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ローマ人の物語〈27〉すべての道はローマに通ず〈上〉 (新潮文庫)
ローマ人の物語〈27〉すべての道はローマに通ず〈上〉 (新潮文庫)
塩野 七生
新潮社 2006-09-28

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塩野七生の『ローマ人の物語』シリーズのうち、ローマ帝国のインフラについて語っている作品の上巻。
以前読んだ竹村公太郎著『日本史の謎は「地形」で解ける【環境・民族篇】』で紹介されていたので読んでみた。

本書で扱われているインフラは街道と橋で、主要なものの紹介やプロジェクトの決定プロセス、建設費の財源、メンテナンスの費用や主体など幅広く書かれている。

元々は軍隊や軍需物資を前線に速やかに送り込むためのもののようだが、一般用としても使用されていて、極めて公的なものという認識がなされていたことも語られる。

また、同時期に栄えた秦・漢帝国では万里の長城が建設されていて、街道は横に敷く、長城は立て掛けるという違いはあるが、似た構造の建造物が正反対の目的で使用されたという話は興味深い。

決してそれまでの道が他の地域に比べて通りづらかったわけでもなかったようであり、ローマ人がこだわりを持って建設していったこと、公的なインフラとして税金で賄われて通行料なども徴収していないことなどは特徴的だと感じる。
(現在の高速道路と違ってどこから入ってどこから出ることもできるため、料金所を作る方が高くついてしまうという事情もある)

橋についても同様の思想で建設されていたようで、古代に長期間続いた国の底力とでも言えるのかもしれない。

現在は土に埋もれたり石材が風化して丸くなったりしているが、往年は定期的なメンテナンスがなされていて、現在の状態でイメージしてはいけないことも書かれている。
これは日本において、樹木の茂った古墳や古びた神社仏閣を見てそのままのイメージで過去を想像してはいけないのと同じようなものだろう。

題材がインフラなだけに話が少し地味だったりもするが、その点は著者が断りを入れている。
古代においても交通の重要性を認識して街道や橋を大事にしていた人々の話として、興味深く読むことができた。





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