読んだ本の感想をつづったブログです。



日付記事タイトル
2014/11/29『中国怪異譚閲微草堂筆記 下』
2014/11/27『義闘―渋谷署強行犯係』
2014/11/25『逆説の日本史 20 幕末年代史編3 西郷隆盛と薩英戦争の謎』        
2014/11/24『捜査組曲 東京湾臨海署安積班』
2014/11/19『せいぞろい へんないきもの-世にも奇妙な生物グラフィティ』
2014/11/17『続・梅干と日本刀 日本人の活力と企画力の秘密』
2014/11/15『虎の尾 渋谷署強行犯係』
2014/11/09『古城の風景〈2〉一向一揆の城 徳川の城 今川の城』
2014/11/05『1日3分! 足首まわしで下半身がみるみるヤセる』
2014/11/04『井沢元彦の激闘の日本史 南北朝動乱と戦国への道』
2014/11/03『スルーされない技術』
2014/11/02『中国怪異譚 閲微草堂筆記〈上〉』
2014/11/01『泥棒刑事』


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中国怪異譚閲微草堂筆記 下 (2) (平凡社ライブラリー き 9-2)
中国怪異譚閲微草堂筆記 下 (2) (平凡社ライブラリー き 9-2)
紀 〓 (著), 前野 直彬 (翻訳)
平凡社 2008-06

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中国怪異譚 閲微草堂筆記〈上〉 (平凡社ライブラリー)
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大活字版 ザ・聊斎志異―聊斎志異全訳全一冊 (グラスレス眼鏡無用)
山海経―中国古代の神話世界 (平凡社ライブラリー)
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中国・清朝の時代に書かれた怪奇話を集めた作品の下巻。
上巻に続いてやけに人間臭い言動をする幽霊や狐が多く登場し、生きている人間とのやり取りがなされていく。

中国っぽい話としては、自殺した人が幽霊となって次にその場所で自殺する人が現れるまでは留まり続ける話や、土地の神が中央から来た人の罪状に対して中央の神の意向を気にする話などがあり、日本との違いを感じることができて面白い。

儒教的な道徳について人間だけでなく幽霊や狐もやたらうるさいのも特色で、それぞれの話の最後に著者が道徳的なまとめをしているのも目に付く。

巻末の訳者解説ではこうした部分について丁寧に解説している。
著者が例えば『聊斎志異』のような作品をあまり認めていなかったために本書と話がかぶらないことや、本書に登場する幽霊や狐の設定に関する約束事が書かれているのが興味深い。

訳者解説は巻末ではなく、初めの方に持ってきた方が良かったのかもしれないとも思った。



中国怪奇小説集 新装版 (光文社文庫)中国怪奇小説集 新装版 (光文社文庫)

岡本 綺堂
光文社 2006-08-10

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捜神記 (平凡社ライブラリー)捜神記 (平凡社ライブラリー)

干 宝 (著), 竹田 晃 (翻訳)
平凡社 2000-01

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義闘―渋谷署強行犯係 (徳間文庫)
義闘―渋谷署強行犯係 (徳間文庫)
今野 敏
徳間書店 2008-11-07

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今野敏による、琉球空手の達人でもある整体師の竜門と、渋谷署強行犯係の刑事である辰巳が活躍するシリーズの最一作。
先日読んだ『虎の尾 渋谷署強行犯係』が面白かったので読んでみた。

広尾周辺で暴走族の少年たちがマスクとサングラスをした大男に襲われて怪我をする事件が続けて発生し、「族狩り」と呼ばれるようになる。
武器を持った5人や9人をあっという間に倒してしまっていることから、辰巳は武術や格闘技の達人による犯行を疑い竜門に参考意見を聞くところから話が始まる。

最初は辰巳の聞き込みを迷惑がっていた竜門だが、思い当たる人物がいることに気がついて事件に深入りしていくこととなる。
『虎の尾』と同様に竜門が徐々に敵との闘いに気持ちを集中させていくあたりがこのシリーズの醍醐味のようで、本書でもまずまず楽しむことができたのではないかと思う。
難しいことを考えず、さらっと楽しめる作品が読みたい時に向いている。



宿闘―渋谷署強行犯係 (徳間文庫)宿闘―渋谷署強行犯係 (徳間文庫)

今野 敏
徳間書店 2009-03-06

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渋谷署強行犯係 密闘 (徳間文庫)渋谷署強行犯係 密闘 (徳間文庫)

今野 敏
徳間書店 2011-05-07

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関連タグ : 今野敏,

逆説の日本史 20 幕末年代史編3 西郷隆盛と薩英戦争の謎
逆説の日本史 20 幕末年代史編3 西郷隆盛と薩英戦争の謎
井沢 元彦
小学館 2013-10-10

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井沢元彦による『逆説の日本史』シリーズの幕末編の3冊目で、1862~1864年の4年間を扱っている。
この時期は寺田屋事件、文久の改革、生麦事件、薩英戦争、八月十八日の政変、天狗党の乱、池田屋事件、禁門の変、馬関戦争と短期間に重大事件が連続して発生しており、こうした事件の関連や背景を丁寧に解説している。

時系列的に描くところだけでなく、西郷隆盛、坂本龍馬、勝海舟、高杉晋作といったキーマンたちの動向、例えば西郷が島津久光に流罪にされて殺されそうになった話や高杉の雌伏ぶりなどについても書かれている。

この時期は朱子学と天皇崇拝、開国問題などがあいまって尊皇攘夷思想が熱病のように蔓延している上、開国と攘夷、公武合体と反幕府と2つの対立軸から多くの争いが発生し、「現状の日本では諸外国に戦争で勝つのは無理」などと本当の事を言うと斬られるという恐ろしい社会情勢だったことが書かれている。

こうした情勢の中でも勝海舟や(上海渡航後の)高杉晋作、高杉の主君である毛利慶親(敬親)・定広(元徳)父子などは開国が不可避ということを見極めた上で徐々に物事を進めているところに凄みを感じた。

また、幕府、朝廷、薩摩、長州、土佐、会津といった諸勢力の中でも様々な派閥があり、次々と事態が変わっていることが徐々に分かってくる。
そこに島津久光の器量の小ささによる言動、一橋慶喜の猜疑心による重大な戦略ミス、20代前半という若さながら長州や朝廷を動かした久坂玄瑞の策謀、三条実美ら過激派公家の暗躍や尊攘志士たちの暴発などが複雑に関係していくこととなる。

攘夷についても薩英戦争でやられた薩摩は冷静に外国の優位を認識して路線変更したのに対し、馬関戦争でやられた長州ではあくまで軍事的な劣勢を認めないという朱子学的な思想が多数を占めたことが書かれていて、この影響が太平洋戦争での敗戦につながったとしている。
一方でこうした考え方が外国と戦うというモチベーションを与えたともしていて、功罪がそれぞれあるのが分かる。

それにしても革命には流血がつきものとはいえ、多くの事件で優秀な人物が次々と死んでいったのは残念に思う。
久坂玄瑞や清河八郎、武市半平太のような人物はどうやっても長生きできなかったと思うしできたらできたで困った事態となっていたと思うが、吉田稔麿や望月亀弥太などはたまたま京都で池田屋事件に巻き込まれていなければ明治時代にも活躍できたと考えている。
寺田屋事件でも大山巌、西郷従道、篠原国幹といった後に明治政府の要人となる人物も殺された可能性があったわけで、生き残ること自体が大変な時代だったと思う。

この時代をさらに分かりにくくさせているのが、島津久光、伊藤博文、井上馨、山県有朋といった明治政府で表立って批判できない立場に上がった人物の業績が盛られたり、重大なミスや問題行動が隠されてしまったこと、そして生き残った人々が尊敬する人物の名誉を守るためについた嘘などにもあるとしていて、歴史の真相をたどることの難しさを感じた。

あまりにも多くの内容が入っていたため、ここでの文章も長くなってしまった。
知的な刺激が多くて一気に読み進んでいけたので、幕末年代史編の他の作品も読んでみようと思う。




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関連タグ : 井沢元彦,

捜査組曲 東京湾臨海署安積班
捜査組曲 東京湾臨海署安積班
今野 敏
角川春樹事務所 2014-07-31

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今野敏による安積班シリーズの最新刊。
連作となっており、多くの作品で安積をはじめとした安積班のメンバーや、安積班と関わりの多い臨海署の面々による一人称で書かれ、タイトルが捜査組曲とあるようにそれぞれの章の名がが曲名となっている。

安積班では村雨、水野、黒木、桜井の4人で、もう一人の須田は何を考えているのか分からないという設定を守るためか一人称で出てこないが、他のメンバーの章で存分に存在感を発揮している。
また、安積に強いライバル意識を持つ強行犯第二係長の相楽、安積と相楽の上司である課長の榊原、これも常連である鑑識係長の石倉による章も入っている。

他にも瀬場副署長や水上安全課の吉田係長、海上保安庁の大友三正、相楽班の荒川と日野といったキャラクターも登場し、安積班が活躍する臨海署の設定に厚みを加えているのがいい。
安積の同期でもある交通機動隊小隊長の速水ももちろん登場し、随所で重要な役割を果たしている。

安積の魅力だけでなく村雨の的確なアドバイス、須田の優しさ、相楽の安積に対する複雑な感情、榊原課長の気苦労、荒川が上司の相楽を慕う言動など多くのエピソードが描かれている。

やはり安積班は安定して面白いシリーズだと再認識し、どうしても次の作品も期待したくなってしまう。




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