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植物はヒトを操る
植物はヒトを操るいとう せいこう 竹下 大学
毎日新聞社 2010-05-27

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作家・いとうせいこうと育種家・竹下大学による、植物のしたたかな繁殖戦略についての対談をまとめている本。

植物がきれいな花を咲かせたり、蜜を出したり実をつけたりすることで虫や鳥に繁殖を手伝ってもらっているのと同様に、人間が品種改良を行うなどして多くの植物を育てているのも植物の繁殖戦略に支配されているのではないか?という観点から話がなされる。

例として、戦後の日本人が建材などに使いやすいために杉の植林をしすぎて花粉症になる人が増えたために近頃ではブナなどの照葉樹を植え始めたところ、杉の方が危機感を持ったのか花粉のあまり出ない杉が出現した話がなされ、ちょっと驚く。

また、竹下氏がキリンビールに入社して早々にあまり好きではないペチュニアのヒットする品種の開発を命じられ、いやいやながらできないことを証明しようと思ってあれこれかけ合わせたところ、大ヒットの品種ができてしまうエピソードが語られ、植物の奥深さが感じられる。

他にも例えば以下のような植物関連のエピソードが紹介されていて、楽しみながら読むことができる。
  • 日本では普通に目にする葛(くず)がアメリカで園芸用に栽培された結果、繁殖しすぎてグリーンモンスターと呼ばれ嫌われものとなっている。
  • 江戸時代に朝顔栽培が大ブームになったのは、侍たちが暇になったうえ生類憐みの令で釣りができなくなったため。
  • アメリカの三大発明家にはエジソン、フォードとともにルーサー・バーバンクという育種家がいて、マクドナルドのフライドポテトに使われるジャガイモの元となった品種などを開発した。

植物に関する軽妙なトークから深い話につながっていく、興味深い作品だった。




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