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街道をゆく 9 信州佐久平みち、潟のみちほか (朝日文庫)
街道をゆく 9 信州佐久平みち、潟のみちほか (朝日文庫)
司馬 遼太郎
朝日新聞出版 2008-10-07

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司馬遼太郎の『街道をゆく』シリーズ第9作で、以下の4つの旅を収録している。
  • 「潟の道」 : 水浸しで農地に適さない潟を、大変な努力で水田にしていった農民たちのすごさと、それがあっさり宅地にされていることへの愚痴

  • 「播州揖保川・室津みち」 : 揖保川沿いの小さな集落をたどる地味な旅

  • 「高野山みち」 : 高野聖(こうやひじり)のいかがわしさとメディア的な役割を果たすなどの活動、宗派にとらわれない実利志向

  • 「信州佐久平みち」 : 山地と小盆地が交互に現れる地形がもたらした海野氏や望月氏など小豪族の歴史、そして木曾義仲や真田昌幸、御牧(馬の国営牧場)の話

この中では「高野山みち」における聖の活躍が面白かった。
空海の真言宗だけでなく、必要に応じて浄土宗の阿弥陀如来も使ったり空海や円仁といった高僧の伝説を作り上げたりするあたりが特に興味深い。
また、後鳥羽上皇が鎌倉幕府を呪うのにつかった真言宗の一派である、真言立川流のいかにも邪教と感じられるいかがわしさにも少し驚いた。

このシリーズでは、著者と同行者たちのノスタルジックトークや当時の土地バブルによる宅地造成ブームへの愚痴が多くなると大体面白くなくなる。
見所やネタとなる歴史が少ない地味な地域にその傾向が出てくるようで、今回は特にそれが顕著だった。

これまで読んだシリーズの中で、最もパッとしない作品だと感じた。
一定のレベルは維持しているとはいえ、最初に読むのはおすすめできない。



『街道をゆく』シリーズについて書いた記事
  • 『 1 湖西のみち、甲州街道、長州路ほか』
  • 『20 中国・蜀と雲南のみち』
  • 『 4 郡上・白川街道、堺・紀州街道ほか』
  • 『25 中国・びんのみち』
  • 『 7 甲賀と伊賀のみち、砂鉄のみちほか』
  • 『32 阿波紀行、紀ノ川流域』
  • 『19 中国・江南のみち』
  • 『43 濃尾参州記』


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