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読んだ本の感想をつづったブログです。



日付記事タイトル                                      
2017/09/28『本人に訊く〈2〉おまたせ激突篇』
2017/09/26『ついに日本繁栄の時代がやって来た』
2017/09/25『経営者・平清盛の失敗 会計士が書いた歴史と経済の教科書』
2017/09/24『へうげもの 二服』
2017/09/23『税務署員がこっそり教えるお金の裏ワザ - サラリーマン最強の蓄財術』
2017/09/21『戦国夜話』
2017/09/20『世界が再び日本を見倣う日 「トランプ砲」は恐れる必要なし』
2017/09/19『「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話を4つください。」』
2017/09/17『気づいたら先頭に立っていた日本経済』
2017/09/16『人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。』
2017/09/14『11歳のバフェットが教えてくれる「お金」の授業』
2017/09/12『秀吉家臣団の内幕 天下人をめぐる群像劇』
2017/09/10『殿といっしょ1』
2017/09/09『彷徨える艦隊〈6〉巡航戦艦ヴィクトリアス』
2017/09/08『1万人との対話でわかった 人生が変わる100の口ぐせ』
2017/09/07『全面改訂 超簡単 お金の運用術』
2017/09/06『サラリーマンの税金をタダにする技術』
2017/09/05『戦国武将百人百言―乱世を闘った男たちの珠玉の名言』
2017/09/04『ズボラでもお金がみるみる貯まる37の方法』
2017/09/03『薄っぺらいのに自信満々な人』
2017/09/02『彷徨える艦隊〈5〉戦艦リレントレス』
2017/09/01『元気が出る朝礼 話のネタ帳』


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本人に訊く〈2〉おまたせ激突篇
本人に訊く〈2〉おまたせ激突篇
椎名 誠 目黒 考二
椎名誠旅する文学館 2017-05

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書評家で本の雑誌社元社長の目黒考二(北上二郎)が、椎名誠の著作を読み返して椎名にあれこれ聞き出している対談シリーズの第2作。
本作では1995年の『南国かつおまぐろ旅』から2005年の『大漁旗ぷるぷる乱風編』までが扱われている。

前作の『本人に訊く〈1〉よろしく懐旧篇』に引き続き、目黒は再読した感想をストレートに語り、椎名に執筆した意図などを尋ねている。

特に多いのがタイトルへのダメ出しで、初版が出た際の元々のタイトルに対するものよりも、文庫化した際に改題したタイトルへのものが多い。
これは著作があまりに多くてネタ切れしていたのと、さまざまな雑誌に掲載したり連載したエッセイがあってまとまりのあるタイトルがつけづらかったためかと考えている。

本の雑誌社の経営が苦しかったために出した本というのも多かったようで、椎名とイラストレーターの沢野ひとしが旅に出る際に『あやしい探検隊』シリーズに関する写真を渡して船の上で対談してもらったものを書籍化したのが『鍋釜天幕団フライパン戦記 あやしい探検隊青春篇』だったとか、6人で共通のテーマに関するエッセイを書く方式で製作期間の短縮を狙った(けど椎名と沢野の原稿が遅れた)など、出版にまつわる裏話が面白い。

中でも、椎名が定期的に教会で行っていた絵本に関する講演が『絵本たんけん隊』として出されたが、同じ講演で絵本に関する度合いが低い話を編集して『ここだけの話』としてもう1冊出したという話には驚く。

他にも『沢野字の謎』『発作的座談会〈2〉いろはかるたの真実』のような『発作的座談会』シリーズでは沢野が常人離れした発想からの発言をどれだけするかで面白さが変わってくると指摘していたり、目黒が『武装島田倉庫』と同じ世界観で書かれた「北政府もの」のSF短編を集めた『続・島田倉庫』みたいな作品を待望しているなど、シリーズ作品の話も興味深い。
椎名は『続・島田倉庫』というタイトルに難色を示しているが、タイトルは別のものでもいいのでこれは出てほしいと思う。

本作でもこれまでに読んだ椎名作品を思い出したり、未読の作品に関心を持ったりと、面白く読むことができた。
このシリーズはあと2作出るようなので、発売を楽しみにしている。





[本書で扱われている作品の一部]


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ついに日本繁栄の時代がやって来た (WAC BUNKO 249)
ついに日本繁栄の時代がやって来た (WAC BUNKO 249)
日下 公人
ワック 2017-01-26

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日下公人による、近年の日本におけるポジティブだがマスコミが報道しない変化について語っている作品。

アベノミクスの3本目だか4本目だかの経済成長だが、これは新たに生み出されるものであり、それをあれこれ聞くほうが間違っていると語っているのが著者らしくて面白い。

また、安倍首相が精力的に行っている外交の意義を報じないメディアが多すぎることも印象に残る。
現在北朝鮮にまつわる危機が発生しているわけだが、インドを訪問して北朝鮮との裏取引などを行わないように働きかけることに成功したことなどがあまりテレビや新聞で報道されず、言いがかりに近い森友・加計の話題のような偏向報道を繰り返しているわけで、バランスを取る情報を得るには本書のような本を読まなければならないのは少々不本意な気もする。

(少なくともアメリカが主導する形では)TPPは雲散霧消するのではないかという見立てを披露していて、現在アメリカを除いた11カ国でのTPPについての話し合いがなされていると思うが、それなりに注視している。

景気を良くするにはもっと働くこと(公務員として働くことではない)や、政治が景気に対してできることなんて限られているなど、民間や大衆への信頼が感じられるのも好感が持てる。

著者が日頃の準備ととっさの行動に関して尊敬する人物として平田竹男氏、宮崎正弘氏、安倍首相の3名を挙げていて、それぞれの特徴を語っているのも興味深い。
安倍首相と著作を読んだことがある宮崎氏は多少分かるが、平田氏についてはほとんど知らないので著作などを読んでみようかと思った。

近年の話題を織り交ぜつつ、著者らしい主張が分かりやすい語り口で書かれていて非常に良かったと思う。





新しい日本人が日本と世界を変える新しい日本人が日本と世界を変える

日下 公人
PHP研究所 2016-12-22

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経営者・平清盛の失敗 会計士が書いた歴史と経済の教科書
経営者・平清盛の失敗 会計士が書いた歴史と経済の教科書
山田 真哉
講談社 2011-12-16

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『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』『女子大生会計士の事件簿』などの著作で知られる公認会計士の山田真哉による、平清盛による経済政策の功罪を考察している作品。

まずは伊勢平氏が貿易で経済力をつけた背景を解説している。
この時代は南宋の商人が博多を拠点に貿易の全てを取り仕切っていたのを、朝廷に輸入品を献上して価値を上げたり、瀬戸内海沿岸の港湾を整備して利権を抑えたなどの話が書かれいて最初から面白い。

そして、宋銭が流通するようになったのは平清盛が始めたと語っている。
元々は末法思想が広まっていたことから寺社が経筒といってお経を胴の筒に入れて地中に埋めるという、仏教版タイムカプセルの原料として宋銭が輸入されていたのに目をつけ、通貨として普及させたという話に驚かされる。

独自通貨を発行しなかったのは当時の日本での鋳造技術が低かったこともあるかもしれないが、贋金作りへの対策ではないかとしている。
この場合その目的は果たしているものの、中央銀行がやっている通貨の発行量をコントロールすることができないわけで、「銭の病」と呼ばれる現象(ひどいデフレ?)や、源平合戦で敗戦を重ねた背景にハイパーインフレで財源不足に陥ったことがあるのではないかという話が書かれているのが非常に興味深い。

それまで通貨が使用されていなかった社会で通貨が急速に普及するとどのようなことが起こるのか?というケースの1つとして読むこともできるわけで、この時期に普及したことはいいことも悪いこともあっただろうが、総合的には良かったように思う。

他にも伊勢、博多、薩摩、神戸といった港湾都市における清盛の貢献が書かれているなど、思っていた以上に清盛が傑物だったことが理解でき、最近読んだ本の中ではかなりの当たりだったと思う。






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へうげもの 二服 (講談社文庫)
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山田 芳裕
講談社 2011-04-15

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安土桃山時代に武将としても茶人としても活躍した、古田織部(左介)を主人公とした漫画の第2巻。
本書では本能寺の変の前後における、それぞれの武将たちの動きが描かれている。

第2巻で信長が退場するのはちょっと早いような気もするが、左介の活躍期間はその後が長いわけで、そうなるのだろうと思った。

家康が初めて登場したり、秀吉と千利休が陰謀を企てている姿、理想家肌な分だけ現実との落差に苦悩する光秀と、シンプルなタッチの描写なだけに印象に残る。

本作では同時代人から「人でなし」と呼ばれた織田長益(信長の末弟、後の有楽斎)のイタリア人みたいな雰囲気と、信長の小姓を務めた黒人のヤスケのかっこよさも目を引く。

左介の表情豊かな顔芸は本作でも存分に描かれており、喜怒哀楽が出すぎることを長益から指摘されているのが面白い。

絵のタッチと内容の厚みが絶妙な組み合わせとなっていて、続きが読みたくなるものとなっている。






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