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0から学ぶ「日本史」講義 古代篇
0から学ぶ「日本史」講義 古代篇
出口 治明
文藝春秋 2018-02-27

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ライフネット生命の会長による、日本の歴史で摂関政治のあたりまでで解説している作品。
著者の多大な読書量もあって、比較的最近の研究成果も反映されている。

まず、隋、唐、高句麗、新羅、百済、渤海といった古代東アジアの国々が関連した政治的な力学が働いたという構図での話が面白い。
中華の帝国が強大な時期は周辺の国々が精力的に使節を送り、弱体化すれば自立の動きを見せるというのは分かりやすい。

また、白村江の戦いの後に唐から使者として日本を訪れた郭務悰(かくむそう)をマッカーサー、唐の長安を真似た平城京や中国の史書を意識して書かれた『日本書紀』などの唐風文化を「鹿鳴館政策」と表現しているのはなかなかうまい。
天智天皇が近江京に遷都したのは畿内が唐軍に占拠されていたためでは?という説にも驚かされる。

大化の改新(乙巳の変)や壬申の乱といったクーデターや内乱は親唐派と反唐派の対立という要素が強いことや、反唐派が勝利しても政権を握ると現実が分かって親唐派に変じるというパターンが繰り返されること、遣隋使や遣唐使が留学の意味だけでなく外交特使の役割があったことなどは納得しやすい。

「鹿鳴館政策」で面白かったのは『日本書紀』のところで、元々は『史記』のように『日本書』として「本紀」、「世家」、「列伝」とする予定が「本紀」のみとなったのが『日本書紀』で、事前調査でまとめられたのが各国の『風土記』という話に少し驚かされた。

そして奈良時代は唐の武則天に影響されたのか、強い女性、弱い男性、賢い補佐役という構図が続いたという話も面白い。
強い女性が持統天皇、光明子、孝謙(称徳)天皇で弱い男性が聖武天皇や淳仁天皇、賢い補佐役が藤原不比等や藤原仲麻呂(恵美押勝)などが挙げられている。

他にも大衆向けには分かりやすい儒教や浄土宗が受け入れられ、意味ありげで難解そうなものを好むインテリには道教や禅宗が受けたと書かれていて、納得しやすい。
多分、村上春樹とかエヴァンゲリオンが好きな層も後者に当たるのだろう。

多大な読書量からアウトプットされた知見を多く得られ、充実した読書となった。






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