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司馬遼太郎が語る 6 私ども人類 [新潮CD]
司馬遼太郎が語る 6 私ども人類 [新潮CD]
司馬 遼太郎
新潮社 2005-10

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司馬遼太郎の講演をCD化した作品の第6作で、亜細亜大学で行われた講演を収録している。
第5作の『日本と合理主義』では金(ゴールド)を主に扱っていたのに対し、本作では鉄について多く語っている。

司馬氏が戦時中に満州へ渡っていた頃にどこの農家でも農具の種類が少ないことに驚き、話を聞くと朝鮮半島でも事情は同じらしいというところから鉄の話が始まる。

中国や朝鮮半島は古代に鉄の文明が栄え、特に中国の春秋戦国時代から漢の武帝の時代にかけてはむしろ近代に近いくらいの発展を見せていたが、鉄生産のために華北などにあった森林を伐採してその後植林をしなかったためか、鉄生産の低下とともに文明も停滞していったことが語られている。

一方の日本では鉄については後進国だったものの、森林を伐採しても30年も経てば元に戻るという土壌もあり、鎌倉時代から室町時代にかけて鉄が安定して生産できるようになり、それが鉄製農具の普及、そして米の増産につながり、文化人を養えるくらいに豊かな社会となった過程を述べていく。

ところどころでクルド難民やボートピープルといった当時ニュースで報道されていたネタを話したりしつつも、きちんと話の流れをコントロールしながら話しているのが分かり、講演の名手でもあったと思わされる内容だった。




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