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読んだ本の感想をつづったブログです。


プリンセス トヨトミ DVDスタンダード・エディション
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万城目学
ポニーキャニオン 2012-05-26

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万城目学の小説を映画化した作品で、昨日TVで放送されていたのを観た。

年次の会計監査により東京の会計検査院から松平(堤真一)、鳥居(綾瀬はるか)、旭(岡田将生)の3人の調査官が大阪を訪れ、「社団法人OJO」という団体も調査対象となる。
1回目に訪れた際は特に問題がなさそうだったが、別件で松平がOJOを訪れた際に異変に気づき、調査を進めたことで事態が展開していく。

そして彼らが見かけた、女装をしたためにいじめにあっていた男子高校生とその幼馴染の女子高生が物語に大きな意味を持ってくることとなる。

ネタバレになるといけないのであまり具体的には書かないが、大阪の陣に由来する、大阪人が保持し続けてきた秘密が徐々に明らかになり、調査官の3人と大阪の人々とのやり取りが緊迫するあたりがクライマックスとなっていく。

おそらく原作では話をそれらしく感じさせるためのプロットが色々と書かれているのだろうと思うが、映画版の本作では残念ながらそのあたりが伝わらず、つっこみ所を残したまま唐突に進行して唐突に終わるという感じでいまひとつ面白く感じなかった。

万城目作品はまだ読んだことがないので、そのうちに挑戦したいところである。



[本書の原作]
プリンセス・トヨトミ (文春文庫)プリンセス・トヨトミ (文春文庫)

万城目 学
文藝春秋 2011-04-08

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[原作者の他の作品]


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警視庁公安部・青山望 濁流資金 (文春文庫)
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濱 嘉之
文藝春秋 2014-09-02

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警視庁公安部・青山望 機密漏洩 (文春文庫)
報復連鎖―警視庁公安部・青山望 (文春文庫)


警視庁公安部の青山らが活躍する警察小説のシリーズ第5作。

京都でビジネスコインと呼ばれる仮想通貨取引の会社社長が射殺される事件が発生し、東京でも仮想通貨取引の会社で多額の仮想通貨および預かり金が消失して会社更生法申請が出されるという事態となる。

さらに政治家、官僚、IT企業家といった各界で活躍する人物が11人も短期間に不審な死を遂げるということまで起こり、これらの事件がつながりを持ってくることから、一連の事件に青山たち4人の同期カルテットが対応していく。

前作までで各所轄に配属されていた彼らは警察の定期的な人事異動により、本作で本部へ戻っている。
青山は公安総務課の管理官、龍は捜査二課の管理官として古巣の部署に戻ったが、捜査一課(強行犯)だった藤中は科警研、組対四課(マル暴)だった大和田は人事の監察および表彰の担当と、元々の専門とは異なるが警視庁全体の事件を把握できる部署へ異動している。

県警本部長クラスのキャリアによる汚職や機密漏洩、これまでの作品にも登場した黒社会の黒幕たちの策謀などが出ており、本作も内容がリアルで面白い。
ビットコインという従来なかった取引方法にまつわるリスクや『警視庁科学捜査最前線』にも出てきたような科学捜査の手法といった最新情報が反映されているのも興味深い。

悪人のトップのところまでなかなか捜査が行き着かないところもリアルで、読みごたえがあった。




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関連タグ : 濱嘉之,

城壁なき都市文明 日本の世紀が始まる
城壁なき都市文明 日本の世紀が始まる
増田 悦佐
エヌティティ出版 2014-11-26

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日本が発展している理由の一因に、都市が城壁で囲まれておらず自由に拡大することができたがあったと解説している作品。

ヨーロッパなどでは城壁で都市と郊外をはっきり区切り、外敵からの侵入を防ぐとともに、城内にいる領民の支配を徹底させてきたことが書かれている。
それが都市住民からすると郊外の住民に対して差別意識を持つことにつながり、物理的な城壁がなくなった後も心理的な城壁が存在し続けてきたという。

その一つが鉄道が都心にまで来ていないことで、例えばパリでは(軽視している郊外の人が無制限に流入しないように)郊外の鉄道と都心の地下鉄との相互乗り入れをさせないために規格を違うものにするという底意地の悪い設計をしていたと知り驚く。

こうした城塞都市群の中で例外的に城壁で囲まれていなくて自由に拡大できた都市が時代ごとの経済覇権を握ってきたとし、ヴェネチア、アムステルダム、ロンドンを挙げている。
湿地帯や干拓地だったり川の南岸が開けていたなど事情はさまざまだが、日本やオランダのように都市のつながりができないのは、城壁や都市間の戦争などのなごりがあるからといったことが書かれている。

元々城壁がなかったアメリカは当初は自由に発展する都市だったのが、自動車の普及が鉄道を押しやったことで富裕層や中間層が郊外に逃げ出す現象が発生し、ヨーロッパとは逆に都心部がスラム化してしまった事情を語っている。

それでは中国はという話になり、中国の城壁は実用よりも権威を誇示する意味合いが大きかったらしく、孔子がけなすくらい田舎の賢人が有能だったと知られていたり、宋代に都心から郊外にかけて繁栄していた話が書かれている。
ただ、アヘン戦争によるショックで、欧米崇拝に近い状態となりその伝統が崩れてしまったのが残念というニュアンスで書かれている。
ここでは東アジアの人々が欧米に比べて平和的、かつ指導者の選び方が適当と思われることから、安倍晋三、習近平、パク・クネ、金正恩の指導者たちのことを(二世・三世であることから)太子党四人組と呼んでいるのに笑ってしまった。

そして日本の話に移る。
縄文時代から外から来た人を歓迎したり男性がふらっと旅に出かけたがる文化があったことや、江戸時代に幕府が大商人ではなく庶民寄りの裁定を下すことが多かったこと、女性や子供の盛り場が多かったことで都市が発展したことなど、著者の『奇跡の日本史―「花づな列島」の恵みを言祝ぐ』などとも一部重なる日本の美点が書かれている。
他国の都市と比較すると、日本はやはりいい国なのだろうと改めて感じる。

本作でも多くの論点から興味深い内容が書かれていて、読んでよかったと思う。
参考文献でも関心を持った作品があったので、そのうち読んでみたい。



[参考文献に挙げられていた作品]


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妖怪萬画 (第2巻 絵師たちの競演編)
妖怪萬画 (第2巻 絵師たちの競演編)
和田京子
青幻舎 2012-04-04

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妖怪画を文庫本サイズでカラーグラビアで掲載し、解説している作品の第2作。
本作では江戸時代に活躍した絵師たちの作品を多く扱っている。

鳥山石燕、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳、河鍋暁斎、月岡芳年などで、これまで本を読んだり、博物館や美術館で特別展を観た絵師の作品も多く、ユーモラスな妖怪の絵を楽しめる。
そしてや喜多川歌麿や伊藤若冲など、妖怪画のイメージがあまりない絵師たちによる妖怪画も入っていて驚く。

序文に「妖怪のビッグバン」という論考が収録されていて、以前作家の京極夏彦が目にして唸ったという、妖怪は「水木しげるがつくったもの」というフレーズが紹介されているのが面白い。
ここでは多種多様な妖怪たちが毎週放送されるテレビアニメという形式に合っていたことや、こうした多くのキャラクターを知ったりグッズを集めたりする嗜好が日本では古くからあったことが書かれている。
こうした傾向が、食玩やガチャガチャ、スポーツ選手やアニメのカードやシールを収集するブームに通じていると思うし、多くのメンバーが在籍していて公演で様々な魅力を見せるAKB48もその趣向に合ったのがヒットした要因にあるように思う。

昔から妖怪もネタとして親しまれていることがよく伝わる作品で、楽しむことができた。




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関連タグ : 葛飾北斎, 歌川国芳, 河鍋暁斎,

凍りついた空 エウロパ2113 (創元SF文庫)
凍りついた空 エウロパ2113 (創元SF文庫)
ジェフ・カールソン (著), 中原 尚哉 (翻訳)
東京創元社 2014-10-31

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木星の衛星であるエウロパを舞台としたファースト・コンタクトもののSF長編。

約100年後の未来、人類は木星圏へも進出し、資源の採掘や知的生命体の探査を始めていた。
主人公の女性科学者であるボニーが同僚のバフマンとラムの3人でエウロパでの探査を始めてすぐ、事故でバフマンとラムが亡くなってしまう。

ボニーはラムの意識をAI(人工知能)に転移させることで助けを借り、スカイフィッシュと呼ばれるエウロパの原住生物の攻撃を受けながらも氷の世界を必死で逃げ延びていく。
そしてこのラムのAIは物語の後になるまで影響を与え続けてく。

その後もボニーが属するEUの探査チームのクルーたちとの人間関係や、EUとブラジルや中国といった国家間の争い、エウロパの資源やスカイフィッシュの遺伝子情報などの利権を狙う大企業からの圧力など、多くの問題が発生し、ボニーはこうした問題に悩みながらも立ち向かっていく。

氷に覆われながらも火山活動が活発というエウロパの苛酷な環境や、人類に敵対的な行動をとるように見えたスカイフィッシュの行動、ロボットやクローン技術といった近未来の技術などがリアルに描かれていて読みごたえがある。

舞台が氷で覆われた場所ということで少し伝わりにくいところもありはしたが、かなり楽しめたと思う。




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