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読んだ本の感想をつづったブログです。


日本史のミカタ (祥伝社新書)
井上章一 本郷和人
祥伝社 2018/9/1



『京都ぎらい』などの著作で知られ建築史や社会学、日本史などを幅広く専門とする井上章一氏と、東大史料編纂所で鎌倉時代を専門として日本史に関する情報発信が多い本郷和人氏による、日本史対談。

日本史学界では中世について、京大を中心とした「権門体制」という捉え方と、東大を中心とした「東国国家」という捉え方の2つがあり、本郷氏は後者の立場なのだが研究が進むにつれて前者に有利な結果が積みあがってきたため、かなり参っていることを正直に語っている。

井上氏もあとがきで書いているように古文書解読などはしていないため、結果として空中戦のような対談になったと感じていたようで、読者からすると話があちこちに飛ぶのが面白い。

鎌倉幕府は「関東北条組」、「おねえさん京都論」、「室町幕府は絶対王政」、「明治維新はブルジョア革命」、「キンブ・オブ・下品な秀吉」など、一般的な歴史読み物では出てこない発想がいくつも出てくるのが興味深い。

AKB48ヲタであることをメディアの前でも隠さない本郷氏を井上氏がしばしばイジるシーンが出てきたり、本郷氏が時代考証を担当した大河ドラマ『平清盛』で公家や武士が標準語なのに海賊や山賊が関西弁なのは差別なのでは?と井上氏がいちゃもんをつけたり部分も出てきて、楽しく読むことができた。






考える日本史(河出新書)
本郷和人
河出書房新社 2018/11/21


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関連タグ : 本郷和人,




昔の地図、地図が書かれた目的、球体の地球を平面で表現するためのさまざまな技法、測量やGPS衛星などの手段など、科学の観点を多めに解説されている作品。

GPSは等高線を描くのには向かないなど、知らなかった話が多く出てくる。
科学的な話はあまり分からないので斜め読みになったが、それなりに興味深くはあった。




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銀行員 大失職
岡内 幸策
日本経済新聞出版社 2017/6/2



元銀行員の経営者による、銀行や銀行員を取り巻く厳しい状況と、その中でいかに生き残っていくかなどを語っている作品。

まず、このような問題があって逆境にあることが書かれている。
  • マイナス金利政策で国債での利ザヤ稼ぎができない
  • 金融庁から実態に応じて適切なリスクを取った融資をするよう指導されているが、それができる人材の不足
  • 不動産がらみの融資と、投資信託販売や手数料稼ぎに頼る経営
  • AI、フィンテック、ブロックチェーンといった技術の進歩で余剰人員が増える一方、必要な人員が不足する
  • 優良な企業ほど銀行を必要としなくなり、営業や情報収集ができなくなりつつある
それに対して、どのようなことが銀行員(や、今後銀行員でなくなるかもしれない人々)に求められるか?という話につなげている。

読んでいて感じたのは、あくまで銀行員だった人が銀行員に向けて書いたものだということである。

日銀のマイナス金利政策にぶつぶつ言っているような感じの記述が目立つが、他業種の人からすると、そもそも国債による利ザヤ稼ぎに依存するというぬるい経営を続けてきたことが原因なわけで、何を言っているんだ?という気持ちがあるのではないかと思う。
(円高に苦しめられてきた製造業とか、銀行に苦しめられてきた中小企業などは特に・・・)

不良債権は銀行がリスクの取り方に失敗したこと、企業が銀行を利用しなくなったのもこれまでやってきた貸し渋りや貸し剥がしなどの(企業から見ての)悪行、個人が銀行を利用しなくなりつつあるのも個人の軽視(手数料の高さやサービスの悪さ)やニーズを汲み取れていないことと、銀行側に起因する部分が大きいわけで、それをぶつぶつ言われてもね・・・という気持ちがある。

どんな問題があるかということを知るにはいいが、それ以上の内容は大して得られなかった。






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古代史マップ 世界を変えた帝国と文明の興亡 (ナショナル ジオグラフィック 別冊)
ナショナル ジオグラフィック (編集)
日経ナショナルジオグラフィック社 (2019-01-31)



メソポタミア、エジプト、インド、中国といった大河のほとりで生まれた文明から、ペルシア、ギリシア、ローマ、カルタゴといった地中海地域の文明、アメリカ大陸やヨーロッパ、アフリカなども含めた古代文明について、地図や遺跡の写真、絵画などを多用してビジュアル的に紹介している作品。

幅広く紹介されているのはいいと思うが、それ以外のデザインとか表現の仕方はあまり好きな形ではなかったので、斜め読みとなった。
『世界史MAPS』でも感じたことだが、この手の作品は私に合わないのかもしれない。






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サボる時間術 日経プレミアシリーズ
理央 周
日本経済新聞出版社 2011/9/9



仕事の時間をこなす時間と創造的な時間の2種類に分け、要領よく創造的な時間を確保して能率を上げる方法を解説している作品。

緊急度と重要度の2軸で構成されるマトリックスによる作業の分類や、抑えどころのつかみ方、著者が経験してきた外資と日本企業での風土や仕事の進め方の違いなども交えて書かれている。

ビジネス書としてありきたりといえばありきたりだが、それなりに参考にはなる。






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