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読んだ本の感想をつづったブログです。


耳袋の怪 (角川ソフィア文庫)
耳袋の怪 (角川ソフィア文庫)
根岸 鎮衛 (著), 志村 有弘 (翻訳)
角川書店 2002-07

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江戸時代に勘定奉行や南町奉行を歴任した根岸鎮衛が、人から聞いたうわさや怪談をまとめた作品の『耳嚢(袋)』から怪談を抄訳している作品。
著者は風野真知雄の『耳袋秘帖 赤鬼奉行根岸肥前』に始まる時代劇シリーズのモデルにもなっている。

収録されているのは、
  • 狙っていた鳩を取り逃がして”残念なり”と人語を話した猫
  • 妻を殺された狐が全然関係のない人物に取り憑き、問い詰められると殺した人物が怖いから近づけないと白状した話
  • 医者にかかった患者の正体は狐で、後で恩返しをされた話
  • 亡くなって埋葬されたはずの子供が、4~5日後に戻ってきた話
  • 疱瘡の神(?)が言葉を発し、早く出て行きたいから快癒の儀式をするようせきたてた話
などで、柳田國男の『遠野物語』のような構成で奇妙な話の数々が描かれている。
もののけのちょっととぼけた言動などは読んでいて心が和む。

特に印象に残ったのは、近くの稲荷神社の狐が他の社へ栄転することになり福を残していくという話で、祭神としての狐も異動で転勤があるという構図で描かれているのが面白かった。

訳者は他にもこの手の怪談関連の作品を手がけているようなので、そのうち読んでみたいと思っている。




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