日付 | 記事タイトル |
2011/05/30 | 『宇宙エレベーター-宇宙旅行を可能にする新技術-』 |
2011/05/29 | 『徐福海を渡る』 |
2011/05/26 | 『儲けたいなら科学なんじゃないの?』 |
2011/05/25 | 『天翔る少女』【新訳版】 |
2011/05/24 | 『家族が語る山下清』 |
2011/05/23 | 『2035年 火星地球化計画』 |
2011/05/22 | 『勝つための言葉』 |
2011/05/21 | 『ヨーロッパぶらりぶらり』 |
2011/05/20 | 『キタミ式イラストIT塾 「基本情報技術者」 平成23年度』 |
2011/05/19 | 『異説 徳川家康』 |
2011/05/18 | 『機動戦士ガンダムさん さいしょの巻』 |
2011/05/17 | 『游仙枕―中国昔話大集』 |
2011/05/16 | 『日本ぶらりぶらり』 |
2011/05/15 | 『好きのカタチ』 |
2011/05/14 | 『奇跡の日本史―「花づな列島」の恵みを言祝ぐ』 |
2011/05/13 | 『山下清の放浪日記』 |
2011/05/12 | 『躍る北の大地―道産子の夢に向かって全力疾走!』 |
2011/05/11 | 『千思万考-歴史で遊ぶ39のメッセージ』 |
2011/05/10 | 『武将の言葉 決断力が身に付く180のヒント』 |
2011/05/09 | 『いろはうた』 |
2011/05/08 | 『井沢元彦の英雄の世界史』 |
2011/05/07 | 『中国民話集』 |
2011/05/06 | 『爆笑問題のニッポンの教養 「脱出したい!」のココロ 海洋生命科学』 |
2011/05/05 | 『サキャ格言集』 |
2011/05/04 | 『孔子暗黒伝』 |
2011/05/03 | 『地球外生命体を探せ』 |
2011/05/02 | 福岡アジア美術館に「放浪の天才画家 山下清展」を観に行った |


科学ジャーナリストによる、宇宙エレベーター構想の現状について解説している作品。
以前本書でもたびたび引用されている『軌道エレベーター―宇宙へ架ける橋』と『宇宙旅行はエレベーターで』の2冊読んでいたこともあり、それらに比べて少し地味に感じるところもあるが、最近のニュースなども抑えられていて分かりやすいと思う。
例えば宇宙エレベーターに使用するケーブルの素材として期待されるカーボンナノチューブの開発についての記述が、特に分かりやすい。
また、クルーザー(宇宙エレベーターの”かご”)に動力をつけて昇降する形での構想が多いが、つるべを使った井戸のように、ケーブルで2つのクルーザーを昇降させる形もあるという話や、宇宙エレベーターを使用して低軌道ステーションまでを対象としたパック旅行のシミュレーションなどの話も具体性があって興味深い。
他に、太陽光を蓄電池に蓄えて飛ぶソーラー・プレインや、成層圏を移動できる高高度飛行船といった人工衛星の役割を一部代行しうる移動手段について書かれていたりして、こうした技術について書かれた入門書のたぐいがあれば読んでみたい。
先日読んだ『儲けたいなら科学なんじゃないの?』の中でホリエモンは宇宙エレベーターは大量の資材を宇宙に送らなければならないため難しいと語っていたが、宇宙エレベーターができれば資材運搬が容易になるわけで、ちょっとしたジレンマのように感じる。
無重力状態や宇宙空間で発展が見込める工業製品や産業についてのところを読むと、ここが非常に重要と感じた。
民生利用へのビジョンが多く具体的であれるほど理解が得られやすいためである。
宇宙エレベーターについて期待される点や課題などがうまくまとめられていて、面白かった。

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秦の始皇帝から不老不死の薬を探すよう命じられ、日本に渡ったまま帰ってこなかったという徐福にまつわる数々の伝説を元に、小説化した作品。
著者は佐賀県在住の作家で、小中学校の音楽教師を退任後に著述業を始めたらしい。
徐福については中国の山東省に出身地とされる村があったり、日本でも佐賀県の伊万里、唐津、武雄、佐賀、金立(きんりゅう)など、そして熊野や京都、静岡、秋田と多くの土地で徐福が移り住んでさまざまな技術を伝えたという伝説が残っている。
こうした伝説に対して、徐福は7人の息子とともに大船団を組織し、日本の各地に分散して訪れたのではないかという形で話を進めていく。
ルートとしては山東半島から黄海および渤海沿いに朝鮮半島沿岸をたどって済州島、そして伊万里、佐賀、金立などの順で訪れ、先々で技術援助をしたり、乗組員の一部が土着もしていく。
縄文時代の日本に暮らす現地の住民からすれば先進国から人が来るわけで、美談ありトラブルありということで、このあたりが小説らしくエピソードが描かれていく。
気になったのは、徐福や息子たち、そして従者といった登場人物の口調にあまり一貫性が取れておらず、誰のセリフなのか分かりにくいところである。
校正をきちんとやれば防げると思われるレベルで、もう少し何とかならないかと思った。
そうした欠点はあるが、徐福は関心のある題材で、しかもあまりメインで扱っている書物も多いとは言えないので、内容自体はまずまず面白かったと思う。
また、郷土の作品ということで佐賀県内の地名が多く出ていて、佐賀県に関わりのある人にとっては読みやすいと思う。
ちなみに、本書はオンライン書店では扱っていないようだった。
入手しようとすれば佐賀県内の書店か、出版元の株式会社ぷらざに問い合わせるのがいいかと思う。

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儲けたいなら科学なんじゃないの? | |
![]() | 堀江貴文 (著), 成毛 眞 (著) 朝日新聞出版 2011-03-18 Amazonで詳しく見るby G-Tools 関連商品 ホリエモンの宇宙論 成金 拝金 君がオヤジになる前に 新・資本論 僕はお金の正体がわかった (宝島社新書) |
先日収監されることが決定したホリエモンと、元マイクロソフト日本法人社長の成毛眞氏による科学対談。
科学の分野から多くの人が注目していないネタを掘り出すことが、大儲けにつながるという観点で話がなされていく。
まず最初に、ホリエモンがロケットの開発事業を行ってきたことを知り、知らなかったので少々驚いた。
これはロケットエンジンをこれまでよりも大幅に安いコストで作れるようにし、宇宙ビジネスを作り出していこうという野心的な試みである。
ホリエモンによると、ロケットのコストが高いのは政府の事業であるために先端技術を投入していくことにあるとしており、既存の技術や素材を組み合わせることで1000万円程度で宇宙旅行ができると語っていく。
また、地球の近傍にある小惑星を資源の採掘場にしたり、さらにはコロニーや宇宙船にまで利用するプランまで話は広がっていく。
ただ、しばしば話題になる宇宙エレベーターに対してホリエモンは厳しい見方をしていて、大量の物資を必要とするので難しいとしていたのは少々残念だった。
他にも、狂牛病のようなプリオン病とカリバリズムの習慣の関連性や、アップル社の製品が処理速度よりも見せ方にこだわるという方法、エネルギー産業の方向性、医療の進化といった科学の動向についてさまざまな話題が出てきて面白い。
堀江・成毛の両氏ともに歯に衣着せずにストレートな表現をするタイプなので、刺激的な対談を楽しむことができるが、ホリエモンが”要は・・・”というフレーズを多用しているのが少々うっとおしい。
耳で聞く分にはさほどでもないが、文章で読まされると気に障る言葉だと感じた。
ついつい使用してしまう、かっこつけているようでかっこ悪い言葉という印象があるので、あまり使わないよう気をつけたい。
ホリエモンが罪に問われた件が妥当なものかよく分からないが、ロケット開発のような面白くて夢のある事業をやっている人物が収監され、有料ブログで儲けるくらいしかできないというのはつくづく残念だと思う。
失礼ながら最近の写真を見るとかなり太っているように見えるので、もう少し健康に見える状態で出所して再び活躍してほしい。
- 成毛氏の作品について書いた記事
- 『成毛真のマーケティング辻説法』
- 『本は10冊同時に読め!』

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天翔る少女【新訳版】 (創元SF文庫) | |
![]() | R・A・ハインライン (著), 赤尾 秀子 (翻訳) 東京創元社 2011-04-28 Amazonで詳しく見るby G-Tools 関連商品 アジャストメント―ディック短篇傑作選 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-20) クロノリス-時の碑- (創元SF文庫) シリンダー世界111 (ハヤカワ文庫SF) 彷徨える艦隊〈6〉巡航戦艦ヴィクトリアス (ハヤカワ文庫SF) グリムスペース (ハヤカワ文庫SF) |
好きなSF作家の一人であるハインラインによる、少女ポディの日記という形式で描かれる長編SF。
火星生まれで宇宙船の船長になる夢を持つポディは、あるいきさつから悪賢い弟のクラークとあやしげな火星議員の大おじであるトムの3人で、金星と地球への旅行に出かけることから物語は展開していく。
本書の世界設定としては、50年以上前に書かれたということもあって火星や金星には原生生物がいて、既に地球からの移民もかなり進んでいる形となっている。
人口過密な地球、フロンティアらしさを残す火星、そしてラスベガス化した金星と特徴付けられていて、細かな設定で作りこまれていることが伝わってくる。
基本的には聡明だが少々抜けたところもあるポディの視点から宇宙船や金星で発生する事件の数々が語られ、微妙な違和感とわくわくした感じの混ざった不思議な世界観に引き込まれていく。
宇宙船で磁気嵐に巻き込まれた際のトラブルや船内でのいざこざ、初めて訪れる金星の環境への戸惑いなどが前半に起こるが、基本的には比較的スローなテンポで話が進んでいく。
どちらかと言えば、ストーリーよりもキャラクターや舞台設定に重きを置いた書き方とでも言ったところである。
ところが、残りの3分の1くらいから事態が急変していく。
ここから先はネタバレとなるので書かないが、それまでの前フリがかなり活かされた形で、しかも驚きの展開や肩透かしがいくつも出てきて一気に読み進んでいくことになる。
ポディやクラーク、トムといった人物のキャラクター設定や視点の違い、そして他の作品と同様に基調として著者の厳しさや優しさが感じられる。
久しぶりに読んだが、やはりハインラインの作品はいいと思わせてくれた。

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