fc2ブログ
読んだ本の感想をつづったブログです。


津波避難タワー―命を守るフジワラ津波避難タワー―命を守るフジワラ

藤原 充弘
日中言語文化出版社 2013-03

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


タイトル通りの津波から避難するための建造物や、防災や環境保全に役立つものを発明・販売している、フジワラ産業の社長による作品。

タイトルだけ読むと東日本大震災を受けて開発されたものと感じるかもしれないが、実際はそれよりもかなり前に発明し、主に西日本で多く建造実績があることを知って驚いた。

このタワーは東日本大震災などの実際に起きた災害のデータや、ユーザーからの意見によりどんどん改良が重ねられていることも書かれている。
例えば寒冷地向けに屋根がついたり、ヘリコプターでの救助用に屋根への登り口やヘリポートをつけるなどである。

他にも、下記のような発明が紹介されている。
・津波にあった際に電柱に体を固定して流されるのを防ぐロープ
・歩道橋として使用できる津波避難タワーへ
・津波の高さがタワーで対応できそうにない地域用に開発した、津波避難用地下シェルター
・津波や洪水で金庫が流れることに対して作られた、金庫を杭で固定する設備

また、進行中のものも含め、下記のビジョンが書かれている。
・古来の雨乞い儀式から発想した、人工降雨装置
 (湿気や雨雲のコアとなるチリをを上空に送り込んだり、空気を振動させるなど)
・パイプラインで海水を引き込むことで塩湖を作ることによる、砂漠の緑化
・兵庫県を日本海側と瀬戸内海側を運河でつなぎ、瀬戸内海の汚染対策とする

また、後半では自身の来歴やフジワラ産業の歴史を書いていて、創業の苦労や売り込みの難しさなどが書かれていて興味深い。

さらに著者が岡山県の備前市出身で、藤原家の流れをくむ葉室家の子孫ということで、地域のことや地元の偉人、先祖の話も書かれている。
このあたりは少し長い気がしないでもないが、これはこれでそれなりに興味深い。



にほんブログ村 本ブログへ

洛中洛外画狂伝: 狩野永徳
洛中洛外画狂伝: 狩野永徳
谷津 矢車
学研パブリッシング 2013-03-12

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
花鳥の夢
等伯 〈下〉
よっ、十一代目! 鎌倉河岸捕物控二十二の巻 (ハルキ文庫 き 8-41 時代小説文庫 鎌倉河岸捕物控 22の巻)
陽炎の門
等伯 〈上〉


戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍し、『洛中洛外図屏風』などで知られる画家の狩野永徳(源四郎)の若き日を描いた歴史小説。

冒頭では源四郎が織田信長に謁見して不敵なやり取りをするシーンがあり、これまでの来歴を語るという構成となっている。

室町時代の中期から狩野家は絵の名家として知られており、祖父の元信が粉本(見本の絵)を作成しており、そのコピーあるいはアレンジをした形で、商家向けに扇絵を大量生産していた。

源四郎は少年時代からこの粉本に沿って絵を描くことが嫌いで、自分で自由に描いた絵は父の松栄から”魔道”と呼ばれて蔑まれたり、出入りの商人から売り物にならないと言われたりで窮屈な思いをしていた。

そしてある日元信と京の町を歩いていて闘鶏を見物していたところ、将軍である足利義藤(後の義輝)と出会い、その後の運命が変わっていくこととなる。
その一方で義藤の政敵に当たる三好家の実力者である松永久秀からも知己を受けるなど、否応なく当時の政治情勢に巻き込まれていくこととなる。

身近なところでは土佐派の娘である廉や屋敷で働く老人の孫に当たる平次、野心家の怪人物である日乗が登場し、源四郎に影響を与えていく。

なかなか周囲に理解されない天才の苦悩や、ともすれば型にはまることに流されそうになったりと、もがきながらも成長していく源四郎の姿が描かれていて面白い。

狩野永徳の作品についても関心を持ったので、関連した本を読んでみようと思う。
また、永徳や狩野派の特別展があったら行ってみたい。




にほんブログ村 本ブログへ

明治天皇を語る (新潮新書)
明治天皇を語る (新潮新書)
ドナルド キーン
新潮社 2003-04-10

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
明治天皇〈1〉 (新潮文庫)
明治天皇〈2〉 (新潮文庫)
明治天皇〈3〉 (新潮文庫)
明治天皇〈4〉 (新潮文庫)
ドナルド・キーン自伝 (中公文庫)


アメリカ出身で、日本文学史や明治天皇の事績を描いた『明治天皇』で知られるドナルド・キーンによる、明治天皇の人となりについて語っている作品。
明治天皇については昨年、明治天皇および昭憲皇太后の事績の絵を収めている聖徳記念絵画館へ行ったこともあって関心があり、短めの本書を先に読むことにした。

著者によると、『明治天皇』が明治天皇を通した明治時代を描いているのに対し、本書では明治天皇の個人をクローズアップしているとのことである。

著者が『明治天皇』を書くまでは、色々と遠慮があって書きづらい日本国内はもとより海外でも明治天皇についての著作が極めて少ないとあり、少し驚いた。

限られた史料から、下記のようなエピソードが書かれていて、自分を律することに努めた明治天皇の人柄がうかがえる。
  • 乗馬やダイヤモンドが大好きで、風呂や刺身が大嫌い
  • 贅沢を好まず、国民や前線の兵士たちのことを親身に考える
  • 写真を撮られることが嫌いで、2枚くらいしか残っていない
  • 一般的には君主が自分が言ったことを曲げないのに対し、誤りは率直に認めていた


また、外国人から見た明治天皇は堂々とした偉丈夫で、他の君主と比較しても謁見はかなり緊張するものだったらしい。

重臣では大久保利通や伊藤博文、西郷隆盛などを気に入っており、逆に陸奥宗光や尾崎行雄、乃木稀典らが嫌いだったようである。
乃木は日露戦争で指揮した旅順攻略戦においてあまりに死傷者が多かったことが不興を買ったようで、戦術がまずかったと思うので納得できる。

そして絶大な権威や権力を持ちながら、決してそれを行使しなかったことが「大帝」と呼ぶにふさわしいと書いている。

発言こそしないものの閣議に毎回出席していたため、薩長の下級武士が多数を占める政府高官たちがだらしないところを見せるわけにいかず、真面目に政権運営をやっていたとあり、ありそうな話だと思った。
藩閥や武士の出身ではない星亨が大臣に起用されたのも、明治天皇の意向があったという。

特に、同時代におけるドイツのヴィルヘルム2世やロシアのニコライ2世のダメさに比べて偉大さが際立つことが書かれている。
少し調べると、2人とも失政を重ねたために亡国につながったらしいことが分かり、日本がベースを変えずに続くことができたのは明治天皇による部分が大きいと改めて感じた。

著者の第2のライフワークと語る『明治天皇』も読んでみたい。




[明治天皇を描いた、著者の代表作]



[著者の他の作品]



にほんブログ村 本ブログへ

HaKaTa百貨店(DVD-BOX初回限定版)

HaKaTa百貨店(DVD-BOX初回限定版)
スキ! スキ! スキップ!  (Type-A)【封入特典:全国握手会参加券・ポケットスクールカレンダー(全16種のうち1種)】(初回プレス盤) スキ! スキ! スキップ!  (Type-B)【封入特典:全国握手会参加券・ポケットスクールカレンダー(全16種のうち1種)】(初回プレス盤) スキ! スキ! スキップ!  (Type-C)【封入特典:全国握手会参加券・ポケットスクールカレンダー(全16種のうち1種)】(初回プレス盤) みるネコ [Blu-ray] DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?  スペシャル・エディション(Blu-ray2枚組)
by G-Tools


昨年から今年初めにかけて放送された、HKT48のバラエティー番組をDVD化した作品。
劇場に行ったり先日購入した『スキ! スキ! スキップ!』が良かったりしたので購入した。

AKB48グループのメンバーがゲストとして登場し、HKT48のメンバーを売り込んで推しメンを決めてグルメデートに出かける構成となっている。

この中ではゲストの柏木由紀や秋元才加が司会を務める指原莉乃に対し、指原の教育ができているという意味のことをコメントしており、いかに指原がHKT48の人気に貢献したかが伝わってくる。

画像や公演などでは必ずしも伝わらないメンバーの魅力が分かる内容となっており、『スキ! スキ! スキップ!』が売れた背景には、本作のように関東でレギュラー番組を放送したことがあることは間違いなさそうである。

初回限定盤にはメイキング映像やメンバーの自己紹介の映像が収録されたDVDがついていて、ふざけすぎてストップがかかったりメンバーが泣き出した部分など、カットされたシーンが多いことが分かる。
特に、気の強そうなメンバーが思ったように結果を残せなかったことに対して悔し涙を流すところなどが印象に残った。

その後も本作の続編である『Hakata百貨店2号館』や『HKT48のおでかけ!』も出ていて、こうした売り込みによって来月のAKB48グループ選抜総選挙で何人ランクインするのか気になる。
けっこう面白かったので、2号館も出たら購入するかもしれない。





にほんブログ村 本ブログへ

関連タグ : HKT48,

宇宙戦争 (創元SF文庫)宇宙戦争 (創元SF文庫)

H.G. ウェルズ (著), 中村 融 (翻訳)
東京創元社 2005-06


Amazonで詳しく見る
by G-Tools



H・G・ウェルズによる、異星人の侵略をテーマとして扱ったSFの古典。
創元SF文庫で読んだ初めての作品である。

ある日火星から巨大な筒が飛来し、その中からタコ型の火星人が現れ、熱線を出す兵器で周囲の地球人たちの殺傷を始め、パニックに陥る。

書かれたのが19世紀末ということで地球の兵器はあまり発達していないこともあり、三本足の戦闘機械に乗る火星人たちになすすべもなくやられていく。
一人称の主人公はその中で、火星人の襲来をレポートする役割を務めている。

混乱し逃げ惑う人々や、火星人の気持ち悪さなどの描写が真に迫っていて、初読の際にかなり印象に残った記憶がある。

アメリカで20世紀にラジオドラマで放送された際にドラマということが分からずに混乱が発生したり、少し前にトム・クルーズ主演の映画になったりと、いかに大きな影響を与えた作品かが分かる。

本作をパロディ化した映画『マーズ・アタック』も面白かった。



[ウェルズの作品]


[本作をパロディ化したお笑い映画]

マーズ・アタック! [DVD]マーズ・アタック! [DVD]

ワーナー・ホーム・ビデオ 2000-08-25

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


[トム・クルーズ主演で映画化された作品]

宇宙戦争 [DVD]
宇宙戦争 [DVD]
トム・クルーズ (出演), ダコタ・ファニング (出演), スティーブン・スピルバーグ (監督)
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン 2006-07-07


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

にほんブログ村 本ブログへ