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中国の歴史(一) (講談社文庫―中国歴史シリーズ)
中国の歴史(一) (講談社文庫―中国歴史シリーズ)
陳 舜臣
講談社 1990-10-08

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作家・陳舜臣による、中国の歴史を解説したシリーズの第1巻。
伏羲(ふくぎ)・女媧(じょか)や三皇五帝といった中国神話の時代から、夏、殷、周、そして春秋時代までを扱っている。

歴史上の敗者が神話の神とされたのではないかと推察していたり、殷墟の発見や甲骨文字の研究が近代の動乱の中で多くの人々の尽力によってなされた経緯、周が殷を破った背景には神との向き合い方や武器の違いが背景にあったのではないかなど、世界史の教科書では書いていないと思われることが多く触れられていて興味深い。

中国の漢民族が必ずしも同一民族でなく、例えば周や秦、楚などで身体的特徴が異なること、殷の滅亡の裏には酒の飲み過ぎが疑われること、周の封建制が混乱したように見えて実は天下が広がった事情など、学者でないために思い切って書かれているようで、何度も読み返した。

本シリーズは中学生の頃に第1巻~第5巻まで読み、私にとって事実上中国史の教科書となった。
現代の日本人の多くにおける日本史の印象がが司馬遼太郎や吉川英治の小説に影響を受けているように、私の中国史理解は本書に多大な影響を受けていると思う。

第6巻・第7巻はまだ読んでいないので、間は空いたが読んでおきたい。




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