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司馬遼太郎が語る 2 歴史小説家の視点 [新潮CD]
司馬遼太郎が語る 2 歴史小説家の視点 [新潮CD]
司馬 遼太郎
新潮社 2005-08

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司馬遼太郎が講演で語った内容をCD化したシリーズの第2作。
本作では1968年に新宿の紀伊国屋ホールで行われた講演を収録している。

内容としては歴史家と歴史研究家、そして歴史小説家のアプローチの仕方の違いから、鎌倉時代にだけいい彫刻が生まれた背景、そして幕末期に芸術が振るわなかった事情などについて語っている。

事実の羅列だけでは歴史研究の対象となるだけで歴史ではなく、それを文学として自身の言葉で語るのが歴史家、そして事実を収集した上で話を書くのが歴史小説家と話していて、歴史に対する姿勢の一端がうかがえる。
できるだけ多くの事実を収集するのは話が突拍子もない方向にいかないためという理由付けが興味深い。

そして日本芸術は絵画を重視して彫刻への意識が薄いとし、鎌倉時代だけ彫刻が流行したのは、新興階級だった武士が文字が読めないために仏教の概念を分かりやすく伝えるためにすぐれた彫刻が生まれたとしている。

鎌倉時代とは別の意味で異質だったのが幕末で、芸術だけでなく宗教も振るわなかったとしていて、尊王の志士たちが平気で死ぬだけでなく、死後の世界にもあまり関心がなかったらしいことを語っている。
この背景には孔子が「怪力乱神を語らず」と語ったとされる儒教の教えを進めた朱子学が普及したことがあるとしていて、武士たちが宗教よりも経済を重視しているエピソードを挙げている。

講演ということで観客の反応を見ながら話しているライブ感もあり、楽しく聴くことができたと思う。




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