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読んだ本の感想をつづったブログです。


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余計な一言 (新潮新書)
余計な一言 (新潮新書)
齋藤孝
新潮社 2014-07-17

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TBSのテレビ番組「ニュースキャスター」などでも見かけることの多い齋藤孝氏による、タイトル通り人間関係を悪化させる余計な一言のパターンと言ってしまわないための方法を語っている作品。

「だって」、「でも」、「逆に」など、パターンは決まっているもののついつい使ってしまう言葉が並んでいる。

こうした言葉には、ネガティブ、嫉妬、自己顕示欲、本音、責任からの逃げ、自己防衛、怒りといった感情が凝縮されるようである。

本音はそうやたらと出すべきものではないことや、有吉弘行などを真似しての毒舌は大体失敗するものであることなど、会話で注意すべきポイントが書かれ、前向きな言葉を使うようにすることが勧められている。

あまり意識せずに使っている言葉も多いはずなので、気をつけようと考えさせられる1冊だった。



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関連タグ : 齋藤孝,

世界国勢図会〈2014/15〉
世界国勢図会〈2014/15〉
矢野恒太記念会
矢野恒太記念会 2014-08

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2015年受験用 全国高校入試問題正解 社会


世界各国の政情や経済指標など、各種データが記載されているデータブック。

主要国のデータが一覧として並んでいて、例えば失業率で言えば日本と他の国ではどれくらい異なるのか?と比較してみたり、国力の参考となる数字を比較してみたりと、さまざまな使い方ができる。

「世界の国々」、「人口と都市」、「労働」・・・といった形で12章に分けられていて、それぞれの章の始めにその分野についての現状や課題についての文章が書かれている。これを読んでいくうちに概略がつかめるのがいい。

また、随所にコラムが用意されていて、イラクの反政府勢力である「イスラム国」の勢力拡大や中央アフリカ共和国の荒廃ぶり、スコットランド独立運動などが扱われており、これらを読んでいくだけでも現在の世界で注目されている事件やトレンドが分かるようにもなっている。

ただし書かれているのはあくまで数字という形でのデータなので、その算出方法がどうなっているのか、国によっては算出方法や基準が異なっているのではないかという点にも注意しておく必要はあると思う。

以前読んでいる『データでみる県勢 2013年版―日本国勢図会地域統計版』も良かったが、こちらはその世界版ということで別の楽しみ方ができたと思う。




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軌跡 (角川文庫)
軌跡 (角川文庫)今野 敏
KADOKAWA/角川書店 2014-02-25

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今野敏作品の中で、これまで単行本に未収録だった6編を収録した短編集。
かなり初期の頃から最近にかけてと書かれた時期に幅があるので、『軌跡』というタイトルになったようである。

収録されているのは下記の作品で、警察小説から拳法もの、SFと幅広い。
  • 巡査部長が捜査で組んだキャリアの女性捜査官と、それぞれの抱えている事情が描かれ、それぞれの言葉から話が展開する「老婆心」
  • 拳法の経験がある音楽誌のライターが、取材先で飛鳥時代に遡る拳法に魅せられる「飛鳥の拳」
  • 失恋した人物が南の島でダイビングをする「オフ・ショア」
  • 観葉植物の影響(?)でヒット作品を思いついたことから異常な事態が始まる「タマシダ」
  • ウラシマ効果で息子と同い年になってしまった人物の葛藤を描く「生還者」
  • 著者を思わせる人物が、沖縄の拳法にまつわる不思議な体験をする「チャンナン」

当然作品ごとに好みや出来の差はあるが、全体的には短い中できれいに仕上げられていて、今野作品の良さを再認識できる。

これまで今野作品では警察小説やSFもの、アクションといったジャンルは読んでいたが、拳法をメインにした作品には手を出しておらず、その意味では「飛鳥の拳」と「チャンナン」は新鮮で面白かった。
特に、「チャンナン」では著者と同じで作家業の傍ら空手の流派を設立・運営している人物が主人公となっているので、思い入れが込められていそうなところがいい。いくつか関連した作品も読んでみようと思う。




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関連タグ : 今野敏,

リングワールド (ハヤカワ文庫 SF (616))
リングワールド (ハヤカワ文庫 SF (616))
ラリイ・ニーヴン (著), 小隅 黎 (翻訳)
早川書房 1985-06

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先日『大航宙時代-星海への旅立ち』を読んだことで海外SF熱が再燃したため、『テラフォーミング―「異星地球化計画」の夢』『ゲームシナリオのためのSF事典 知っておきたい科学技術・宇宙・お約束110』でも扱われていた本書を読んでみた。

人類が複数の異星種族と交流を持っている時代、200歳の探検家であるルイスはパペッティア人のネサスからある画像を見せられたことなどがきっかけで、以前地球人と戦争を繰り広げてきた猛獣の姿をしたクジン人の<話し手>、幸運な血統を持つ地球人の女性であるティーラとともに探検に出ることとなる。

その画像とは恒星の軌道上に造られたリング状の建造物の上に地球に似た環境を再現されている「リングワールド」というものだった。
当初は近づいてからの調査のみの予定だったのが、この手の小説でのお約束として不測の事態が次々と起こり、リングワールドに着陸してから冒険を行うこととなる。

ルイス、ティーラ、ネサス、<話し手>の4人の間でのそれぞれの対立や葛藤があったり、それぞれの種族における過去の経緯などが明らかになったりしながら、リングワールドを建設した文明が廃墟と化した謎などに挑んでいく。

『テラフォーミング』や『SF事典』に出てきた「ダイソン球」(恒星をすっぽり球上に包んだ構造物を造り、恒星のエネルギーを無駄なく利用するアイデア)をアレンジしたリングワールドという構造物には知っていてもスケールの大きさに感じ入ってしまう。
また、居住する惑星+農業用の惑星3つをまとめて移動してしまうパペッティア人の技術や、カーボンナノチューブを思わせるケーブルなど、アイデアの壮大さに驚く。

ただしかなりの長編で、例えばA.C.クラークの『宇宙のランデブー』のように謎の構造物を探検するという体の小説だと話の展開がスローペースになったり、登場人物の少なさにより話が単調になるところがあり、少々読むのに疲れた。
比較的好き嫌いが分かれる小説だと思う。




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