なるもの』
2010/07/12つかこうへい氏死去を悼む
2010/07/11『あやしい探検隊 焚火酔虎伝』
2010/07/10『なぜ正直者は得をするのか―「損」と「得」のジレンマ』
2010/07/08『スキタイと匈奴 遊牧の文明 (興亡の世界史)』
2010/07/07『「韓非子」を見よ!』
2010/07/06梅棹忠夫氏死去を悼む
2010/07/05『日本の歴史を騒がせたこんなに困った人たち』
2010/07/04『寝床で読む『論語』―これが凡人の生きる道』
2010/07/03『Windows 100% 2010年 07月号』
2010/07/02『模倣される日本―映画、アニメから料理、ファッションまで』



にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト




月とスッポンと日本語―究極の蘊蓄語録
月とスッポンと日本語―究極の蘊蓄語録
明石 散人 (著)
講談社 2000-11

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
日本史快刀乱麻 (新潮新書)
男達(おとこだて) 現代が失ったオトコの神髄
鳥玄坊 ゼロから零へ


ことわざや言葉における歴史的な由来や、その他異説とも取られるような歴史雑学をQ&Aの対談形式で語っている本。
古本市で50円で販売されていたものを購入して読んだ。

言葉がらみの話としては、
  • 幽玄、侘び、寂びの違い
  • 議論と論議の違い
  • 月とスッポンの哲学的な意味(ちょっとピンとこない・・・)
  • 海老で鯛を釣る:元はいいものを餌にすべきという意味(これは納得しやすい)
  • 北風と太陽:権力者の様々なやり口には気をつけるべきだという話
といったあたりが書かれ、歴史関連の話では、
  • 西行法師のしょぼさ
  • 秀吉と利休の暗闘と、利休が切腹に追い込まれたわけ
  • 参勤交代やあえて橋をかけないなど、徳川幕府の優れた個人需要刺激策
  • 江戸時代の士農工商では、階層別よりも階層内の差(例えば農民であれば地主から小作人までの差)がはるかに大きかったと思われること
  • 中国やロシアの必勝戦略としては、広い国土に引き込んで逃げまくるというもの
    (劉邦、スターリン、蒋介石、毛沢東などはまさにそれ)
  • 日本人は戦略にこだわる傾向があるが、とりあえずいくつも戦術を実践しておき、それを足がかりに戦略を構築するというやり方もあること
などが書かれていて、ネタ自体は面白い。

ただし、以前『謎ジパング―誰も知らない日本史』を読んだ時にも感じたところだが、相変わらずネタは面白いのに上から目線の嫌味な感じの語り口には辟易させられる。

小説形式で知識をひけらかす少し嫌味な人物に語らせれば、そういうキャラクターということで笑って読むことができるが、著者が全面に出てくると救いがない。

もしこの著者の著作があまり売れていないとすれば、原因の大半はこうした部分にあると思う。
あまり期待はしないが、改めてもらえばもっと読まれると思う。




にほんブログ村 本ブログへ

君たちは、どう生きるか―スマイルズ『自助論』 (座右の名著シリーズ)
君たちは、どう生きるか―スマイルズ『自助論』 (座右の名著シリーズ)
サミュエル スマイルズ (著), 齋藤 孝 (訳・責任編集)
イーストプレス 2010-04

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
小さな努力で「人生の幸福」を増やす法―幸田露伴『努力論』「直接」の努力と「間接」の努力 (座右の名著シリーズ)
「論語」を生かす私の方法―渋沢栄一『論語講義』 (〈座右の名著〉シリーズ)
武士道―日本精神の「華」は、いかに鍛えられたか (座右の名著シリーズ)
頭がよくなる図化思考法 (ソフトバンク新書)
大事なことは3つにまとめなさい!


スマイルズの『自助論』を齋藤孝氏が現代語訳している作品。

『自助論』に関しては先日竹内均訳の『スマイルズの世界的名著 自助論』を読んでおり、やはり訳者が違えばそれなりに感じも異なっているのが分かる。
例えば竹内訳と比較すると、事務という仕事の重要性や楽しく仕事をすることの大切さを説いているところが目に付くように感じた。
好みとしては竹内訳だが・・・

いいことを言っているのは確かだし参考になるところ大だが、2度目に読むとどうしても勤勉・努力といった感じの正論が続くところに少し辟易する。
未読ではあるが、繰り返して読むには講談社から出ているエッセンス版の方が向いているのかもしれない。

また、西洋の思想や哲学、格言などで多少のゆるさや寛容さを感じられるものって何かないのだろうか?

まあそれはそれとして、内容自体は繰り返して読むに値するいい作品だと思う。
スマイルズには『品性論』あるいは『向上心』と訳される作品もあるようなので、いずれこちらも読んでみたい。




にほんブログ村 本ブログへ

関連タグ : 齋藤孝,

ジャパン・プライド
ジャパン・プライド江波戸 哲夫 (著)
講談社 2009-09-04

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
排出権商人
鉄の骨
同和と銀行 三菱東京UFJ“汚れ役”の黒い回顧録 (現代プレミアブック)
凄い時代 勝負は二〇一一年
竜の道 飛翔篇


リーマン・ショック以降の大混乱の中、たくましく活躍を続けるメガバンクの行員たちを描いた経済小説。

舞台となるのは関東系の銀行と関西系の銀行が統合してできたメガバンクの東西銀行で、登場するのは
  • 富裕層向け営業のエース
  • 個人向け営業の部長
  • 東西銀行から転身した工作機械メーカーの社長
  • 上記3人の元上司であり時期頭取と言われていたが、失脚して東西銀行を離れた元専務
の4人を中心として
  • 野心的な頭取
  • 頭取の拡大路線に危惧を抱くホールディングス社長
  • 大手電機メーカーを担当する法人向け営業の行員
  • 個人営業でトップクラスの成績を挙げる女性行員
  • 頭取の懐刀と目される企画課長
など多岐に渡る。
当然、取引先やライバルである外資系金融機関や国内外の企業のキーマンたちも登場する。

東西銀行はリーマン・ショックを受けて他の銀行と同様、
  • これまで順調に進んでいたM&A交渉の頓挫とそれに対する対策
  • 投資信託の価格下落による個人投資家の不安
  • 中小企業への貸し渋り
  • 産業構造の変化による業界再編
  • 邦銀による欧米投資銀行への進出と、そうした風潮への反発
など、さまざまな事件が発生し、各人がそれぞれの思惑を胸に活動をしていくことになる。

少し対象が広がりすぎな感じもしないでもないが、その分厚みのある設定となっていてまあまあ楽しめたと思う。
途中色々あるにせよ、前向きな感じでまとめられているのがいい。




にほんブログ村 本ブログへ

最強の人生指南書(祥伝社新書205)
最強の人生指南書(祥伝社新書205)
齋藤 孝 (著)
祥伝社 2010-06-01

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
「座右の銘」が必ず見つかる寺子屋の人生訓451
5分で「やる気」が出る賢者の言葉 (小学館101新書)
「論語」を生かす私の方法―渋沢栄一『論語講義』 (〈座右の名著〉シリーズ)
頭がよくなる図化思考法 (ソフトバンク新書)
一瞬で伝える「わかりやすさ」の技術


『声に出して読みたい日本語』などで知られる明治大教授の齋藤孝氏による、江戸時代の儒者である佐藤一斎の『言志四録』の中から特に印象に残った言葉を抄訳し、人生論を語っている本。

訳書としては岬龍一郎訳の『[現代語抄訳]言志四録』を読んでいるが、当然ながら選ばれた言葉や並べ方が違っており、それぞれの味がある。

まず目につくのは教条主義的一本やりではなく、欲望や利益を得ることについても認めた上でコントロールすべきだとしているところで、佐藤一斎のさばけた考え方がうかがえて納得しやすい。

また、心と体の調和が大切であることも随所で述べられていたり、孫子の兵法から取ったと思われる言葉もあったりして多彩な事が述べられていたことが分かる。

  • 春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら粛む。
  • 性分の本然を尽くし、職分の当然を務む。此くの如きのみ。
  • 博聞強記は聡明の横なり。精義入魂は聡明の竪なり。

など、韻を踏んだりリズム感を持って読むことのできる書かれ方をされていたりするのもいいところだと思う。

齋藤孝氏の解説では他の例や自らの飾らない体験も交えて語っており、楽しむことができる。
図書館で借りて読んだものだが、折にふれて読み返したいので近いうちに購入するつもりである。




にほんブログ村 本ブログへ

関連タグ : 佐藤一斎, 齋藤孝,