一昨日、千葉市美術館で開催されている「蕭白ショック!!曾我蕭白と京の画家たち」展(2012年4月10日~5月20日)を観に行った。
以前『もっと知りたい曾我蕭白―生涯と作品』を読み、その気持ち悪いがインパクトのある画風が気になっており、展示があれば観たいと思っていたのでいい機会だった。
最初は蕭白と近い時代、蕭白に影響を与えたと思われる画家たちの絵から展示されていた。
作風というのは雪舟など室町時代の絵の江戸時代におけるリバイバルのようなものらしく、平和な時代らしく自由なアレンジがなされているような絵が見られた。
そして次のゾーンに蕭白の絵が多く展示されていた。
蕭白といえば気持ち悪いほどインパクトあふれる人物の絵で、例えば三国志の関羽などはおなかが出ていてあまり強そうに見えなかったり、中国古代の隠者と伝えられる人物が俗っぽく描かれるなど、意図して固定観念を崩そうとしている絵が多い。
おそらく一般受けよりも、熱狂的なマニアに人気があったのだろうと思っている。
また、蕭白が人物画以外にも風景画を多く描いていることを知り、かなり驚いた。
作風としては雪舟のような水墨画で、細かく描くところ、余白を活かすところ、筆をさっと流して勢いをつけたところなど、緩急をつけた感じの作品でこれらも良かった。
最後のゾーンで、蕭白と同時代に活躍した、伊藤若冲、池大雅、与謝蕪村、円山応挙らの絵が展示されている。
彼らの絵も実際に見るのはおそらく初めてなので、得した気分になった。
思っていた以上に充実した展示で、行って良かった。
また、今月の上旬で半分くらいが入れ替えになるそうなので、行くことを検討している。
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