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読んだ本の感想をつづったブログです。



日付記事タイトル
2015/02/27『スポンサーから一言』
2015/02/26『鱸とおこぜ、スパニエル幻想』
2015/02/25『破綻する中国、繁栄する日本』
2015/02/24『書き替えられた日本史: 「昭和~平成」でこんなに変わった歴史の教科書』
2015/02/23『司馬遼太郎が語る 4 文章日本語の成立』
2015/02/22『天使と宇宙船』
2015/02/21『マンガ はじめましてファインマン先生-超天才物理学者の頭の中』
2015/02/19『爆笑問題のニッポンの教養 ひきこもりでセカイが開く時 精神医学』
2015/02/18『ぼくは眠れない』
2015/02/17『司馬遼太郎が語る 8 医学が変えた近代 』
2015/02/16『現代語訳 徒然草 』(岩波現代文庫・嵐山光三郎訳)
2015/02/14『司馬遼太郎が語る 7 キリスト教文化と日本』
2015/02/13『爆笑問題のニッポンの教養 万物は渋滞する 渋滞学』
2015/02/12『司馬遼太郎が語る 1 建築に観る日本文化』
2015/02/11『お金で世界が見えてくる!』
2015/02/10『新訳 信長の言葉』
2015/02/09『街道をゆく 3 陸奥のみち、肥薩のみちほか』
2015/02/08『爆笑問題のニッポンの教養 教授が造ったスーパーカー 環境工学』
2015/02/07『スメル男』
2015/02/06『逆転力-ピンチを待て』
2015/02/05『中国古典からもらった不思議な力―視点がブレなければ、行動もブレない!』
2015/02/04『司馬遼太郎が語る 3 草原からのメッセージ』
2015/02/03『思わずナットク 基礎から学ぶ最新お金運用術』
2015/02/02『照葉樹林文化―日本文化の深層』
2015/02/01『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』


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スポンサーから一言 (創元SF文庫)
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フレドリック・ブラウン (著), 中村 保男 (翻訳)
東京創元社 1992-12

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関連商品
宇宙をぼくの手の上に (創元推理文庫 605-5)
未来世界から来た男 (創元SF文庫 (605-1))
天使と宇宙船 (創元SF文庫)
SFカーニバル (創元SF文庫)
まっ白な嘘 (創元推理文庫)


フレドリック・ブラウンによるSF短編集で、私の中でブラウンのベスト作品だと思う。

最も好きなのは表題作で、東西冷戦が一触即発の事態を迎えている時期に世界各地のラジオで、「スポンサーから一言」とある指示がだされたことから世界中の人々が困惑し、誰が、なぜ、どのようにしてこうした放送を流したのかを必死に議論するところが面白い。

また、主人公がスーパーコンピュータにくだならい質問をしたら答えが返ってきたところから話が始まる「地獄の蜜月旅行」や、敵対する異星人と一対一の決闘をするはめになる「闘技場」、短いページ数の中であっと驚く展開を見せる「ブードゥーの魔術」などもいい。

「選ばれた男」のちょっと落語みたいな展開や「かくて神々は笑いき」のサスペンス性なども印象的で、あまり内容に触れることができないのがもどかしい。

短い作品は短い作品なりに、そこそこの長さの作品はその分だけ楽しませてくれる短編集だと思う。




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関連タグ : フレドリック・ブラウン,

【オーディオブックCD】鱸とおこぜ、スパニエル幻想(CD2枚組) (<CD>)【オーディオブックCD】鱸とおこぜ、スパニエル幻想(CD2枚組) ()

阿川 弘之 (著), <声を便りに>オーディオブック(wis) (編集)
響林社(<声を便りに>オーディオブック。Amazon販売:密林社) 2013-05-10

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阿川弘之による短編2作が収録された朗読CD。
おそらく小説の朗読CDを聴くのは本作が初めてないではないかと思う。

「鱸(すずき)とおこぜ」は魚たちの会話と釣り客たちの会話がそれぞれ進行する形で書かれている作品で、強欲でうさん臭い医者のおこぜ、体調不良で半信半疑ながらおこぜの診察を受けて悩む鱸、生臭坊主のくらげなどが人間臭いセリフでのやり取りをやっているのが面白い。

「スパニエル幻想」の主人公は語り手でもある作家で、飼っているスパニエル犬のトンによる鳴き声や言動にいらついたり、世話を丸投げされた妻と口論するなどしている。
そしてある日なぜかトンと会話することとなり、メス犬ということでかなり面倒くさい女ぶりを見せるトンに悩まされるのがツボにはまる。

阿川弘之というと阿川佐和子の父親ということと、日本海軍に関連した小説や『南蛮阿房列車』のような紀行文を書く人というイメージしかなかったが、こうしたユーモア短編も書いていたことを知らなかったので少し驚いた。

朗読CDは自動車を運転中に聴くことができ、内容にもよるだろうがすっと聴くことができたので、想像していた以上に良かった。
他にも色々聴いてみようと思う。



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破綻する中国、繁栄する日本
破綻する中国、繁栄する日本
長谷川 慶太郎
実業之日本社 2014-01-31

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日本はこう激変する: 2014‐15 長谷川慶太郎の大局を読む (一般書)
大波乱: 長谷川慶太郎の大局を読む緊急版
アジアの覇権国家「日本」の誕生
経済国防
世界の未来は日本次第


長谷川慶太郎による東アジアを中心としたアジア情勢を解説した本で、一昨年に書かれた『長谷川慶太郎 アジアの行方 大激動の真実を知れ!』の続編のような内容となっている。

中国では主席の習近平と、北朝鮮を操る瀋陽軍区をはじめとした人民解放軍との間で勢力争いがなされてきたが、習が人民解放軍幹部が経営するシャドーバンクへの締め付けや、汚職摘発で狙い撃ちすることにより、人民解放軍のコントロールを試みていることが書かれている。

仮に中国共産党政府が崩壊した場合は7大軍区での内戦となって各勢力から日本へ協力要請が来ることが予想されるが、第二次世界大戦での教訓を活かして介入しないことが最善であると語っている。

さらに習が追い込まれている傍証として、既に権力を失っている小沢一郎(現・生活の党と山本太郎となかまたち共同代表)に電話をかけ、日本が中国に譲歩できないか頼んで断られたことまで書かれている。

そして中国と韓国がいかに国際的な信義を軽視している前近代的な国家であるかを、領土や国交、戦後賠償などの過去に結んだ条約に反する言動が多いことで示し、多くの国から失笑されているとしている。

後半ではシェール革命による世界経済の動向の変化について語っている。
まず、アメリカが天然ガスの輸入国から輸出国へ転じたことで、(アメリカが輸入先にしようとしていた)中央アフリカの国々はアメリカに天然ガスを売れなくなり、ヨーロッパへ売り先を替えている。
その結果、ロシアからバルト海を通って英国へ天然ガスのパイプラインを建設するプロジェクトが頓挫し、石油と天然ガスの値下がりでロシアが苦境に追い込まれていることが書かれている。

中国がシェールの技術を盗むことが懸念されるが、こうした高度な技術はデータ量が莫大かつ周辺産業の技術も必要となるため、盗用は難しいとしている。
この例として、中国首相の周恩来が三菱重工の副社長に対し、「自衛隊に納入している戦車の設計図を中華料理店に一時的に置き忘れてほしい」と頼んで断られた話を紹介し、(現代の戦車の設計図が中華料理店に置き忘れるくらいの量しかないと考えるような)技術に理解の足りないトップがいる国だから、大躍進政策のような愚策をやってしまうと書いているのになるほどと思った。

本作でも技術への知識や幅広い知見に基づいた事柄が多く書かれていて、興味深く読んだ。
やはりメディアに書かれていないことを知るのは楽しい。




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関連タグ : 長谷川慶太郎,

書き替えられた日本史: 「昭和~平成」でこんなに変わった歴史の教科書 (知的生きかた文庫)
書き替えられた日本史: 「昭和~平成」でこんなに変わった歴史の教科書 (知的生きかた文庫)
「歴史ミステリー」倶楽部
三笠書房 2014-01-22

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こんなに変わった歴史教科書 (新潮文庫)
あなたの習った日本史はもう古い!
昭和の教科書とこんなに違う 驚きの日本史講座 (祥伝社黄金文庫 か 16-1)
歴史REAL敗者の日本史 (洋泉社MOOK 歴史REAL)
えっ!! そうだったのか! 知らなかった、ホントの日本史 (COSMIC MOOK)


数十年前の日本史の教科書に書かれていたことが、その後の研究によって新たな事実が判明して内容が変わったことについて紹介している作品。

聖徳太子、源頼朝、足利尊氏、武田信玄、西郷隆盛といった人物の肖像画が別人を描いたものという説は知っていたが、教科書に載っている織田信長の肖像画も、実は豊臣秀吉が絵師にわざと貧相に描かせたという話は知らなかったので驚いた。

また、浄土宗や禅宗のような鎌倉新仏教は鎌倉時代から広まったような印象があるが、実際に定着したのは江戸時代だそうで、鎌倉時代は従来の仏教で改革運動が盛んだった話も初めて知った。

他にも徳川綱吉、田沼意次、蘇我入鹿、小西行長といったイメージがいまひとつな人々が再評価されている話、そして「由井正雪の乱」→「慶安事件」、「島原の乱」→「島原・天草一揆」のように歴史上の用語が変更になったことなどが書かれていて、日本史は日々研究が進んでいることを改めて感じる。

歴史研究によって常識が覆されることがあることを知り、興味深く読むことができた。




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