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読んだ本の感想をつづったブログです。



日付記事タイトル                                      
2016/07/30『ヒトイチ 内部告発 警視庁人事一課監察係』
2016/07/29『投資は「きれいごと」で成功する――「あたたかい金融」で日本一をとった鎌倉投信の非常識な投資のルール』
2016/07/28『大東京の地下鉄道99の謎―各駅の地底に眠る戦前の国家機密!』
2016/07/27『黒田官兵衛 作られた軍師像』
2016/07/26『今日の小幸せ』
2016/07/20『深層水「湧昇」、海を耕す!』
2016/07/19『超要点解説とキーワードでわかる・使える孫子の兵法』
2016/07/18『「全世界史」講義 II近世・近現代編:教養に効く! 人類5000年史』
2016/07/17『日本人だけが知らない「がんばらない」投資法 ほったらかしでも1億円貯まる!』
2016/07/16『1分間でやる気が出る146のヒント』
2016/07/15『黒田官兵衛の情報学(インテリジェンス)』
2016/07/14(『1万人を変えた、お金の不安が消えていく授業: 2時間でわかる、もっと「稼ぐ・貯める・増やす」秘訣』
2016/07/13『30の戦いからよむ世界史〈上〉』
2016/07/12『その後のツレがうつになりまして。』
2016/07/11『TMC』
2016/07/10『うまくいっている人の考え方 完全版』
2016/07/09『会社勤めでお金持ちになる人の考え方・投資のやり方 NISA 対応』
2016/07/08『地図で読む「魏志倭人伝」と「邪馬台国」』
2016/07/07『おなかがすいたハラペコだ。』
2016/07/06『マンガ孫子・韓非子の思想』
2016/07/05『仕事に活きる 教養としての「日本論」』
2016/07/04『ものぐさ投資術-「定期積み立て分散投資」入門』
2016/07/03『逆説の世界史 2 一神教のタブーと民族差別』
2016/07/02『必ず役立つ! 「○○(マルマル)の法則」事典』
2016/07/01『一瞬で心をつかむ文章術』


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ヒトイチ 内部告発 警視庁人事一課監察係 (講談社文庫)
ヒトイチ 内部告発 警視庁人事一課監察係 (講談社文庫)
濱 嘉之
講談社 2016-05-13

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関連商品
警視庁公安部・青山望 聖域侵犯 (文春文庫)
マークスマン: 警視庁公安J (徳間文庫)
特捜本部 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫)
警視庁「女性犯罪」捜査班 警部補・原麻希 通報者 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
捜査組曲―東京湾臨海署安積班 (ハルキ文庫 こ 3-41)


警視庁人事一課・監察係長の榎本が活躍するシリーズ第3作。
「身代わり出頭」、「公安の裏金」、「内部告発の行方」の3作が収録されている。

「身代わり出頭」では警視庁幹部が所有していて息子の警部補が普段使用している自動車によるひき逃げが発生し、同乗していたと思われる女性が出頭してくる。
その供述があやふやな上に証拠隠滅を図った形跡がいくつも見られるなど不審な点が多く、事態は当初想定されていた以上に深い闇があることが分かってくる。

「公安の裏金」では公安総務課に人格的に問題のある課長が就任したことから、以前の作品でもたびたび榎本と協力してきた公安部の山下が重要な役割を果たしている。
山下は著者の他シリーズの主人公である公安部の青山を彷彿とさせるが、作品を出している出版社が異なるために青山ではなく山下を登場させているのだろう。

「内部告発の行方」ではパワハラがらみの内部告発をきっかけに、所轄だけでなく警務部の担当部署にも影響がある事件が描かれている。

極左や暴力団、反日国家の情報機関などによる警察への工作活動、資質に問題があるキャリアが幹部になってしまう官庁特有の問題など、おそらくモデルとなった事件がいくつもあった上で書かれていると思われ、その重さにたじろぎながらも読み進んでしまう。






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投資は「きれいごと」で成功する――「あたたかい金融」で日本一をとった鎌倉投信の非常識な投資のルール
投資は「きれいごと」で成功する――「あたたかい金融」で日本一をとった鎌倉投信の非常識な投資のルール新井 和宏
ダイヤモンド社 2015-04-17

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日本でいちばん大切にしたい会社
チームの力: 構造構成主義による”新”組織論 (ちくま新書)
投資バカの思考法
「日本でいちばん大切にしたい会社」がわかる100の指標 (朝日新書)
WIRED VOL.23/特集 GOOD COMPANY いい会社


世の中を良くするために活動している「いい会社」を応援するというスタンスで投資する「結い2101」という投資信託を運営している鎌倉投信の投資責任者による、多くの経験を経ていきついた投資哲学を語っている作品。

著者は外国の運用会社で科学的な手法による取り引きを行ってきたが、ストレスも大変なものだったようで病気になったことが書かれている。
そしてリーマンショックでそれまで行ってきた投資手法に疑問を持ったり、坂本光司著『日本でいちばん大切にしたい会社』に感銘を受けたことなどから現在の投資スタンスになったという。

そして著者が仲間たちとともに打ち出した、予測をしない、投資先の企業は全てオープンにする、非上場の株式や社債にも投資する、1社への投資割合を低く抑えるなどの手法は投資業界の常識と大きくかけ離れたものだったため、多くの批判を浴びた話が書かれている。

その後徐々に理解を得られてきたのか、投資先の企業が銀行から「鎌倉投信の投資を受けているのなら大丈夫だろう」と評価されたように、ある種の与信機能を持ちつつあるというエピソードが興味深い。

また、投資先企業同士でのビジネスを仲介する場合もあるようで、金融業がこうしたあり方だといいな、というひとつの形を志向しているように感じる。

リターンの目標が5%で信託報酬が1%、残りの4%から税金を引いた残りが投資家の取り分という配分を目指していて、株式に投資するアクティブファンドとしてはローリスク・ローリターン型となるが、日本人向けと言えば日本人向けだろう。

信託報酬が安いインデックスファンドと比較してどうかというところだが、少額でも鎌倉投信の「結い2101」の積み立て投資をやってみようかな、と考え始めてしまった。






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大東京の地下鉄道99の謎―各駅の地底に眠る戦前の国家機密! (二見文庫 (006))
大東京の地下鉄道99の謎―各駅の地底に眠る戦前の国家機密! (二見文庫 (006))
秋庭 俊
二見書房 2007-09

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大東京の地下99の謎―帝都の地底に隠された驚愕の事実 (二見文庫)
大東京の地下400年99の謎 (二見文庫)
ニッポン地下観光ガイド
巨大防衛都市・東京の隠された真実
帝都東京・隠された地下網の秘密〈2〉地下の誕生から「1‐8計画」まで


東京の地下鉄における線路や駅で不合理に思われる箇所から、戦前に秘密裏に造られた地下の施設や路線が再利用されたのではないかと考察している作品。

東京に住んでいた頃によく利用していた有楽町線の東池袋駅や護国寺駅についても書かれていて、確かに護国寺駅に降りてから改札口までのルートが何か変だったと思い出したりした。

独断や妄想に属するような見解が多くて文章が読みにくいのが著者の作品の大きな弱点だが、扱われている事例自体はその場所を知っていれば興味深いだろうと思う。

文中では戦前や戦後に造りかけになっていた施設や路線を再利用したことを「昭和の宿題」を解決したと表現されているのが印象に残る。

戦前の事情とされる背景には陸軍や海軍の他、「地下鉄の父」と呼ばれる早川徳次、早川のライバルで東急の創業者でもある五島慶太、東京市長として関東大震災後の復興に尽力した後藤新平、小田急の創業者である利光鶴松といった人物がしばしば登場する。

例えば、銀座線の始発駅である渋谷駅が東急デパートの地上3階にあるのは五島の豪腕によるものだそうで、実に商魂たくましい。

「戦後なのになぜ隠したままにしているのだ!?」という趣旨のことを随所で述べているが、反社会勢力のアジトに使われたりテロの標的となりうるため、ということもあるのだろう。
著者の経歴を見るとテレビ朝日出身とあり、いかにも言いそうなことだと思ってしまった。

ただまあ、地下鉄の行き先表示の分かりにくさのように、直せる範囲での不合理な部分を直した方がいいとは思う。





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黒田官兵衛 作られた軍師像 (講談社現代新書)
黒田官兵衛 作られた軍師像 (講談社現代新書)
渡邊 大門
講談社 2013-09-18

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黒田官兵衛 - 「天下を狙った軍師」の実像 (中公新書)
黒田官兵衛: 智謀の戦国軍師 (平凡社新書)
新装版 播磨灘物語(1) (講談社文庫)
新装版 播磨灘物語(3) (講談社文庫)
新装版 播磨灘物語(2) (講談社文庫)


黒田官兵衛(如水・孝高)には物語の主人公にしやすいこともあって多くの異説があるが、同時代に書かれた書状や日記のような第一次史料に当たることで虚像をできるだけ廃して官兵衛の実像に迫り、「軍師」というイメージが作られた背景を考察している作品。

著者が官兵衛について書いた作品としては『誰も書かなかった黒田官兵衛の謎』があるが、『誰も・・・』が入門のような感じで、本書が一歩踏み込んで書かれたものという印象がある。

例えば黒田家は貝原益軒が編纂した黒田藩の公式記録である『黒田家譜』などでは佐々木氏と同じ宇多源氏で近江から備前の福岡を経て播磨に移ってきたとしているが、確かな史料によって裏付けることができず、黒田二十四将に代表される家臣たちの出身のほとんどが播磨であることから、古くから播磨を拠点としてきた一族ではないかとしている。

他にも御着の小寺氏、信長、秀吉、家康などとの関係や、官兵衛が荒木村重に囚われた際の黒田家の対応、叔父である小寺休夢の活躍、関ヶ原の合戦前後における官兵衛・長政父子の活躍など、小説などで描かれるのと少し異なる官兵衛や長政を知ることができる。

そして後世に伝わる官兵衛の伝説が広まった背景には、長政が家臣たちへの遺言として関ヶ原の合戦で官兵衛や長政が西軍についていたら西軍が勝っていたなどと、官兵衛・長政の存在を大きく見せるための情報工作があったのではないかとしている。

第一次史料に多く当たったために少し固くなった感じもあるが、興味深く読むことができた。






[著者の他の作品]


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