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読んだ本の感想をつづったブログです。



日付記事タイトル                                      
2016/10/30『流通業の「常識」を疑え!―再生へのシナリオ』
2016/10/29『日本の個性―日本文明論入門』
2016/10/26『「桶狭間」は経済戦争だった-戦国史の謎は「経済」で解ける』
2016/10/25『投資の大原則-人生を豊かにするためのヒント』
2016/10/24『休む技術-かしこくコスパを上げる大人のオン・オフ術』
2016/10/23『日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい。 22年勝ち残るNo.1ファンドマネジャーの超投資法』
2016/10/22『信長のM&A、黒田官兵衛のビッグデータ~戦国武将に学ぶ必勝のビジネス術 』
2016/10/21『1万円から始めるETF投資』
2016/10/20『カオスだもんね! PLUS 5』
2016/10/19『お金持ちになるマネー本厳選50冊』
2016/10/18『くらべる東西』
2016/10/17『福岡共和国のオキテ100カ条~焼き鳥はキャベツの上に乗せるべし!~』
2016/10/16『尾崎支配人が泣いた夜 DOCUMENTARY of HKT48 DVDコンプリートBOX』
2016/10/14『今世紀は日本が世界を牽引する』
2016/10/13『学校では教えてくれない日本史の授業 謎の真相』
2016/10/12『警視庁公安部・青山望 聖域侵犯』
2016/10/11『なぜか好かれる人の話し方 なぜか嫌われる人の話し方』
2016/10/08『スティーブ・ジョブズ名語録-人生に革命を起こす96の言葉』
2016/10/06『異説 戦国武将99の謎』
2016/10/05『アランの幸福論』
2016/10/04『カイジ「勝つべくして勝つ! 」働き方の話』
2016/10/03『九州・沖縄「方言」から見える県民性の謎』
2016/10/02『人生を最高に楽しむために20代で使ってはいけない100の言葉』
2016/10/01『敗者のゲーム-なぜ資産運用に勝てないのか』


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流通業の「常識」を疑え!―再生へのシナリオ
流通業の「常識」を疑え!―再生へのシナリオ
松岡 真宏 中林 恵一
日本経済新聞出版社 2012-01-06

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時間資本主義の到来: あなたの時間価値はどこまで高められるか?


流通業や小売業のここ数十年の変化と、その背景、そして今後の展望などについて解説している作品。

百貨店、GMS(イオンやイトーヨーカ堂などに代表される総合スーパー)、コンビニ、専門の小売店と業態別に話をしている。

流通業を語る際は売り上げが悪化しているところは「不景気による消費の低迷で・・・」という話がなされることが多いが、必ずしも実態を表しているとは限らず、経営戦略の失敗による部分も大きいという。

例として消費性向の具体的なデータを挙げ、金額ベースでの消費はそれほど下がっている訳ではないが、通信費やサービスへの消費が増えた一方で、単価が下がったこともあって金額ベースで衣料品の消費が減っていることが分かる。(購入している点数はそれほど変わっていない)

それなのに少し前の百貨店では衣料品に力を入れる戦略を取ったため、結果として大失敗となった経緯が書かれている。
また、百貨店にテナントを多く入れるのではなく「小売業としてのあるべき姿」にこだわったことも良くないとして、集客力のある専門店を効果的に入れることが望ましいとしているようである。

これはGMSでも同様で、さらに郊外への過剰な出店によって消耗戦が起こっていることも問題に挙げている。
ただし土地利用に関する契約などから簡単に閉店することができない事情も書かれていて、適正な形になるには時間がかかりそうでもある。

専門の小売店については紳士服店や衣料品店、ドラッグストアなどを挙げ、法律の改正などで出店が増える時期と頭打ちになる時期、そして淘汰と寡占が進むプロセスが書かれていて、知っている店の名前がいくつも出てくる。

後半では大きな流れとして、少し前は小売業と総合商社の提携、近年では小売業と鉄道会社と提携という現象を取り上げている。
駅の改札内や周辺に建設した大型の商業施設が成功している事例を出し、それぞれでの売り上げに限界が見えてきたことでより効率的な販売の形を探っているようである。

流通業や小売業の大まかな動きが分かりやすく書かれていて、興味深く読むことができた。
消費者としては、よりよいサービスや販売方法が提供されることを期待したい。





時間資本主義の到来: あなたの時間価値はどこまで高められるか?時間資本主義の到来: あなたの時間価値はどこまで高められるか?

松岡 真宏
草思社 2014-11-20

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日本の個性―日本文明論入門日本の個性―日本文明論入門

八木 秀次
育鵬社 2008-10

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日本人があまり意識しない、日本の美点を解説している作品。
発行された頃に気になっていたがその後存在を忘れ、先日ブックオフに200円で販売されているのを見つけて購入した。

日本文明と表現し、清潔さを大切にする習慣、外来の文化・文明を受け入れながらも自らに適した形に作り変える力、祖先が身近に存在するように感じて尊敬する信仰、男女での役割分担をしつつお互いを尊重する文化、神様も働くことに代表される労働観、自然を取り入れる生活習慣などを挙げている。

これらは幕末以降に日本を訪れたり日本人と付き合った外国人の記述からの引用が多く、自ら気づくことは難しいのだろう。

そして日本のインテリは外国の文化や文明を崇拝して日本をけなす風潮が強いが、これは平安時代にも公家が唐の文化をありがたがっていた話が紹介され、伝統のものなのだと分かる。

現代ではノーベル文学賞を受賞した大江健三郎が日本人であることがいやでたまらないようなコメントをしていたことが書かれていて、それなら文学賞を同時受賞して親近感を持ったイェーツの母国であるアイルランドにでも移住すればいいのにと不快な気持ちになった。

ただし、外国の文化を拒否するのでも同化されるのでもなく、「普遍のもの」として受け入れてきたことが日本的であるわけで、コインの両端のようなものかもしれない。

漢字を表音文字として受け入れた後にひらがな・カタカナに変換してしまった手法は「とんでもない」方法だと表現していて、結果として豊かな表現が生まれたのは不思議な感じもする。

興味深い記述が多く、いろいろと考えさせられる1冊となった。






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「桶狭間」は経済戦争だった (青春新書インテリジェンス)
「桶狭間」は経済戦争だった (青春新書インテリジェンス)
武田 知弘
青春出版社 2014-06-03

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信長と他の大名の経済的なセンスの差から、戦国時代を解説している作品。
以前読んだ『織田信長のマネー革命 経済戦争としての戦国時代』の続編のような位置づけとなっている。

桶狭間の合戦で今川義元は上洛ではなく知多半島における交易の利権を狙って侵攻したと思われることや、駿河・遠江・三河の生産力では通説ほどの軍勢は集められないはずで、『信長公記』などで話が盛られた可能性が高いという。

そして地図上では面積が狭い印象のある尾張は肥沃な上に伊勢湾交易で農業生産と匹敵するくらいの利益を出していて、織田軍と今川軍の差はせいぜい2倍かそこらだったのではないかとしている。

その時期に信長の居城だった清須城の遺構からはイメージされるよりも巨大な城だったことから、多数の常備軍を収容していて活用していたことが推定されるという話に驚く。

生産に関わらない常備軍を運営するには当然多額の金がかかるが、それを実現できるほどに豊かだったということでもある。

そして義元の他に、信長と武田信玄、毛利元就、上杉謙信との比較もしている。

まず信玄の場合、領国が生産高が低い上に経済封鎖を受けやすい内陸国という悪条件があり、、そんな中で治水事業や金鉱の開発、重税などによって強大な勢力を組織したことを評価すべきだという。

三方ヶ原の合戦で家康が武田軍に攻めかかったのは面子の問題もあったのだろうが、武田軍の装備が遅れていて甘く見ていたのではないかと書かれているのに驚く。
浜松城を攻めなかったのも短期間で攻略できる自信がなかったためとしていて、その理由なら納得しやすい。

それでは鉱山や港湾の利権を握っていて経済的に豊かだった元就や謙信の場合はなぜ信長に勝てなかったのか?という話に移る。

これは寺社勢力や国人層の権益に手をつけられなかったことや、収益を政治や軍事に十分に活用できなかったこと、そもそも天下統一への意識がなかったことなどを原因に挙げている。

戦国時代を経済的な背景から分かりやすく解説していて、前作同様に興味深く読むことができた。






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関連タグ : 織田信長, 大村大次郎・武田知弘,

投資の大原則
投資の大原則バートン マルキール (著), チャールズ エリス (著)
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日本経済新聞出版社 2010-11-23

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『ウォール街のランダム・ウォーカー』の著者であるバートン・マルキールと、『敗者のゲーム』の著者であるチャールズ・エリスの共著となる、個人投資家が目指すべき長期・分散・インデックス型での投資方法を勧めている作品。

『ウォール街のランダム・ウォーカー』、『敗者のゲーム』ともに読んでいて、どちらの作品も今後の投資に大いに参考になる作品だったので、ブックオフで見つけたものを購入した。

まずは資金を貯めないと話にならないこと、長期的に市場に勝つことは極めて困難なので市場に連動するインデックス投資が望ましいこと、資産クラスや購入時期を分散してリスクを低減すること、コストをあまりかけないこと、投資が続けられないような大きな失敗をしないことなど、分かりやすくて重要なことが整理された形で書かれている。

上に書いたように基本的にはインデックス投資を勧めているが、著者の両名とも資産の一部はアクティブ投資をしていると正直に語っているのも好感が持てる。
インデックス投資だけではどうしても退屈に感じると思うので、一部を個別の株式などに投資して射幸心を満足させるという考え方は納得しやすい。

重要なポイントは枠で囲んで書かれていて、繰り返し読み返すのにも便利な構成になっている。
投資に関する座右の書となりそうなので、手元に置いておくつもりである。





チャールズ・エリスが選ぶ「投資の名言」(日経ビジネス人文庫)チャールズ・エリスが選ぶ「投資の名言」(日経ビジネス人文庫)

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