fc2ブログ
読んだ本の感想をつづったブログです。




『韓非子』で扱われている説話を中心に解説している作品。
対訳がついていない分、すらすらと読んでいくことができる。

賞罰の権限を委譲してはならないことや、自身の意向を知られることは家臣に操られることにつながるので避けるべきなど、君主と家臣の立場の違いが対立につながる部分は厳しいが正しいところを突いていることが伝わってくる。

基本的には君主のために書かれた作品なのだろうが、逆用すると下の者が上の者を差し置いてのし上がる方法、下克上マニュアルとしても使用できることも分かってくる。
もしかすると、王朝の簒奪をしてきた歴史上の人物たちも、こうした古典を参照していたのかもしれないと思った。

トリックを仕掛けて相手の意向を知ったり、底意地の悪い手法で恨みを持つ人物に意趣返しをする話がしばしば出ているところが、マキャベリの『君主論』よりもえげつないと感じたりもした。

著者の作品にしては引っかかるところが少ないと感じたが、これは著者が解説でちょいちょい書くことがある、現代の世相に対する嘆きや説教を書いていないためかと思う。
こうした部分を修正してもらうと一気に読みやすくなるので、ぜひ続けてほしい。






にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト




関連タグ : 守屋洋, 韓非子,