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読んだ本の感想をつづったブログです。


孔子―人間、どこまで大きくなれるか (知的生きかた文庫)
孔子―人間、どこまで大きくなれるか (知的生きかた文庫)
渋沢 栄一 (著), 竹内 均 (編・監修)
三笠書房 1996-07

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「論語」 人間、一生の心得


明治時代に産業の発展に大きく貢献した渋沢栄一が著した『論語講義』を現代語訳した作品。
論語の解釈自体は他の本と大きく変わるものではないと思うが、自身の経験や周囲の人物のエピソードを引き合いに出して語っている部分が面白い。

中でも、同時代人でもある、西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允、山県有朋、井上馨といった幕末・明治の偉人たちを引き合いに出しているところがいい。

例えば、渋沢を明治政府にスカウトした大隈重信については、有吉弘行風に言えばかなりの”おしゃべりクソ野郎”という感じの評価をしていて笑ってしまった。
もっとも大隈のいいところも触れており、大隈が亡くなるまで親交が続いた間柄ということで、忌憚なく書いていることが分かる。

また、しばしば衝突した大久保利通は嫌いだが認めていたことや、江藤新平のゴリ押しに辟易したことなども書いていて、明治時代の史料という読み方もできる。

訳も分かりやすく、楽しみつつもためになる内容だと思う。



渋沢栄一の「論語講義」 (平凡社新書)渋沢栄一の「論語講義」 (平凡社新書)

渋沢 栄一 (著), 守屋 淳 (編集)
平凡社 2010-09-16

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関連タグ : 孔子, 渋沢栄一,

[新訳]名将言行録
[新訳]名将言行録岡谷 繁実 (著), 兵頭 二十八 (編集, 翻訳)
PHP研究所 2008-09-19

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明治時代に、館林藩出身の岡谷繁実が各藩に伝わる大名や武将たちのエピソードをまとめた『名将言行録』を大幅にダイジェストした上で現代語訳している作品。

副題に192人とあるように、原著でも192人を扱っていたらしく、これまで聞いたことのないような人物の逸話も多く含まれており、かなりマニアックな印象を受ける。
知られざる人物の話という意味で楽しめる。

もちろん、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、毛利元就といった戦国武将や、水戸光圀、松平信綱、池田光政といった江戸時代の藩主、そして可児才蔵や渡辺勘兵衛といった名の知られる武士たちも入っている。
華々しい活躍だけでなく、その活躍を支えた彼らの哲学が垣間見られるのがいい。

ただし、新書という限られた体裁の中に192人を詰め込んだため、1人当たりのページ数およびエピソードが少なくなっている。
そのため、『名将言行録』の最初の一冊という形で読むのがいいのだろうと思う。



日本人の叡智 (新潮新書)日本人の叡智 (新潮新書)

磯田 道史
新潮社 2011-04

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2012年マネー大激震! 国家連鎖破綻が、日本経済の夜明けを告げる
2012年マネー大激震! 国家連鎖破綻が、日本経済の夜明けを告げる
松藤 民輔
徳間書店 2011-11-17

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先日読んだ『地獄に落ちる世界経済-「金(ゴールド)と菌(バクテリア)」が日本を救う』の著者による、これまた世界経済が危機的状況にあることと、金とバクテリアが有望なことを語っている作品。

基本的には前作と同じ論調だが、欧米のエリートがいかに自分のことしか考えていないかや、中国のなりふり構わぬ投資のやり方に多くの国から顰蹙を買っていること、二酸化炭素が地球温暖化に影響を与えている説がウソらしいことが浸透してきたことなどが印象に残った。

また、アメリカが特許関連で日本や欧州などから多くの知的財産を堂々と盗んできたことが書かれていて、かなり腹立たしく感じた。
日本や欧州からの要求によって、ようやく特許が先願主義になったそうなので、少しはまともになったということだろうか。
この話は本書にも書かれていた、日本が中国にいまだに多額のODAを出していることや、中国が日本の山林を買い占めていることくらい気に入らないところで、もう少し何とかできないものかと思う。

副題には”国家連鎖破綻が、日本経済の夜明けを告げる”とある割に、いまひとつ日本経済が良くなることについての根拠がはっきり書かれていないような気がするが、まずまず興味深かったと思う。



恐慌前夜 日本経済は急浮上する!恐慌前夜 日本経済は急浮上する!

松藤民輔
朝日新聞出版 2012-12-07

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史疑―幻の家康論
史疑―幻の家康論礫川 全次
批評社 2007-08

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史疑 徳川家康事蹟
史疑徳川家康
三百年のベール


明治時代に家康の入れ替わり説について書かれた『史疑 徳川家康事蹟』に流れる貴賎交代思想や、出版後すぐに事実上葬られた事情などについて考察している本。

この『史疑 徳川家康事蹟』というのは明治時代に村岡素一郎という人物の著作で、彼の外孫である直木賞作家・榛葉英治の『異説 徳川家康』や八切止夫の『徳川家康は二人だった』の元となっている。

この作品は徳富蘇峰の出版社から出たものの、何らかの圧力がかかったらしく出版後すぐに店頭からなくなってしまったらしい。
その指示をしたのは徳川家関係者・・・ではなく、伊藤博文や山県有朋といった当時の権力者の意向が強く働いているためではないかと書かれている。

下級武士の出身とされることが多いが、実は伊藤も山県もそれより下、厳密には武士とも言えない身分だったこと、そして彼らが維新後に華族となっただけでなく、爵位制度を作って自らに与えるというお手盛り政策を実施したことなどについては批判が多かったという。

また、村岡は卑しめられていた武士が政権を握るなどの貴賎交代思想を持っていたとのことで、その観点から伊藤や山県を非難する意図でこの書物が書かれているのではないかとの考察がなされている。
正直真偽のほどはよく分からないが、明治における政治の一側面を知ることができて興味深い。

徳川家康入れ替わり説を知る本の1冊目にはあまり向かないと思うが、興味を持って2冊目以降に読む本としてはまずまず面白いと思う。



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関連タグ : 徳川家康,

中国怪異譚 聊斎志異〈2〉 (平凡社ライブラリー)中国怪異譚 聊斎志異〈2〉 (平凡社ライブラリー)

蒲 松齢 (著),
増田 渉 (翻訳), 松枝 茂夫 (翻訳), 常石 茂 (翻訳)

平凡社 2009-09

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平凡社ライブラリーから出ている『聊斎志異』を現代語訳している作品(全4冊)の2冊目。
収録している話が多いために出来不出来はあるが、幽鬼や狐などが身近に登場する話を楽しむことができる。

この第2巻では、
  • 美醜が逆転した夜叉の島に流れ着くという、『ガリバー旅行記』さながらの話
  • 生きている人間が、冥土の裁判官の手伝いさせられる話
  • 狐が友人となり、詩やジョーク、ためになる話などで楽しませてくれた話
などが印象に残った。
大抵の話ではもののけによるペースで話が進むが、たまに強い人物があっさりもののけを降参させるケースもあるのが面白い。

シリーズはもう2冊あるので、これらも読むつもりである。



ガリバー旅行記 (角川文庫)ガリバー旅行記 (角川文庫)

ジョナサン・スウィフト (著), 山田 蘭 (翻訳)
角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-03-25

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