
日付 | 記事タイトル |
2017/12/29 | 『「豊かさ」の誕生(下) 成長と発展の文明史』 |
2017/12/27 | 『殿といっしょ 6』 |
2017/12/26 | 『2018長谷川慶太郎の大局を読む』 |
2017/12/24 | 『学校では教えてくれない戦国史の授業』 |
2017/12/23 | 『手をつなぎながら』 |
2017/12/20 | 『真説・戦国武将の素顔』 |
2017/12/18 | 『殿といっしょ 5』 |
2017/12/17 | 『「豊かさ」の誕生(上) 成長と発展の文明史』 |
2017/12/14 | 『お金の流れで見る戦国時代 歴戦の武将も、そろばんには勝てない』 |
2017/12/11 | 『学校では教えてくれない戦国史の授業 秀吉・家康天下統一の謎』 |
2017/12/09 | 『初心者は投信積み立てから始めよう お金を増やす投資信託入門』 |
2017/12/07 | 『殿といっしょ 4』 |
2017/12/06 | 『ローマ人の物語 (7) ― 勝者の混迷(下)』 |
2017/12/05 | 『ローマ人の物語 (6) ― 勝者の混迷(上)』 |
2017/12/04 | 『若手SEのための ソフトウェアテストの常識』 |
2017/12/03 | 『中国文明の歴史〈3〉秦漢帝国』 |
2017/12/02 | 『これからはじめるプログラミング基礎の基礎<実技編>』 |
2017/12/01 | 『殿といっしょ 3』 |

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近代の急激な経済発展を、制度や技術の点から考察している作品の下巻。
上巻に続いて下記の4つの要因を用い、まずは先頭に立った国(オランダ、イギリス、アメリカ)、出遅れたが追いついた国(フランス、スペイン、日本)、取り残されたままとなっている国(かつてオスマントルコの領域だった国や、スペインから独立したラテンアメリカ諸国など)についてのケースを解説していて、具体的で興味深い。
- 私有財産制
- 科学的合理主義
- 資本
- 動力・スピード・光
制度についてはイギリスの植民地だった国とスペインの植民地だった国では法律によって財産権を保護する部分に差が出ていて、これが経済発展の差につながっているとしている。
これはあくまで法や社会制度についての話であり、植民地でマイノリティを優遇していがみ合いを煽ってきたイギリスの統治にも問題はあるわけで、あくまで経済成長ではという但し書きがつくかとは思っている。
その後は経済成長が幸福につながるかはなんとも言えないが、著者の母親によれば「少なくとも居心地のいい場所で苦しむことができる」という話をしたり、民主化は経済成長につながるとは限らないが経済成長は民主化につながりやすいという話、そして経済成長と民主化を達成した国は国防費を一定レベル(30%くらい)に抑えようとしたり、戦死者を減らすために軍事技術が発達する傾向があることなどを解説している。
後半は少し読みづらく感じる部分もあったが、まずまず前向きな形で経済成長についての話が書かれていて、興味深く読むことができたと思う。

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戦国武将を題材とした4コマギャグ漫画の第6巻。
冒頭からいきなり伊達政宗が投稿した漫画『機動武士ガンタイン』の原稿が出てきて、ボツにした編集部による付箋によるつっこみで笑ってしまう。
初登場となるキャラクターは極端に体力がない朝倉景鏡(朝倉義景の家臣)や山下清に寄せて描かれた高橋紹運(大友宗麟の家臣で立花宗茂の実父)などもいるが、最もヒットしたと思うのは伊達政宗の伯父でもある最上義光である。
謀略家というイメージからオールバック、ストライプの入ったスーツ、「も」の刺繍が入った皮手袋、「フォッフォッフォッ」という笑い声に狐のお面までつけて、いかにも秘密結社の黒幕といういでたちがじわじわくる。
しかも化かす謀略を立てているように見えてやっていることは普通で、いかに黒幕っぽく振舞うかにこだわっているのが面白い。
他にもお江の暴走や長宗我部元親と家臣たちのシリーズ、三国同盟をめぐる武田・北条・今川の関係者のドタバタ、足利義昭が細川藤孝にその文化人的な雰囲気とは裏腹な怪力伝説を問いただす話など、しょうもない笑いが続くのがいい。

長谷川慶太郎による、2018年の政治や経済の流れを観望している作品。
今年の衆議院選挙よりも前に書かれているため、本書が書かれた時点では民進党は分裂していない。
まずはアメリカのトランプ政権の話で、TPP交渉からの離脱やパリ協定離脱がいかに不適切な方法であるか、オバマケアの撤廃で財源を捻出するのに失敗したのはそれによって利益を得る人が多数だったためという見立て、アメリカの大統領は思われているよりも出来ることは少ないなど、報道であまり語られない話がなされていて興味深い。
このような奇人タイプの大統領の時だからこそできることもあるのかもしれないと感じたりもした。
日本では安倍政権下でTPP11の交渉継続やEUとのEPA締結を実施しているのは賢明だと評価していて、乳製品やバターなどが品薄の状態で輸入もされず高値のままというおかしな状態から抜けられそうなのはいいと思っている。
そして森友学園・加計学園をめぐる騒動の話をしていて、著者は報道機関の暴走だとしているが、安倍首相はトランプのようにtwitterで「フェイクニュースだ!」と書き込んだりしないことを評価している。
そして安倍首相は小池都知事と組むべきだと書いているが、小池都知事のこれまでの言動を見ていると敵対しても手を組んでもあまりいいことがない難しい人だと思うので、一定の距離を置くのが正しい対処のような気もする。
後半ではEUの話が入っていて、ブレグジットをめぐる英国での混乱、フランスで誕生したマクロン政権が抱える労働問題、イタリアをはじめとした金融機関の不良債権問題、難民・移民などをきっかけとした排外主義運動の高まりなどが書かれていて、厳しい時代がしばらく続いていくことが伝わってきた。
最終章は中国の話で、習近平が独裁の上に毛沢東のような神格化を狙っているがそれに見合った実績を挙げられそうにないという話、中国共産党政府が国有企業だけでなく民間企業の経営にまで介入しようとする愚かな政策、ネットショッピングの文化が共産主義を揺さぶっているなどのトピックが書かれている。
目新しいところはトランプ政権がうまくいっていないプロセスとEUでの動きあたりで、まあまあ参考になった。
- 著者の作品について書いた記事
- 『世界が再び日本を見倣う日 「トランプ砲」は恐れる必要なし』
- 『大転換 : 長谷川慶太郎の大局を読む緊急版』
- 『トランプ新大統領誕生で世界はこうなる』
- 『「世界大波乱」でも日本の優位は続く』
- 『世界大激変―次なる経済基調が定まった!』
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