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読んだ本の感想をつづったブログです。


「史記」の人生訓「史記」の人生訓

村山 孚
PHP研究所 2009-05-12

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中国の前漢時代に司馬遷が著した歴史書『史記』より、処世的な教訓となる話を取り上げて解説している作品。

扱われている時代は三皇五帝といった神話の時代から夏・殷・周・春秋戦国・秦・前漢の武帝の頃までで、その間に儒教や道教といった中国の代表的な思想が生まれたり、特に戦国時代や秦末に権謀術数にまつわる多くの話が残っていたりして、興味深いエピソードが多い。

その中でも出世や自身の心のコントロール、人の動かし方、他人から恨みややっかみを買わない方法など、社会生活を送る上で有益な話を書いている。

この手の本にありがちな説教臭い解説は少々鼻につくが、題材そのものが面白いのでわりと早く読んでいくことができる。
できれば、解説は少なめにして欲しいところである。

これまで歴史小説や歴史読み物で知っている人物の話も多いが、そうした作品で取り上げられることの少ない、地味な官僚や論客の話がけっこう入っていて、初めて知る話も多かった。

『史記』関連としては、現代語訳のものも読んでみようかと少し考えている。





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爆笑問題のニッポンの教養 「体内時計」はいま何時? システム生物学 (爆笑問題のニッポンの教養 21)
爆笑問題のニッポンの教養 「体内時計」はいま何時? システム生物学 (爆笑問題のニッポンの教養 21)
上田 泰己 田中 裕二 太田 光
講談社 2008-06-26

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爆笑問題のニッポンの教養 生物が生物である理由 分子生物学 (爆笑問題のニッポンの教養 11)


昨年までNHKで放送されていた教養番組「爆笑問題のニッポンの教養」を単行本化した1冊で、爆笑問題が理化学研究所へシステム生物学者の上田泰己を訪ねている回を扱っている。

上田氏は弱冠27歳で研究所のチームリーダー(大学でいえば教授に当たる)となった人物で、その若さに爆笑問題の2人が驚くところから始まる。

そして生物の体内時計はかなり正確なことや、1つではなく体のあちこちに存在すること、1日を感じる体内時計は調整できなくても季節を感じる体内時計は環境を変えることで調整できることなど、かなり興味深い研究結果の数々が披露されて驚く。

そこから生物の体内におけるバランスの絶妙さや体感時間の違い、変化することとしないことの違い、自分は何者かといった太田が好きな哲学的な話になっていく。

インタビューされる学者によっては太田の哲学的な議論に辟易する人もいるが、上田氏はこの手の話が大好きなのかまともに議論に応え、変化を求めるあまり破滅にいこうとしてしまう太田とそれを抑えようとする田中の絶妙なコンビについての話になっているのが面白い。

体内時計が物理法則の影響を受けない謎や、体内時計の研究がうつ病や季節性の体調不良の改善のみならず、生命倫理がからんだ領域に踏み込みつつあることなど、現状の研究とどのようなことが考えられているのかを知ることができて興味深かったと思う。




[本書のブックガイドに挙げられていた作品]


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関連タグ : 爆笑問題,

悪の教典 下 (文春文庫)
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貴志 祐介
文藝春秋 2012-08-03

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昨年伊藤英明主演で映画化された、サイコパス(反社会的人格)の高校教師が学校を恐怖に陥れるサスペンス小説の下巻。
上巻に続き、蓮実による自身が有利になるために実施する悪行がどんどんエスカレートしていく。

上巻の途中から蓮実の怪しさを感じてきた3名の生徒は徐々に蓮実に対する疑惑を確信に変えていくが、疑われていることに気づいた蓮実はさらに手段を過激化させて恐怖が増していく。

そして、映画の予告編でも多く放送された、蓮実が散弾銃を持って生徒たちを殺戮していくクライマックスのシーンへ進んでいく。
偶発的な要素や頭脳明晰な蓮実のミス、生徒たちの思惑なども絡み、語り口のうまさもあってぐいぐい読み進んでいった。

蓮実が本当に頭脳明晰ならリスクの高い殺人という手段は多用しない気がするのだが・・・というツッコミどころもないわけではないが、そうしたところも含めて面白かった作品だと思う。





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悪の教典 上 (文春文庫)
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貴志 祐介
文藝春秋 2012-08-03

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十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA (角川ホラー文庫)
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昨年伊藤英明主演で映画化された、サイコパス(反社会的人格)の高校教師が学校を恐怖に陥れるサスペンス小説の上巻。

主人公のハスミンこと英語教師の蓮実は生徒から人気があり、他の教諭や保護者たちからの信頼も得ているという一見理想的な教師に見える。
しかし実際は、知能が高い一方で他者の痛みなどを共感できないというサイコパスで、問題解決のためには、普通の人が避けるような手段もためらいなく実行してしまうという一面を持っている。

初めのうちは比較的まともそうな描写がなされ、毎朝自宅に襲来するカラスや自分に吠えかかる近所の犬に対して対策を立てるあたりから、少々やり過ぎかと思われる解決方法を実施する。

勤務する高校では他の高校と同様にいじめやモンスターペアレント、問題教師などの多種多様な問題があり、教頭から蓮実が問題解決を任されるケースも増えていく。

それに伴って蓮実にとって邪魔な人物を次々と陰湿な手段で陥れていくが、このあたりは2ちゃんねるでのDQN返しと呼ばれる手法に近かったりして、ぞくぞくしながら読んでいくこととなる。

蓮実の過去やそれまで行ってきた所業も徐々に明らかになりつつ、下巻へ続いていく。




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夕暴雨―東京湾臨海署安積班 (ハルキ文庫 こ 3-35)
夕暴雨―東京湾臨海署安積班 (ハルキ文庫 こ 3-35)
今野 敏
角川春樹事務所 2012-04-15

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TBSでドラマ『ハンチョウ』にもなっている安積班シリーズの1冊で、イベント会場での爆破予告からの事件を捜査している作品。

これまでプレハブだった臨海署が7階建ての建物に引っ越したばかりの時期で、組織の拡張により安積の強行犯係は一係と二係に増員され、安積が強行犯一係長、そして強行犯二係長には、これまでの作品で安積をライバル視して絡んできた相楽が本庁から転属してくる。

また、臨海署には旧水上署も吸収した他、臨海署の隣に警視庁警備部の特車二課という部署が引っ越している。
この特車二課はあの警察ロボットアニメの部署であり、しかもそこの小隊長の後藤が安積や速水と同期という設定がしれっと書かれていて驚くとともにテンションが上がる。

話としては、東京ビックサイトのイベント会場での爆破予告がインターネット上でなされ、単なるいたずらではないと判断した須田の進言もあって、警備係や本庁の警備部とともに警備および捜査に当たることとなる。

臨海署に配属されて張り切る相楽がいつも以上に安積に絡んでいく他、案件が警備部と刑事部に双方にまたがっていて縄張り争いの様相を呈していることもあり、本庁警備部の山下という男が、相楽以上に安積に対して小物っぽい言動を取るあたりが印象に残る。

そして、コンピュータおたくでもある須田が存分にその能力を発揮して大活躍しており、普段おしゃべりな須田と組んでいることもあって無口と思われる黒木も、局面ごとに重要な発言をしていて、安積班のメンバーの魅力をさらに感じることができる。

特車二課が出てくるアニメの監督を務めた押井守が帯にコメントを書いていて、本作に特車二課を出したのなら、そちらの作品に安積を登場させてもいいよね・・・みたいなことを語っているのも楽しい。
実写化の予定があるらしいので、その作品に安積班が出てきたら面白いと思う。



機動警察パトレイバー (1) (小学館文庫)機動警察パトレイバー (1) (小学館文庫)

ゆうき まさみ
小学館 2000-01

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押井守
角川春樹事務所 2011-01-31

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関連タグ : 今野敏, 安積班シリーズ,