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独学のすすめ (ちくま文庫)
独学のすすめ (ちくま文庫)
加藤 秀俊
筑摩書房 2009-11-10

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1970年代に女性誌で連載されていた学問や教育に関するエッセイをまとめた作品。
30年以上経っての再版だが、一部の用語を除くと内容はほとんど古びていない。

学校という教育形式はそれなりに有効と認めつつ、現在の学校の形はそこまで歴史が長いわけではないと語るところから始まる。
そしてやる気や問題の立て方という要素を重視し、学校に通うことにこだわらずに独学で学習することも1つの方法ということで話が進む。

特に生涯学習の重要性を説き、学習は就職してからも継続することが大切と語る。

そして、
  • いい学校に進むという意識が社会全体で強すぎ、大学進学後にやりたいことが見つからないと嘆く学生が多い
  • 日本の教育が、個人のやる気や問題提起する力をつぶしがちなこと
  • 大学などで、学生や教授が移籍しづらいこと
  • 器用貧乏という言葉があるように、いくつかの専門を持つことを忌避する傾向
  • 問題には答えが何か以前に、答えがあるかどうかということが見落とされがちとなっている
  • 子供に学ぶことを押し付けるのは良くないとしつつ、それがないと興味の持ちようがないというジレンマ
といった現代日本の教育における問題を指摘し、30年後の現在でも充分通じるものとなっている。
出版当時はゆとり教育というものはなかったが、ゆとり教育の実態を知る限りではこうした視点はあまり顧みられなかったように思う。

他にも以下のようなエピソードが語られているのが面白い。
  • 本を整理していたら、生きている間に積読している本を読むことはほとんど不可能という恐ろしい事実に気づいた
  • 専門家が難しい専門用語を使っている場で分かりやすい言葉に言い換えたところ、専門家に恐ろしい表情でにらみつけられた
  • 子供がテレビばかり見て本を読まないと言う教育ママに本を読んでいるかたずねると、当惑した表情をされた

明確な主張を平易な文体で語っていて、早く読み終えることができる。
学ぶのに遅すぎるということはないこと、学び続けることが大切なことを再認識でき、読んでいて勇気づけられた。




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