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読んだ本の感想をつづったブログです。



日付記事タイトル
2011/01/30九州国立博物館に「没後120年 ゴッホ展」を観に行った
2011/01/26『天下商人 大岡越前と三井一族』
2011/01/23『カーデュラ探偵社 』
2011/01/22『知らないとヤバイ! クラウドとプラットフォームでいま何が起きているのか?』
2011/01/21『宇宙にとって人間とは何か―小松左京箴言集』
2011/01/19『遙かなる地球の歌』
2011/01/18『[新訳]大学・中庸』
2011/01/17『やさぐれぱんだとペンギン』
2011/01/16『幕末 維新の暗号-群像写真はなぜ撮られ、そして抹殺されたのか』
2011/01/15『平成23年度 イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生の基本情報技術者教室』
2011/01/14『会計のことが面白いほどわかる本 会計の基本の基本編』
2011/01/13『きょうも上天気 SF短編傑作選』
2011/01/12『男の論語』
2011/01/11『アホの壁』
2011/01/10『がっかり力』
2011/01/09『アイデアを盗む技術』
2011/01/08『スター・ワーズ-星新一の名言160選』
2011/01/07『Mac People (マックピープル) 2011年 02月号』
2011/01/06『さあ顔をあげて』
2011/01/05『世界の「神獣・モンスター」がよくわかる本』
2011/01/04『量子回廊-年刊日本SF傑作選』
2011/01/03『李陵・山月記―弟子・名人伝』
2011/01/02『舞い降りた天皇 初代天皇「X」は、どこから来たのか(上・下)』
2011/01/01『人を洗脳する賢者の黒い言葉』



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昨日、太宰府市にある九州国立博物館に、話題となっている「没後120年 ゴッホ展」を観に行った。

さすがに一昨年の「国宝 阿修羅展」ほどではなかったが、土曜の午後ということや開催期間が短めなこともありかなり賑わっていて、近くに寄らずに肩越しに観た作品も多かった。

今回の展示ではポスターに掲載されている自画像や一時期住んでいたアルルという所で描いた家の絵、最晩年に病院の庭にある植物を描いた作品などが時系列的に並べられていて楽しめた。

また、ミレーなどゴッホが影響を受けた画家の作品の他、当時西欧で大流行したという歌川広重や歌川国芳の浮世絵も展示されていたのも良かった。

これまでゴッホの作品はそこまで観ていたというわけでもないので、これを機会に少し観ていきたいと思う。



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関連タグ : ゴッホ,

天下商人 大岡越前と三井一族
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江戸中期を舞台とした歴史経済小説。
大岡越前守忠相と、2代目高平をはじめとする三井家の人々が主人公となり、それぞれの立場からせめぎ合いを続ける様子が描かれている。

時代劇では大岡裁きのイメージの強い忠相だが、読んでいくと江戸町奉行の職掌は裁判の他に民政や商業政策など幅広いことが読んでいくうちに分かってくる。

時代は徳川将軍6代家宣から8代吉宗にかけての頃で、幕府の体制が貨幣経済の発達についていけなくなり、以下の形で危機に瀕していることが書かれている。
  • 農民から税を米で徴収して武士の給与も米で支払われるため、新田開発などで増産すればするほど米価が下がって武士の生活が困窮する
  • 江戸が金、上方が銀という使用通貨の違いにより、為替レートの変動で江戸と上方の景気が大きく影響を受ける
  • 綱吉時代は荻原重秀の通貨の質を落とす改鋳という形で量的緩和を行っていたが、その後通貨の質を上げる政策を採ったことが金融引き締めと同様の効果を発揮して ひどいデフレに入ってしまった
忠相は吉宗から米価を上げるよう命じられ、物価や為替レートの統制、新田開発、民間人の起用など様々な政策を試みるが、市場原理に逆らう政策では商人たちの抵抗も強くなかなかうまくいかない。

一方、三井では創業者である高利(宗寿)の後を継いだ高平(宗竺)の代に当たり、高利の主だった息子たちを6つの本家、縁者を連家とし、大元〆(現在で言えばサラリーマン社長)も参画した最高会議で重要事項を決定するなど、組織的な経営を行うようになっていた。

家訓や過去の倒産事例をまとめるなどのルール作りを進める他、幕府内にパイプを作って情報を集めたり、状況に応じて適切な手を打つなどしたたかなところを見せ、潜在的には幕府よりも経済力があるかもしれないことが書かれている。

特に、幕府はいずれ潰れるだろうが三井は生き残る、ただ幕府が潰れた後のことが読めないのでとりあえずは延命させておこうという意味のことを述べていた場面には凄みを感じた。

扱っているのは江戸時代だが、著者が経済小説の著作が多いこともあってか完全に経済小説のスタイルとなっているように感じられて面白い。

忠相を東京都知事+経済産業大臣+国土交通大臣その他、高平を三井財閥の総帥、吉宗を財政再建路線の首相と読み替えると、かなりイメージが明確になってくる。




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カーデュラ探偵社 (河出文庫)
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短編ミステリーの名手ジャック・リッチーによる名探偵カーデュラが登場する全8作品を収録した短編集。

カーデュラは怪力や様々な超能力を使うことができ、その反面営業活動は夜間のみという探偵で、言動の随所に正体が有名キャラクターだとほのめかしながらも決して明示しないという書き方が面白い。

作品によっては彼の同類や天敵に当たる人物も登場し、お約束の設定に乗っかって話を楽しむことができる。
カーデュラは彼なりの正義感に基づいてまじめに仕事をこなし、ひどい悪人に対し毅然とした対応をするところも好感が持てる。

カーデュラ作品の他にも単発ものの作品が5作収められていて、著者が得意とする殺し屋ものの「いい殺し屋を雇うなら」や、日曜日のなにげない出来事から徐々に犯罪が明らかになる「無痛抜歯法」などが良かった。



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関連タグ : ジャック・リッチー,

知らないとヤバイ! クラウドとプラットフォームでいま何が起きているのか?
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フリージャーナリスト2人による、クラウドとプラットフォームという潮流について、Amazonやアップル、アンドロイド、ホワイトプランなど、それぞれの項目ごとに解説している作品。

先日読んだ『クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先にくるもの』の著者で「電気とデータが流れるもの」を得意とする西田氏と、携帯電話など通信ネットワーク関連の著作の多い神尾氏が、それぞれのアプローチから語っていく。

全体としては、クラウドよりもプラットフォームについての記述が多かったように思う。
例えばポケモンがディズニーよりも優れている点や、アップルがアルミ製筐体で製品を統一している理由、アンドロイドの開発経緯などが書かれていて興味深い。

AKB48や地上デジタル放送、ガラパゴス化など幅広い範囲に言及され、あまり認識したことのないことが分かりやすく解説されているのもいい。

ソフトバンクのホワイトプランがシェアの小ささを逆手に取ったやり方ということや、Xbox360が技術的にPS3に劣ることがソフトの開発しやすさにつながっていることなどの話には少々驚いた。





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