日付 | 記事タイトル |
2015/01/30 | 『司馬遼太郎が語る 6 私ども人類』 |
2015/01/29 | 『仕事に効く 教養としての「世界史」』 |
2015/01/28 | 『機龍警察 火宅』 |
2015/01/27 | 『はみ出し銀行マンの資産倍増論』 |
2015/01/26 | 『カオスだもんね!PLUS 3』 |
2015/01/25 | 『司馬遼太郎が語る 5 日本と合理主義』 |
2015/01/24 | 『オメガ 対中工作』 |
2015/01/23 | 『免疫力をあなどるな!』 |
2015/01/22 | 『吉里吉里人 (上・中・下)』 |
2015/01/19 | 『隠された日本 九州・東北 隠れ念仏と隠し念仏』 |
2015/01/18 | 『司馬遼太郎が語る 2 歴史小説家の視点』 |
2015/01/17 | 『30ポイントで理解する世界史の新しい読み方―脱「ヨーロッパ中心史観」で考えよう』 |
2015/01/16 | 『お金が「殖えて貯まる」30の大法則』 |
2015/01/15 | 『逆説の日本史 21 幕末年代史編4 高杉晋作と維新回天の謎』 |
2015/01/14 | 『はみだし銀行マンの「金持ちになれる人・なれない人」講座』 |
2015/01/12 | 福岡市美術館『成田亨 美術/特撮/怪獣』展 |
2015/01/09 | 『確実にお金を増やす200の知恵―低金利時代の安全利殖術』 |
2015/01/08 | 『はみ出し銀行マンの金融裏事情』 |
2015/01/07 | 『隠された日本 大阪・京都 宗教都市と前衛都市』 |
2015/01/06 | 『鬱〈うつ〉に離婚に、休職が… ぼくはそれでも生きるべきなんだ』 |
2015/01/04 | 『アイドル国富論: 聖子・明菜の時代からAKB・ももクロ時代までを解く』 |
2015/01/03 | 『中国自壊: 賢すぎる支配者の悲劇』 |
2015/01/02 | 『電子の標的 警視庁特別捜査官・藤江康央』 |
2015/01/01 | 『「新しい日本人」が創る2015年以後』 |

司馬遼太郎の講演をCD化した作品の第6作で、亜細亜大学で行われた講演を収録している。
第5作の『日本と合理主義』では金(ゴールド)を主に扱っていたのに対し、本作では鉄について多く語っている。
司馬氏が戦時中に満州へ渡っていた頃にどこの農家でも農具の種類が少ないことに驚き、話を聞くと朝鮮半島でも事情は同じらしいというところから鉄の話が始まる。
中国や朝鮮半島は古代に鉄の文明が栄え、特に中国の春秋戦国時代から漢の武帝の時代にかけてはむしろ近代に近いくらいの発展を見せていたが、鉄生産のために華北などにあった森林を伐採してその後植林をしなかったためか、鉄生産の低下とともに文明も停滞していったことが語られている。
一方の日本では鉄については後進国だったものの、森林を伐採しても30年も経てば元に戻るという土壌もあり、鎌倉時代から室町時代にかけて鉄が安定して生産できるようになり、それが鉄製農具の普及、そして米の増産につながり、文化人を養えるくらいに豊かな社会となった過程を述べていく。
ところどころでクルド難民やボートピープルといった当時ニュースで報道されていたネタを話したりしつつも、きちんと話の流れをコントロールしながら話しているのが分かり、講演の名手でもあったと思わされる内容だった。
- 著者の作品について書いた記事
- 『司馬遼太郎が語る 2 歴史小説家の視点』
- 『司馬遼太郎が語る 5 日本と合理主義』
- 『歴史を紀行する』
- 『街道をゆく 1 湖西のみち、甲州街道、長州路ほか』
- 『街道をゆく 32 阿波紀行、紀ノ川流域』

仕事に効く 教養としての「世界史」 | |
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ライフネット生命の社長による、自身が多くの読書から得た世界史の理解を解説している作品。
日本史が世界史と密接に関連していることから話を始め、宗教の成立過程や中国の歴史を理解するためのキー、交易が世界に果たした役割と話が進んでいく。
著者が歴史の専門家ではないためか通説に書かれていることだけでなく、さらに踏み込んだ考察がなされているのが面白いし、教科書的に話を進めるのではなく、テーマに沿って話を展開していくのも読みやすい。
キリスト教が分化を繰り返し、東方系とローマ系、ローマ系がカトリックからプロテスタント、英国国教会などに分かれていった話や、ドイツ・フランス・イギリスの成立過程、モンゴル帝国の衰退にはペストが絡んでいたこと、トゥルクマン(トルコ系遊牧民)がオスマン朝やサファヴィー朝など多くの国を建国した話など、何度も読み返したくなる話が多く扱われている。
改めて歴史は面白いということ、まだまだ知らない歴史が沢山あることを感じさせられた1冊で、読んでよかったと思う。
- 関連記事
- 『逆説の世界史 1 古代エジプトと中華帝国の興廃』
- 『ゆがめられた地球文明の歴史 ~「パンツをはいたサル」に起きた世界史の真実~』
- 『世界史の中の日本 本当は何がすごいのか』
- 『地球日本史〈1〉日本とヨーロッパの同時勃興』
- 『世界史の誕生─モンゴルの発展と伝統』
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近未来を舞台として警視庁に所属する戦闘ロボットが登場するSF警察小説である『機龍警察』シリーズの連作短編集。
下記の8編で構成され、新設部署ということや外部からの人間が所属していることなどで警視庁の他の部署から忌み嫌われたり、官僚組織ならではの縄張り争いなどに巻き込まれたりしながらも活躍する人々を描いている。
- 由起谷が以前指導を受けた警視の過去が徐々に明らかとなる表題作
- 立てこもり事件が発生し、解決のために龍機兵の新兵器を使うことになる「焼相」
- アフリカの武装組織幹部が来日し、その目的が分かるにつれて戦慄が走る「輪廻」
- ライザが特捜部に入る前のエピソードを描いた「済度」
- ユーリがある殺人事件を捜査するに当たり、ロシア民警時代に出会った事件との類似性に気づく「雪娘」
- 由起谷が十代で荒れていた頃の意外さが際立つ「沙弥」
- 宮近が暴力団幹部逮捕が大詰めになった時期に家族サービスがおろそかになっていることに悩む上、国会答弁の資料作りまでさせられるはめになる「勤行」
- 汚職事件からある企業が開発中の新技術に沖津が珍しく焦りを見せる「化生」
主役である龍機兵のパイロットである姿、ユーリ、ライザの3人や特捜部長の沖津だけでなく、沖津を支える理事官の宮近と城木、捜査班主任の由起谷と夏川、技術班の緑や柴田、庶務班の絢子と、多くの人々がそれぞれの思いを抱えて活動を続ける姿が描かれていて、シリーズ全体に厚みを加えている。
これまで『機龍警察』、『自爆条項』、『暗黒市場』の3冊を読んでいて、それらのネタがところどころに書かれているのも読んでいてテンションが上がる。
おそらく4作目の『未亡旅団』のネタも入っていると思われるので、これも読んでおきたいところである。
物語を構成する多くのキャラクターが連作でそれぞれ活躍しているところなどは、今野敏の安積班シリーズ最新作である『捜査組曲 東京湾臨海署安積班』に似ていて、シリーズを多く読んでいるほど楽しめるところも共通している。
これまで長編が多かった分、短めの短編となっているのが新鮮で、その意味でも楽しむことができた。
- 著者の作品について書いた記事
- 『機龍警察』
- 『機龍警察 自爆条項(上・下)』
- 『機龍警察 暗黒市場』
- 『黒警』

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元エリート銀行員による金融ネタを扱ったエッセイシリーズの1冊で、資産防衛や利殖について語っている。
出版時の世相を反映してか、危ない金融機関のネタを中心に、知識の少ない一般庶民を狙った金融商品のあやしさ、贅沢のための借金が招く恐ろしい事態など、過去の銀行業務で見てきた話がリアルに書かれている。
この中には最近カップ焼きそばやハンバーガーで話題になった異物混入の話も入っていて、一定の割合で起こるものなのだろうと感じた。当時と現在で最も異なるのは、SNSなどで拡散した結果、炎上するかどうかだろう。
資産形成については、株で勝負できる時期は一生のうち3回程度としていたり、金利や物価、為替レートをチェックしておく重要性、小口の金融商品に手を出す前にまとまった元手を貯めるべきなど、もっともだと思えるような話が多い。
特に、期間が決まっていて為替のタイミングを動かせない外貨預金よりも、預けた1ヵ月後には自由に引き出せる外貨MMFの方が圧倒的に有利だという話はその通りだと思ったことを覚えている。
金融にまつわる悲喜劇のエピソードを語りつつ、お金に関する知識やしっかりした考えを持つ必要があるとのメッセージが強く感じられ、参考になったと思う。
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