日付 | 記事タイトル |
2012/03/27 | 『それでも「日本は死なない」これだけの理由──なぜ欧米にできないことができるのか』 |
2012/03/24 | 『惑星CBー8 越冬隊』 |
2012/03/13 | 『ツキを呼びこむ「論語」の成功法則-心をこう鍛えれば強くなる!』 |
2012/03/12 | 『中国怪異譚 聊斎志異〈1〉』 |
2012/03/11 | 『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』 |
2012/03/10 | 『大転換する日本のエネルギー源 脱原発。天然ガス発電へ』 |
2012/03/07 | 『都鄙問答 経営の道と心』 |
2012/03/06 | 『左伝 (中国の思想)』 |
2012/03/02 | 『中国百物語―中国昔話大集〈3〉』 |

ここ2~3年著作が多く出て読むことの増えた増田悦佐による、3.11後も日本が力強く繁栄を続けていくことを語っている作品。
先日読んだ松藤民輔著『地獄に落ちる世界経済-「金(ゴールド)と菌(バクテリア)」が日本を救う』とかなり内容が近い。
日本が賢い大衆が活躍する社会としていることに焦点を当てているのが本書で、ゴールドがらみの話に頁を割いているのが『地獄に・・・』という感じである。
基本的には他の著作同様に、日本の大衆社会の優れている点と、米国、欧州、中国などの危機的な状況を対比させて書かれている。
その中でも、米国では『クルマ社会・7つの大罪-アメリカ文明衰退の真相』にも書かれていたクルマ社会であるため、大衆が集まる広場が発達しない→暴動が起こりにくいということが書かれているのが興味深かった。
- 著者の作品について書いた記事
- 『マネジメントの日米逆転が始まる』
- 『危機と金(ゴールド)』
- 『クルマ社会・7つの大罪-アメリカ文明衰退の真相』
- 『奇跡の日本史―「花づな列島」の恵みを言祝ぐ』
- 『日本文明 世界最強の秘密』

惑星CBー8 越冬隊 (ハヤカワ文庫) | |
![]() | 谷 甲州 早川書房 2004-06 Amazonで詳しく見るby G-Tools 関連商品 終わりなき索敵〈上〉 [航空宇宙軍史] (ハヤカワ文庫JA 569) 終わりなき索敵〈下〉 (ハヤカワ文庫JA―航空宇宙軍史 570) 漂流 (新潮文庫) 竜の卵 (ハヤカワ文庫 SF 468) |
地表の多くを氷に包まれた惑星である種の天変地異が起こり、常駐していた人々がサバイバルを行うSF小説。
CB-8と名づけられた惑星は軌道が極端な楕円形となってることなどで、氷に閉ざされている時期が多い。
そのため、人工太陽による温暖化処理がなされており、その管理や惑星の調査のために探査基地に約50人の人員が配置されていた。
ところが、人工太陽の暴走や惑星の地殻変動により大気圧の低下などの気象に異常が発生し、そのままでは交代の便が来るまで生存が難しい状態に陥ってしまう。
そこで人工太陽の暴走を止めるため、氷河が広がっている地方をホバークラフトやスノーバイクなどで移動することになる。
さまざまな事故が発生し、次々に人が死んでいくなどの設定は、(実際に読んだことはないが)新田次郎の『八甲田山死の彷徨』などが近いのかもしれないと思った。
かなり細かくリアルな描写がなされていて、好きな人ははまる内容だろうと思う。
ただ、私にとっては重くて、あまり好みの作品ではなかった。
- 著者の作品について書いた記事
- 『星空の二人』
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以前読んだ『言いにくいことを「サラリ」と言う技術』や『「カチン」ときたときのとっさの対処術』の著者による、『論語』の言葉を解説して人生に活かすアドバイスをしている本。
全部で煩悩の数と同じ108の言葉が収録され、現代的な例を用いていることが多い。
この中では第6章の「何よりも実践を重んじる生き方」に入っていた言葉が特に印象に残った。
例えば情報を集めたり熟慮したりした上で、自信を持った行動をすべきとしているところなどで、まさにできていないことが多いので身につまされる。
基本的にはかなり分かりやすいが、人によっては薄く感じるところ、解釈の仕方が断定的過ぎると感じられる部分もあると思う。
なるほどと思うところもある一方、心に響かなかったりそんなものできないと思うところもあったりするが、そう感じる現時点での自分自身を受け入れることも悪くないと思う。
『論語』では無理をすることをしばしば戒めているわけで、色々な読み方ができるのだろう。
[参考文献に挙げられていた作品]
![]() | 論語 (岩波文庫) 金谷 治 岩波書店 1999-11-16 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
![]() | 孔子―人間、どこまで大きくなれるか (知的生きかた文庫) 渋沢 栄一 三笠書房 1996-07 Amazonで詳しく見る by G-Tools |

![]() | 中国怪異譚 聊斎志異〈1〉 (平凡社ライブラリー) 蒲 松齢 (著), 増田 渉 (翻訳), 松枝 茂夫 (翻訳), 常石 茂 (翻訳) 平凡社 2009-09 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
清代に書かれた中国の怪奇小説である、『聊斎志異』を翻訳したシリーズの第1作。
『聊斎志異』については以前岩波文庫版(上・下巻)で読んで面白かったので、全6巻でさらに収録している話が多い平凡社から出ている本書を読むことにした。
読んでみると、岩波文庫版に収録されていた、下記のような話が収録されていて少し懐かしい感じとともにテンションが上がった。
- 「蓮香」 :狐の美女と幽鬼の美女の2人と結ばれる話
- 「王六郎」:川で溺死した幽鬼と飲み友達になり、いいことがあった話
- 「青鳳」 :変わり者の青年が、荒れた屋敷に住む●と仲良くなる話
- 「嬰寧」 :田舎の屋敷に住む、笑ってばかりいる娘の話
- 「陸判」 :冥土の役人と飲み友達になり、自身の○○や妻の×を交換してもらう話
- 「酒友」 :狐と飲み友達になり、助けてもらう話
- 「張誠」 :兄弟の人情話
生まれ変わって前世の行いの清算をさせられる話も多く、その方法もさまざまである。
特に、現世や前世で借金を払わなかった人物に子供が生まれ、その金額分だけ養育費を払うと子供が死んでしまう話にはちょっと引いたが、中国っぽいとも思った。
日本ではまず受けない話だろう。
多少の出来不出来はあるが、生きている人間の世界とそれ以外の世界が妙につながるところが面白いので、続編も読んでみるつもりである。

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