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「覇権」で読み解けば世界史がわかる
「覇権」で読み解けば世界史がわかる
神野正史
祥伝社 2016-09-02

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ローマ帝国、中華帝国、イスラム帝国、大英帝国、アメリカ合衆国と、それぞれの時代で覇権を握ってきた国々の興亡から、歴史の法則や歴史から導き出される教訓などを解説している作品。

長所で滅ぶ、絶頂を迎えると滅ぶ、経済大国は侵略に向かう、国内問題から目をそらすために外征するなど、38もの歴史法則が書かれていて、かなり分かりやすい。

現在は教育もあって何となく民主政治が正しいと思う人が多いが、総力戦になったのは民主主義国が増えたことが理由としていて、理由は君主や大臣は損得を考えて程々のところで終戦を考えるが、正義を煽られた民衆は限界を越えて戦う傾向を指摘している。
(初期のイスラム帝国などが強かったのも、宗教による正義を煽られた信者の力によること部分が大きかったことと近い)

初期は柔軟な政策を採っていたローマ帝国が滅亡の道を歩み始めたのはグラックス兄弟の改革を潰した時点だとしていて、塩野七生の『ローマ人の物語』シリーズではまだまだ序盤の第3巻くらいのところなので少し驚いた。
その後滅亡までかなりの時間を経過しているが、これは拡大戦争を続けたことで不満の捌け口をそらし続けることに成功し続けたためのようである。

中国では興亡のパターンが3回ほど変わっているとしていて、1回目が隋唐までの漢民族の王朝のパターン、2回目が清までの漢民族の王朝と遊牧民の王朝が交代するパターン、3回目が近代の皇帝が存在しない政権のパターンということになる。
中国は皇帝を戴く制度が合っていたのに、これをやめてから混乱が続いているという指摘はなかなか勇気がいる書き方だとも思う。

アメリカの特徴には宣伝のうまさ、自らの悪行や勝手な要求を美辞麗句で飾り立てて正しいことであるように主張することを挙げていて、事例を見ると確かにそうだと思わされる。
また、真珠湾攻撃や9.11での疑惑があるように、戦いのために自国民を見殺しにすることを躊躇しない傾向があることにもアメリカの怖さを感じた。

歴史上のポイントを思い切った書き方で指摘している書き方が分かりやすく、歴史への理解が進んだように感じる。
著者の他の作品も読んでみたい。






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